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2018/05/12

【緊縛小説】 縄絡み (13-1)

§13の1 デレデレ

 

その後も、彼女とは、若手との吊りの練習で、

何事もなかったように、顔を合わせた。

 

駅への一緒の帰り道。

 

ポケットに入れた自分の腕に、

しがみつくようにして、勝手に

腕を通して、腕を組んでくると、
胸の膨らみを、腕に押し付けてくる。

 

一人陽気に振舞い、顔を覗き込んだり、

鼻歌を歌ったりしている。

 

   「また、ホテル行く?」

 

と聞いてくるので、

 

明日は実験の日で、

準備しないといけないから、と断わると、

じゃあ、わたしが奢るから、

軽く、もう1軒行きましょう、と言う。

 

行き付けのカフェバーがある、

というので、電車で移動すると、

 

小洒落たネオンサインが、

店の窓や、壁に掛かっている

お店に入った。

 

フィル・フィリップスの

 

「Sea of Love」 みたいな、

50年代とか60年代とかの、
古いポップスが掛かっている

大人っぽい雰囲気の店だった。

 

ディスコには、行ったことはあるが、

こういう小洒落た店には、

今まで、来たことがなかった。

 

テーブルに座り、カクテルを注文する。

彼女は、小指を立てながら、

ロングカクテルを、ストローで、

何回か掻き混ぜると、一口飲んで、

 

   「これから、曜日を決めて、

    定期的に会わない?」

 

と、言った。

 

前回、置いてけぼりを食らって、いたので、

警戒して、返事を濁していると、

ラブホのお金も、出してあげるし、

「受け手」 になって、吊りの練習台にも

なってくれると言う。

 

黙って、返事をしないでいると、

 

小指を立てて、ストローをつまみ、

モスコミュールを飲みながらも、

テーブルの下では、

彼女の組んだ足の片方が、

自分の足の内側を

下から上へと、ゆっくり

這い上がってくる。

 

意を決して、

 

どうして、あのとき、自分を置いて

一人で行ったのかと聞いてみると、

 

彼女自身も、実は、朝起きて、

隣に寝ている自分を見つけて、

驚いたのだと言う。

 

縄で縛られると酔ったように、

ボーっとなるし、

生理前で、したくなってたのかも知れないけど、

会社に行かないといけないし、

その前にシャワーを浴びて、

着替えないといけないから、

気が動転していた、

 

と、彼女は言った。

 

彼女も、久し振りのセックスだった、

と言っていた。

 

仕事をしだすと、次の日があるので、

あまり、遊びに行く機会もなくなるし、

 

ママの店に、お手伝いに行って、

誘われたりすることは、あるけど、

お店のお客さんと遊んで、

噂をたてられたりしたら、

もうお店に、行けなくなってしまうので、

全部、断わっていたと言う。

 

自分は、ちょっと、複雑な気分だったので、

明確な返事は返さず、

週末の金曜日の、待ち合わせ場所と

時間だけを決めると、

 

お店を出た。

 

彼女が住んでいるのは、
どうも、此処の駅の近所らしく、彼女は、

   「じゃあ、明後日の金曜日ね、

    バイバイっ」

 

とだけ言うと、

 

1回も自分の方を振り向かず、

 

自分を置いて、

駅に向かう方向とは、反対の方に

歩いていった。

 

―――――――――――――――――

 

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2018/05/11

【緊縛小説】 縄絡み (12-5)

§12の5 ツンツン

しばらく寝入ってしまい、

気が付くと、彼女は、シャワーを浴びて、

服を着替え、帰り仕度をしているところだった。

 

時計を見ると、4時過ぎだった。

 

   「何処に行くの?」

 

と聞くと、服を着替えないと、いけないから、

先に帰るけど、11時ぐらいまでは居られるから、

ゆっくり帰れば良いと言う。

 

自分は、と言えば、

それまで、ラブホに泊まった経験はなく、

昼間に何回か、休憩で使った程度である。

 

当時は、昼間でも、

休憩はだいたい、

どこも2時間とか長くて3時間。

 

今のように、フリータイム

のようなシステムは、なかったし、

夜の宿泊は、宿泊で、
結構な値段を取られたので、

 

当時、自分が使うと言えば、

もっぱら、「レンタルルーム」 だった。

 

