セックスレスの対処法(2)
「セックスレスの対処法」 からの続きです。
前回の記事 「『スワッピング』 の遊び方」 は、「はじめての不倫学 『社会問題』 として考える」(光文社) の著者である坂爪真吾氏との対談記事 「既婚者の2割が不倫?ハマらないためにはスワッピングと婚外セックスだ!」 を受けて書いたものですが、あらためて考えてみると、「スワッピング」 は、マンネリ夫婦の救済には役立つことはあっても、既婚者の2割が不倫に走ることに対する抑止手段には、なり得ないように思えてなりません。
というのも、そもそも、「スワッピング」 できるほど、「性」 に対してオープンで、パートナーが自分以外の人とすることに対して寛容であり、かつ、夫婦がお互いに関心を寄せているのであれば、「不倫」 とか 「社会的規範」 といった観念を既に超越した生き方をしているはずです。(笑)
「オープンマリッジ」 や 「ポリアモリー」 などにしてもそうです。ここの議論は、カップルの形態的に捉(とら)えすぎてしまっています。
これらの考え方は、精神的にも性的にも、社会やパートナーを束縛しないし、また自分も束縛されないという 「自由な生き方」 そして 「自分の生き方」 という視点が中心にあります。
日本人のように、他人の目を常に気にしていたり、「何々はこうあるべきだ」 みたいな固定観念からぬけられない生活とは、ある意味 「対極」 にある生き方なわけです。それを表面的に 「形態」 だけを真似たところで、単なる 「猿真似」 にすぎません。
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何故、こんなに巷(ちまた)に不倫があふれているのか?
それは簡単です。自論(「不倫ブームと人口動態 - 『40代以上が8割』 の時代」)で恐縮ではありますが、30代後半から40代後半50代前半という 「女性がしたくなる時期」 に、日本の人口の山を構成している 「団塊ジュニア」 世代が差し掛かっているからです。
それぞれの年代で、浮気や不倫をしている人の比率は、昔も今も、あんまり変わらないのではないでしょうか?
40代で浮気や不倫していた人もそうですし、性を横臥(おうが)していた人達の一部が、50代になっても続けているだけなのです。現在、「団塊ジュニア」 の世代のピークは、40代前半に差し掛かっています。人口比率的には、日本の人口の60%以上が40歳以上なのです。
なので、不倫カップルの絶対数が増えている…というだけのことです。ですので、あと10年から20年もすれば、日本の大人の8割は40歳以上。団塊ジュニア世代の裾野(すその)部分も、この発情期を過ぎれば、日本の人口は、枯れたジジイにババアだらけになりますので、当然ですが、今よりもずっと、不倫カップルの絶対数は激減。
まあ、その頃は、ジジイにババアのプラトニックラブ全盛で、ジジイとババアの 「添い寝」 が、「不倫バッシング」 を浴びているかも知れません。(苦笑)
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こんな話があります。正確な出典はもうわからなくなってしまったのですが、とある養老施設で、入居している老人に 「人生の後悔」 についてアンケートを取ってみたところ、実際に何らかの行動を起こして後悔したという人は、17%とか、2割未満で、7~8割の大多数のひとは、やろうと思った、あるいは、したかったのにしなかったことに対して後悔しているそうです。
しかし、これは別に、浮気や不倫のアンケートではありませんので安心してください。単に、あとで後悔しないために、自分の人生も大事にして、今を一生懸命に生きてください、ということです。(笑)
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では、「セックスレス」 には、どのように対処したら良いのか?
しかし、まあ、この命題も愚問(ぐもん)です。夫婦あるいはカップルで、レスで悩んでいる人もいるでしょうが、レスではなくて、セックスのある夫婦であっても、それが男性からの一方的な行為だったりして、女性の方は楽しくも気持ち良いわけでもなく、単なる苦痛にすぎないと悩んでいる女性も多く存在するのです。
それに、ともすると、日本の 「少子高齢化」 は、日本人の 「セックスレス」 が原因…と思われがちですが、海外の統計と比較してみても、セックスの回数と出生数には、なんの関係もないことが統計的に示されています。要は、日本の 「少子化」 と、現在の日本の 「セックスレス化」 の間には、なんの因果関係もないということ。
むしろ、今も昔も、セックスレスの人は勿論(もちろん)ですが、夫婦もしくはカップルの夜の営みに満足できていない人達の一部が、全くパートナーのいない人をも巻き込んで、浮気や不倫に走っていると考えるほうが自然です。
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相模ゴム工業が、2013年に日本全国で調査した報告 「ニッポンのセックス」 によると、質にも満足しているのか単に回数に満足しているのか、「満足とする」 内容や意味合いは不明ではありますが、「性生活に満足である」 と答えた人は、46%から56%で、約二人に一人は満足している結果になっています。
既婚者の55%は、「セックスレスである」 と認識しており、男性の75%が 「もっとセックスをしたい」 と感じているにもかかわらず、半数の人は何に満足しているのかさっぱり分かりませんが、男女で 「今現在、浮気相手がいる」 とする人が、男性で26.9%、女性で16.3%を含めての話です。(笑)
セックスで一番大事なのは、「満足」 なのです。
「愛」 も 「性」 も本来 「不自由」 なものです。「愛し合う」 ことは、どちらか一方の気持ちだけでは、成り立ちませんし、「愛」 は時間と共に移(うつ)ろうもの。
「愛」 も 「性」 も相手に強制できるものでない以上、現代の婚姻という 「社会制度」 をもってしても、「愛」 にしろ 「性」 にしろ、家庭と完全に括(くく)り付けることは出来ていません。
人の三大欲求は、「食欲」 と 「睡眠欲」 と 「性欲」 とされています。
現代の日本においては、贅沢さえ言わなければ、人の生存に直接かかわる 「衣・食・住」 については、憲法で謳(うた)われている 「生存権」 として認められてます。
しかし、「性」 については、婚姻に絡めて 「貞操(ていそう)権」 という考え方は存在するものの、社会で保証される筋合いのものではなく、それは単に民事上の紛争解決のためのもの。昔も今も本来は、本人もしくは当事者間で決める 「自由」 なものなのです。
大事なことは、「恋」 も 「愛」 も 「性」 も、役所が面倒を見てくれるものではないということ。
「セックスレス」 は、自分だけでなく、パートナーの事情にも影響を受けるでしょう。しかし、「セックスレス」 になったとして、あなたはどうしますか?
それ以降の 「あなたの行動」 は、誰の責任でもなく、あなた自身の意思によるものなのです。
ウチの旦那は夜の方が弱くって…と、家庭でのセックスレスを旦那のせいにするのは構いません。これも本当の原因は、旦那に個別に理由を聞いてみないと分からなかったりするもんですが(苦笑)、まあ、百歩譲って本当に旦那が悪かったにせよ、それ以降の自身のセックスレスの継続は、誰のせいでもなく、あなた自身が決めているということです。
自分でして、本人の気持ちが紛(まぎ)れるなら、それでもいいですし、アイドルに走ってドキドキしたり、趣味やスポーツて気が紛れるなら、それでも OKです。
「社会的規範」 や 「世間の目」 を気にする人や、気にするべき人は、社会や世間の目に縛られて下さい。(笑)
「人は、完璧になるために生まれてきたわけではなくて、幸せになるために生まれてきたんです。」
セックスレスの対処法も、他人の意見や他人の視点ではなく、「自分の価値観」 で、自分が幸せになることを考えてみて下さい。”あなた” という人間のボディを運転しているのは、”あなた” 自身であり、運転している処は ”あなたの人生” なのです。(笑)