【緊縛小説】 縄絡み (12-1)
§12の1 拉致
お姉さんは、これからも、
会には参加したいと言うので、
電話番号を交換しよう、
ということになったが、
若手の家には、そもそも、
電話がないので、
お姉さんの電話番号は、
若手が預かって、
予定が変更になったようなときに、
電話で連絡することになり、
次回の予定は、今まで通り、
会ったときに調整することになった。
お姉さんは、実家に住んでいるが、
明日も仕事があるので、
2L缶だったか、3L缶の
ビールも空いて、
程よく酔いが廻った時点で、
お開きとなった。
お姉さんと一緒に、
若手の家を出て、
駅の方に向かって、
歩いていると、
お姉さんが、
「さっきのことは、
誰にも黙っていてね・・・」
と言って来る。
何のことかと思ったら、二人で居たときに
アソコを掴んできたこと、のようだった。
今思うと、このお姉さんは、天然だったのだと思うのだが、
いつも、どう答えていいのか、分からない聞き方をしてくる。
このとき何故、困らせてみようと、思ったのかは、
分からないが、冗談で、
「じゃあ、責任を取って・・・」
みたいなことを言うと、彼女は、立ち止まり、
暫く黙り込んで、
凄い形相をしていたかと思うと、
やおら、自分の手を強く引っ張って、
駅前に並んでいる、タクシーに乗り込み、
タクシーの運転手さんに、
「新宿の歌舞伎町まで・・・」
と伝えた。
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