明るい部屋を、見回してみると、

丸いベッドに、天井は鏡張りで、

しかも、ミラーボールが付いている。

 

こんなところに、置いて行かれても、

生きた心地がしないので、

自分も慌てて着替えると、

 

一緒にラブホを出て、

明るくなった歌舞伎町を、駅方面に

歩いて帰った。

 

しかし、

 

彼女の態度が、実に、素っ気無い。

 

一緒には歩いてくれないのだ。

 

自分の前を、彼女が歩いて、

 

自分はその後を付いて行く感じだ。

 

彼女の ヒールの音だけが、

 

朝の歌舞伎町にコダマする。

 

自分が路で、立ち止まっても、

彼女は、一切振り向かず、

コツコツと、ヒールの音を立てて

どんどん歩いて行く。

 

道端に出されたゴミに、

カラスが群がっている。

 

おしぼり屋と、ゴミ回収車が、巡回している中を、

 

ディスコで夜明かしをしたような連中が

フラフラと駅方面に漂っている。

 

結局、

彼女は、1回も振り向かずに、
交差点を渡って、見えなくなってしまった。

昨晩の出来事は、一体何だったんだろうか。

性欲は、満たせても、
心が、全然満たされない。

結局、

 

その日は落ち込んで、

 

学校の授業を全部さぼって

家で寝ていた。

 

「ニュートラ」 のお姉さんを、

思い出しては、しごいて、

 

そして、

 

出しては、空しくなる連続だった。

 

自己嫌悪と、自己否定だけが、

自分の中に残った。


―――――――――――――――――

 

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2018/05/11

【緊縛小説】 縄絡み (12-4)

§12の4 交悦


「ニュートラ」 の清楚なイメージとは、真逆の、
そのイヤらしい光景に、我慢出来なくなり、
口に咥えさせ、彼女の頭を両手で鷲掴みにして、
もっと口の奥へ、入れようとすると、
何度も、嘔吐(えず)くのを堪えながらも、
彼女は、手を背後に廻す格好をする。

口の中に、ヨダレを溜めながら、
それが何かの拍子に、
ダラッと口から垂らすのが、
また、イヤらしい。

彼女が口を離すと、まるでバネ仕掛けの
おもちゃのように、
いきり立ったモノが、上に跳ねて、

「ぱしんっ」 とお腹に当たる。

 

もう、どうしても我慢が、出来なくなり、

彼女をベッドの上に押し倒すと、

彼女の首を片手で押さえ、

もう一方の手で、

竿を彼女の股間に宛がうと、

 

手で竿を動かし、

くちゅくちゅと音を立てながら、

蜜☆壷の入り口を探し出すと、

 

中の角度を探りながら、

ゆっくりと、腰を沈めていった。

 

彼女は、驚いたように、

大きく目を見開き、

 

   「うっ・・・、うっ・・・、うっ・・・」

 

と、その度に呼吸を止めながら、

受け止める。

 

ゆっくり、入れたり出したりして、

馴染ませてると、

ようやく、一番奥に届いた。

 

気持ち良くなって、奥に思いっきり

押し付けると、ギュッと

入り口の部分が、締まってくる。

 

たまらなくなって、

彼女の両手を取って、交差させ、

両手を、彼女の頭の上に、持って行き、

彼女の両手を、片手で押さえ、

腰をズンズンと突くと、

 

   「あっ、あっ、あっ」

 

と、彼女の身体は仰け反り、

顎がどんどん上がっていく。

 

   <本当にイヤらしい、首筋だ。>

 

たまらなくなって、

彼女の胸や首筋を舐め上げると、

上品で、大人の気品を感じさせる、

 

   <OLの匂い>

 

甘い香水の匂いが、

また自分を欲情させる。

 

汗がポタポタと垂れ、

彼女の汗ばんだ身体の上に落ちる。


顔をちょっと下げると、
釣鐘状に張った先に、
乳首を脹らませた、
イヤらしい乳房がある。

 

もう一方の手で、乳☆房を掴み、

武者振り付くと、彼女の身体が

「びくん」 と波打つと、今度は、

身体を丸めて来る。

 

   <もう、やばい!>

 

彼女の脚を抱えると、
彼女は、抱きつくように、脚を腰に

廻して来て、

あそこを迫り上げるように

押し付けて来る。

 

