ニッポンのセ/ックスを読み解く(3)
前回の記事 「ニッポンのセ/ックスを読み解く(2)」 の続きです。
相模ゴム工業が日本全国に渡り実施した 「セ/ックス」 に関する大規模調査 「ニッポンのセックス2018年版」 は、「パートナーのいる夫婦やカップルの2組に1組がセ/ックスレス」 であるとか、「パートナーのいる夫婦やカップルの3人に1人が浮気や不倫をしている」 という部分のみがセンセーショナルにうたわれていますが、「同じ不倫であるにもかかわらず、何で男女差があるんだ?」 ということで、前々回の記事 「ニッポンのセ/ックスを読み解く」 では、その原因を考察し、前回の記事 「ニッポンのセ/ックスを読み解く(2)」 では、パートナーのいない人も含めて、「不倫や浮気をしている人の比率」 を推計してみました。
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しかし、この情報だけでは、「セ/ックスの満足度」 といった 「セ/ックスの質」 にまで議論を深化させることは出来ません。
そこで適当に、セックスの実態的な調査を見つけてきました。(笑)
(1) With
「イマドキ女子のセックスの実態♥人には聞けない…女子の本音が炸裂!【男子も必見!】」
しかし、内容を見てみると、「セックスは好きですか?」 の設問に 「はい」 と答えたのは、84.1%。「今までに経験した人数」 の回答に、0と答えたのは1%の人達で、平均値は5人前後。半数の人達は6人以上。また、「パートナーとのセックスに満足している」 のは、60.5%で、定期的にセックスする相手が1人なのは、69.5%で、2人以上は、16.2%。
そして、「イクために努力をしたことがある人」 は、39.9%、セ/ックスで 「イッたことのある人」 は、65.7%であるのに対し、「イッたことのない人」 は、34.3%。
このうち、「毎回イケる人」 は、36.77%で、「外イキ」 は、65.2%、「中イキ」 は、34.8%。
「イッたフリをしたことがある人」 は、60.1% 、「アブノーマルなセックスに興味のある人」 は、52.4% 、「オ/ナニーをする人」 は、68.7% という結果になっています。
全体的にセ/ックスに対して積極的で、感覚的には、数値が大きすぎるような気がします。
ちなみに調査は、With 編集部で、調査対象は 300名の OLです。調査としては、あまり母数は多い方ではありません。
自分は、「With」 というファッション雑誌の具体的な内容は知らないのですが、多少は意識高い系であるのか、読者層のバイアスを受けてしまっているような気がします。
これと対比するために、相模ゴム工業と同じ 「コ/ンドームメーカー」 である、ジェックス株式会社が実施した 「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2017」 を見てみました。
こちらは、相模ゴム工業ほど大規模ではありませんが、20歳から69歳までの男女を対象に、各都道府県毎に107件収集を行った有効回答 5,029人の調査結果です。
(2) ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ
こちらを見ると、
「性欲の高まりを感じたことがない」 のは、30.5%
「マスターベーションの頻度」 では、「まったくしたことがない」 人は27.8%。20代は、34.1%の女性が経験していませんが、年齢が高まるにつれて、「まったくしたことのない」 人は、24%代にまで減少していきます。
「セックスの際の悩み」 では、「快感が得られない」 が13.2%、「オーガズムに達することが出来ない」 が 22.5% となっています。ちなみに、その他の問題では、「挿入時間が短い」 は、9.1%、逆に 「挿入時間が長い」 は、6.1% となっており、47.7%の女性は、特に悩みはないという回答になっています。
実に、セックスで気持ち良くなれない女性の数の平均は実に 35.7%、ちなみに 20代では、46.6%の女性が、快感やオーガズムを経験出来ていないという結果が出ています。
「セックスの回数」 を見ると、月1回未満(セックスレス)は、男性で57.1%、女性で63.3%に達していますので、相模ゴム工業の数値と比べると、かなりアンダーに出ている可能性があると言えます。
ちなみに、「日本家族計画協会」 のホームページに掲載されている、「ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ2012 調査結果の概要」 を見ると、次のようにあります。
「セックスの際の絶頂感」を「オーガズム」とした上で、「今までのセックスでオーガズムを感じたことがあるか」と尋ねると、「いつも感じる」「だいたい感じる」の割合は、未婚女性では32・0%、既婚女性では36・4%と違いが少ないものの、未婚女性では年齢が上がるにつれて高くなり、既婚女性では年齢による違いがさほどないものの、50歳代で43・6%となっている。