この時期の自分には、

技量も経験と言ったものも、

何もない。

 

兎に角、遮二無二、「パンパンパン」

と、腰を打ち付けると、

彼女は、

 

   「あ~~~~~っ」

 

と言いながら、

脚を自分の腰に絡めて、

身体に巻きつけた脚を、

自分の方に引き付けるように、

脚で腰を押してくる。

 

一線を越えると、

もう身体に込み上げて来るものが、

止められなくなる。

 

   「あっ、あっ、もうイキそう・・・」

 

そう言いつつも、堪えながら、

 

自分は強張ったものを、抜き出すと、

彼女のお腹の上に、

いっぱい白くて粘り気のある液体を

大量に吐き出した。

 

―――――――――――――――――

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (12-3)

§12の3 責任


こんな展開を、全く予想だにしていなかったため、
とにかく彼女が、脱ぎ散らかした服を、
ソファーの上に置き、

ベッドに掛けてあった、布で彼女の身体を覆うと、
抱きしめて、

とにかく、自分が悪かったから、と謝り、

こんなつもりはなかったと伝えて、

家に帰ろうと言うと、

少しは、こちらの意図を理解してくれたのか、
幾分、落ち着いて来てくれた・・・

 

と思っていたのだが、

すると、今度は、彼女が自分の
股間を掴んで来て、

   「じゃあ、責任を取って!」

と言って来る。

もう、自分でも、何が何だか、
訳が分からなくなり、

彼女の顎を、指で掬い上げるように、
持ち上げて、
キスをすると、
彼女は、
舌を絡めてくる。

唇を離すと、彼女は、

   「ママが、言ってたわよ。
    ずっと彼女が、居なかったんでしょ?」

そう言って、自分を挑発すると、

今度は、自分のズボンを脱がそうと、
ベルトのバックルを、ガチャガチャさせ、
結構乱暴に、ズボンの裾を、力任せに引っ張ろうとする。

本当に、お行儀が良いのか、悪いのか、
高飛車なのか、お淑やかなのか、
訳の分からない不思議ちゃんだった。

こちらも、ムカついて、
ベッドの上に仁王立ちになって、
盛ったモノを突き出すと、

彼女は、手で自分の足を掴み、
手を使わずに、口だけを使って、舐め始めた。

―――――――――――――――――

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (12-2)

§12の2 ラブホ

 

若手の最寄り駅から、新宿の歌舞伎町までは、

結構距離があった。

普通は、タクシーなんかは、使わない距離である。

 

お姉さんに、「何処へ行くの?」 と聞いても、

怖い顔をしていて、全然、答えてくれない。

 

途中、ママの店に連れて行かれて、

焼きでも入れられるのかと、

半分、びびっていると、

 

それも通り過ぎて、運転手さんは、

夜で空いている街道を、新宿方面に

走らせて行く。

 

ガードを越えると、

明るいネオンが並んでいる。

 

お姉さんは、

花園神社の手前の角を

区役所方面に曲がり、

上っていった所で、
タクシーを止めると、

ぐいっと自分の手を
掴むと、引っ張るように、
ラブホに入っていった。

タクシーが、ママの店の辺りを
通り過ぎた時点で、
自分の心配は、ピークを超えたが、

まさか、行く先がラブホだったとは、
夢にも思わなかった。

むしろ、彼女の、
明日の仕事のことの方が
気になってしまっていた。

ラブホの入り口から、
ずっと、自分が悪かったと謝ったが、
彼女は、自分の手を放そうとしてくれない。

ラブホにチェックインし、
部屋に入ると、彼女は、自分の顔を見て、
「責任を取るわ」 と言うと、

服を全部、脱ぎだした。

鬼気迫っていた怖さは、いつの間にか、何処かに消え失せ、
潤んだ瞳には、絶望感だけが、漂っていた。

 

―――――――――――――――――

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (12-1)

§12の1 拉致

 

お姉さんは、これからも、

会には参加したいと言うので、

電話番号を交換しよう、

ということになったが、

 

若手の家には、そもそも、

電話がないので、

お姉さんの電話番号は、

若手が預かって、

予定が変更になったようなときに、

電話で連絡することになり、

 

次回の予定は、今まで通り、

会ったときに調整することになった。

 

お姉さんは、実家に住んでいるが、

明日も仕事があるので、

2L缶だったか、3L缶の

ビールも空いて、

程よく酔いが廻った時点で、

お開きとなった。

 

お姉さんと一緒に、

若手の家を出て、

駅の方に向かって、

歩いていると、

 

お姉さんが、

 

   「さっきのことは、

    誰にも黙っていてね・・・」

 

と言って来る。

 

何のことかと思ったら、二人で居たときに

アソコを掴んできたこと、のようだった。

 

今思うと、このお姉さんは、天然だったのだと思うのだが、

いつも、どう答えていいのか、分からない聞き方をしてくる。

 

このとき何故、困らせてみようと、思ったのかは、

分からないが、冗談で、

 

   「じゃあ、責任を取って・・・」

 

 

みたいなことを言うと、彼女は、立ち止まり、

暫く黙り込んで、

凄い形相をしていたかと思うと、

 

やおら、自分の手を強く引っ張って、

駅前に並んでいる、タクシーに乗り込み、

 

タクシーの運転手さんに、

 

   「新宿の歌舞伎町まで・・・」

 

と伝えた。

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (11-5)

§11の5 歓談

 

今日は、初顔合わせだから、

皆で飲もう、と言うことになり、

若手は、買出しに出て行った。

 

その間、自分は、縄の片付けをする。

 

彼女の脚の縄を解き、

吊り床のカラビナを外し、

最後に、パイプに結ばれた

吊り床の縄を解いていると、

 

彼女は起き上がると、やおら、

自分の股間を掴んで来た。

 

意図もせず、突然、

身体の中を流れる電流に、

思わず痺れて、困惑していると、

 

彼女は、はっと我に返って、

 

   「ごめんなさい・・・」

 

と言うと、トイレに、

服を着替えに行った。

 

全部で10本以上は、縄を使って

いただろうか。

それを一本一本、縒りを戻し、

束ねていると、

若手が、買出しから戻って来た。

 

   「頼子さんは?」

 

   「今、着替えてます・・・」

 

   <頼子さんって言うんだ・・・>、

 

と思いつつ、

縄を束ね終わると、

例のダンボールの箱の中に

ドサッ としまった。

 

若手を手伝って、

紙のお皿に、惣菜やおつまみを

出していると、

 

お姉さんが、出てきたので、

三人で、ビールで乾杯をした。

 

簡単に自己紹介をすると、

あとは、縄の話や、親方の話、

そして、お店の話になる。

 

お姉さんは、親方とは、

何かの出版記念パーティーか、

開店祝いのときに、

初めて会ったのだと言う。

 

そのときに、ちょうど親方が、

縄仕込みの話をしていて、

行きたい!と言って、

参加したのが、頼子さんと

その友人だったそうだ。

 

まだ、若手が親方の店

に勤めていた頃の話だ。

 

そこで、ママとも知り合い、

それから、ママの店にも

顔を出すようになり、

たまに、カウンターにも

入っているのだと言う。

 

最近は良く、自分も

顔を出しています、と言うと、

 

   「お店で、一度も会ったことないじゃない。

    何でわたしがいるときに、来ないの?」

 

と、ぷんぷん拗ねるので、

 

   「すみません・・・」

 

と謝ると、

若手が、苦みばしった顔をして、

大笑いをしていた。

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (11-4)

§11の4 縄を解く

 

若手は、お姉さんを降ろすと、

縄を解きだしたが、

解く縄が、

 

   <シュルシュルシュル>

 

と、お姉さんの身体を走る度に

ぐったりとした、

お姉さんの身体が、

 

   <びくんっ>

 

と反応する。

 

胸縄を解こうと、

お姉さんの上体を起こして、

ひとつひとつ順番に

留めを外して行くと、

 

本人はフラフラの状態なのに、

 

お姉さんの手が、

自分の股間をまさぐって、

硬くなったものを、

必死に手で探り、

握ろうとして来る。

 

身体を離して、

閂を抜き、胸縄を解き、

後ろ手を解くと、

彼女は、横になり、

 

暫くの間、ひくひくとしていた。

 

若手が呼ぶので、そちらへ行くと、

若手は、縄頭を持って、

再度、彼女の脚を結ぶと、

それを、カラビナに通して、

 

吊り縄の結び方について

教えてくれた。

 