「オーガズムをもっとも得やすい」のは、未婚、既婚とも6割超が「セックスの最中」と回答するも、「自分でマスターべーションをしている時」も2割を超えている。未婚女性は、20歳代では「セックスの最中」48・1%、「自分でマスターべーションをしている時」40・3%のように、若い女性ほど「自分でマスターべーションをしている時」の割合が高くなる傾向がある。「セックスの最中」にオーガズムを得る割合は未既婚ともに50歳代、60歳代が高い。
感覚的には、コチラの方が実態に近いように感じます。
1980年生まれのポケベル世代は、結構 「性」 に奔放でしたが、現在の若い子達は、その頃よりもずっと保守的になって来ています。
ちなみに、国の出生動向基本調査によると、童/貞・処/女の比率は、それぞれ以下のような感じで推移しています。
(1) 男性の童/貞比率の推移
男性の場合は、2005年あたりが底となり、そこから上昇に転じています。
2005年に20歳と言えば、1985年生まれくらいの世代です。
(2) 女性の処/女比率の推移
女性の処/女率も2005年あたりが底を打っていますが、女性の2010年からの、20歳から24歳における処/女の増加が、かなり顕著です。ミレニアム世代。丁度2000年生まれあたりの世代に、何か大きな出来事でもあったのでしょうか?
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「With」 と 「ジャクス」 の結果を比較すると、いずれもセックスで 「イケてない女性」 の比率は、35%前後。
これには、「そもそもセ/ックスは好きではない」 という人や 「性欲が沸かない」 といった、30%の人達も含まれるでしょう。
また、「毎回イケてる」 と回答したのは、どちらも 36.7%前後。
「With」 の設問は、「イケてる」 か 「イったことがない」 の二択なので、気持ち良かったことも含めて 「イケた」 と認識している 「微妙な人」 も含まれているように思われます。
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そもそも、「性欲がない」 と言う人達も 30%ほど存在し、その半数である15%の女性は、そもそもセ/ックスが好きではないと思っている人達。残りの15%の女性は、セ/ックスが嫌いとまでは言わないけれども、オーガズムを味わったことがない人達。これが全体の35%。
そして、「性欲」 は感じるけれども、気持ち良くなれない女性は、全体の約2割(20%)ほど。
確実にイケてる女性は35%から40%前後。
残りの25~30%の人達は、性欲もあるし、セ/ックスは気持ち良いし、好きだけど、イケそうでいて、なかなかイケない人達と言うことになります。
年齢と共に比率は変化しますので、一概に何%とは言えませんが、一度もオーガズムを経験したことのない人が 1/3、いつも確実にイケてる人が1/3、そして、どっちつかずの人達が1/3。
「セ/ックスの最中に 「オーガズム」 を得る割合は、50代60代に高い」 のは、その歳になっても諦めない ”気持ち” の問題もあると思いますし、若い頃は、自分でする感覚とセ/ックスで感じる刺激のギャップに混乱しますが、年が経つにつれて、男性から得られる刺激に慣れてきて、それを 「快感」 と感じることが出来るようになってきているのかも知れません。
もしくは、そのときのパートナーは以前のパートナーと異なる人で、セ/ックスが上手な人に当たったのかも知れません。(笑)
最終的には、4割ほどの女性が、「外イキ」 または 「中イキ」 もしくは、その両方でイケるようになるということです。
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自分の経験でも、いろいろなタイプの女性がいます。
「セ/ックスは昔から好きではなかったし、性欲もなかった」 という女性が、40歳になる前に突如、性欲を覚えるようになり、会うようになって2回目で 「中イキ」 した女性もいます。その子はその後、マルチプル・オーガズムで、それこそ1回のセ/ックスで、20回も30回もイケるようになりましたし、やはり、「外」 でも 「中」 でも感じない女性でしたが、その女性の場合は時間は掛かったものの、今では、「中イキ」 も 「脳イキ」 も出来るようになった女性もいます。
「性欲」 の 「ある」・「なし」 は、主にホルモンの問題だと思いますが、
「不感症」 というものがあるのだとしたら、それは自分的には 「単なる症状」 あるいは 「状態」 に過ぎなくて、その女性の 「心」 の問題であったり、「感じ方」 あるいは 「意識」 の持ち方を変えることで、確実に改善できるものだと思っています。
何かのヒントにでもなれば、光栄です。