吊り上げるときと、降ろすときで、

カラビナを通した縄が、

同じ方向に動くようにしないと

縄同士が擦れて、絡んだり、

捩(よじ)れたりするのだと言う。

 

カラビナを通して、

そこで、一旦留めて、

そのあと、何回か、

留めを入れながら、

吊り縄に絡めて行き、

最後に余った部分は、

巻きつけたり、

束ねたりして、最後に、

縄尻を、吊り縄の間に挟んで留める。

 

若手に、一通り、

見本を見せてもらうと、

交代して、

何度も何度も練習した。

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (11-3)

§11の3 横吊り

 

若手は、お姉さんの後手を取り、

胸縄を廻し、閂(かんぬき)をすると、

今回は、吊り縄を、腕の手前の胸縄に通した。

あや取りをするように、通した縄を摘んで結ぶと、

そこから、カラビナに通して、上半身を吊った。

 

彼女を立たせた状態で、腰縄を廻して、

片足の太腿に、縄を巻きつけると、

今度は、吊り縄を、太腿部分に掛けて、

カラビナを通し、両手で縄を握り、

グッと、思いっきり体重を掛けると、

 

彼女の腰ごと、下半身が持ち上がる。

 

吊り縄の縄尻を返し、

それを腰縄に通して、

ちょうどいい、腰の位置に固定する。

 

後は、まだ自由な、下側の脚を

縛り上げたり、膝を曲げて縛ったりと、

比較的、形は自由だそうだ。

 

今、教わっている最中の、

「横吊り」 なのだ、と言う。

 

彼女を覗き込むと、

もう、ぼんやりとしていて、

心は、もう、ここにあらず、

という感じだった。

 

頭の支えがなくて、

少し、首が辛そうだったので、

彼女の頭を抱えるように支えると、

彼女も、身体を預けて来る。

 

サラサラとした髪の毛と、

首やうなじの、肌の感触が

とても心地良い。

 

若手が、下になった左足を

折り曲げ、

女性の身体が、弓なりになるように

仕上げしているのを、

眺めながら、

 

何気なく、

お姉さんの耳たぶに触れると、

お姉さんの呼吸が、次第に

荒くなってきたので、

 

試しに、耳の穴に

指を入れてみると、

 

急に、お姉さんの身体が

「びくんっ」 とすると、

身体全体が、ワナワナワナと

震えだした。

 

お姉さんは、何か

寝言のようなことを

言っているので、

 

ちょっと心配になり、

若手に声を掛けると、

 

   「縄酔いだな・・・」

 

と言って、

 

縛り終わった彼女の脚を

突き放すと、


彼女の身体は、
ぐるぐると

「メリーゴーランド」 のように、

廻り出した。

 

 

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2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (11-2)

§11の2 初顔合わせ

 

若手との間で、

 

あの、女の子の話は、

二度と出ることはなかった。

 

(自分はあったけれど)

若手はそれほど彼女に、

思い入れはなかったのか。

それとも、二人して、

抗えない彼女の未来に、

玉砕したのか。

 

それは、もう今となっては、

誰にも分からない。


***

しばらく経って、

若手が 「受け手」 として、

連れて来たのは、

 

縄仕込みのときに、

親方に吊られていた

「ニュートラ」 のお姉さんだった。

 

傍を通るだけで、

すこし甘い、いい匂いのする

お姉さんだ。

 

話を聞いてみると、どうやら、

初めてママのお店に行ったとき、

若手が自分に、

吊りを教えてあげる

と言っていたのを、

ママが覚えていて、

 

お姉さんが、

ママの店に行ったときに、

「受け手」 を探してる人がいるみたいよと、

声を掛けてくれたらしい。

 

お姉さんは、

昼間は、丸の内の、

何処かの企業で受付をしていて、

たまに、ママの店に

寄ったりするのだそうだ。

 

若手とも、以前から

縄仕込みのときなどに、

顔を合わせていたみたいだが、

それまでは、あまり話もせず、

 

お店も、

親方に連れられたときにしか、

顔を出していなかったので、

お店で会ったりすることも、

なかったのだと言う。

 

お姉さんは、トイレに行って

ISETAN の紙袋に

入れて持ってきた

ラフな格好に、着替え、

 

全員で、「よろしくお願いします」 と言うと、

 

若手は、正座している、

お姉さんの上半身を縛り出した。

 

 

―――――――――――――――――

 

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