昨日の 「性の多様性の話」 の続きです。
いきなりの金融庁の 「老後資金2000万円不足」 事件。(笑)
国会での与野党の討議も、もうハチャメチャ。
不足するなら不足するで、きちんと冷静かつ論理的に議論しなければならないことなのですが、問題のひとつにあるのは、役人(財務官僚)の暗躍が隠されているというところ。
この辺りをきちんと説明しているのは、元財務官僚の高橋洋一氏くらいのもの。
「世にも奇妙な『老後2000万円』報告書… 金融庁の『不都合な事実』とは 」
昨日の記事でご紹介した 「エスター・ペレル(Esther Perel)」 女史も、「長寿化」 について言及していましたが、人の人生が長くなりつつある中、ひとりの異性と出来るだけ長い時間、楽しい時間を過ごすためには、どうしたら良いのか。
彼女は、その答えについては言及していませんが、「ひとりの人間に、あれもこれも求め過ぎても無理でしょ!」 と言いたげです。(苦笑)
そして多くの場合、無理だと分かったとき、あるいは、「自分が求めていたものはコレジャナイ!」 と分かったときに、選択する選択肢のひとつが 「離婚」 です。
離婚という選択肢
欧米と比べるとまだ低い日本の離婚率ですが、日本は中国と同じ1.8%であるのに対して、アメリカの離婚率は2.8%。
世界の離婚率 Divorces and crude divorce rates by urban/rural residence: 2009 - 2013
ちなみに、この離婚率は婚姻率と併せて評価するのだそうです。
世界の婚姻率 Marriages and crude marriage rates, by urban/rural residence: 2009 - 2013
ドイツの場合は、2011年の場合、婚姻率は人口1000人に対して、4.6人であるのに対して、離婚率の方は人口1000人に対して、2.3人。
この場合、ほぼ半数の50%のカップルが離婚すると評価するようです。
アメリカの場合は、婚姻率6.8人に対して、2.8人ですから、約40%。
日本の場合は、婚姻率5.2人に対して、1.8人ですから、約35%ということになります。
夫婦の間で大事なこと
感情的に縺(もつ)れてしまったり、冷静な議論すらも出来ないようなら、行き着く先は 「離婚」 しかないのかも知れません。
夫婦やカップルにおいて大事なことは、まずきちんとそこにある問題を共有し、感情的にではなく冷静に問題を解決すべく、話し合うこと。
しかし、男が 「論理的」 に解決しようとすると、女性は 「感情的」 に 「そうではない」 と反発し
、男女の間で繰り広げられるのは、哀しみと怒りの応報。
人と人との距離が近いだけに、男も女も甘えや感情が出易く、なかなか難しいものです。
そして旧態の家族であれば、そこには他の世代の家族も居たりしますが、核家族の場合は、男と女の二人だけ。他の家族が居ない分、諍(いさか)いが減ることもありますが、逆に二人の不満や対立は増加します。
そして、それは 「セ/ックス」 の問題もそう。
「セ/ックス」 について身近に相談出来る人がいる人なんて、そう多くはないでしょうし、相談出来たところで、十分に 「セ/ックス」 の知見がある人とは限りません。
日本と比べると、アメリカなどは、彼女のような 「セックス・カウンセラー」 のような職が存在するだけ、まだ良い環境であるように思います。
今迄 「セックス」 をして、一度も気持ち良いと感じたことがないという人もいれば、そもそも 「セックス」 したいと思わないという人もいますし、自分の性欲を持て余してしまっている人もいます。
どんなに努力しても、堪えることが出来ず、漏らしてしまう男性もいますし、それに不満を感じている女性もいるでしょう。
カップルが星の数ほどいれば、そこでの問題も、星の数ほどあります。
パ-トナーの期待や希望の全てを100%満たせる人は、この世にはいないでしょうし、そもそも、お互いに背反あるいは矛盾する希望を満たせてあげれる人なんて、この世にはいないでしょう。
「セ/ックス」 は 「結婚」 においても大変重要な要素ではありますが、しかし、「結婚」 にはそれよりも多くの要因が絡みます。いわゆる 「セ/ックス」 の相性だけで、結婚相手を決めている人は少ないでしょう。
満たされない欲求を、如何に満たしてあげれるかは、重要なことなのですが、しかし世の中には決して満たされることのない 「欲求」 もたくさんあります。
やはり大事なのは、三大欲求と呼ばれる 「生理的」 な欲求。快適な生活を営む上で大切なのは、「食欲」 と 「性欲」 そして 「睡眠欲」 です。
無理強いはダメ
自分がまだ幼少だった頃は、学校などでも、まだ 「躾(しつ)け」 と称して、女児がパンツを下ろされ、細い棒のようなもので 「ペシン!」 と叩く先生が居たりしてもおかしくない時代でしたので、学校で、飲めない牛乳を、泣きながらも飲まされている光景などは、当たり前の時代でした。
しかし、アレルギー問題は置いておくとしても、泣かせてまで無理矢理食べさせる意味が何処にあると言うのでしょう。
無理強いしたところで、訳もなく突然それが 「好物」 になることは、絶対にありません。
自分は、好き嫌いがある人に対しては、その食材の 「どのようなところ」 が嫌いなのかを始めに聞きます。
そして、その嫌いなところが目立たないように調理すると、何かの理由があって 「嫌い」 な人は食べれたりするのです。
そんな感じで今迄にも、ネギ嫌いにはネギを食わせ、レバー嫌いにはレバーを食わせ、多くの人に嫌いな食材を使った食事を提供してきました。
少なくとも、これらの人はお客としてお金を払って食べていくわけですから、当然ですが無理強いしているわけではありません。
長葱も玉ねぎも駄目な 「ネギ嫌い」 の若い男性客が、パクパクと 「玉ねぎ」 を食べているのを見て、「ネギ嫌いなのに、何でそれは食べれるの?」 と聞いても、本人は 「わからないけど食べれる」 としか答えません。(苦笑)
「セ/ックス」 も無理強いするものでないのは、「食」 と同じです。
自分から自分の好みを列挙する人もいますが、それは自分的に言わせて貰えるならば、「食の好み」 を列挙しているのと大して変わりません。
中には、「食べず嫌い」 の人や食材もあるでしょうし、どうしても 「無理なものは無理」 というものもあるでしょう。
自分は、強烈な臭気を放つ 「ドリアン」 は大好物ですし、嫌いな人の多い 「パクチー(香菜)」 や 「鯨(くじら)の刺身」 なども大好きです。
しかし、今では珍味とされる 「スズメの丸焼き」 も、頭からボリボリとは食べれませんでしたし、イナゴのような虫系は不得意です。昔、お隣の 「面倒臭い国」 に行って、屋台で 「蚕(かいこ)のさなぎ」 にトライしてみまたこともありましたが、蚕のさなぎは日本では、フナや鯉を釣るときの餌。
口に入れて咀嚼(そしゃく)すると、口の中にまさしくあの 「餌」 のニオイが充満し、「おえーっ」 となって以来、挑戦は諦めましたし、香港や台湾で良く見掛ける 「臭豆腐(しゅうどうふ)」 も何回かトライしようと屋台には近づくものの、近づけば近づくほどに香る強烈な 「肥溜(こえだ)め」 のニオイに毎回撃沈。(苦笑)
「セ/ックス」 も毎回痛みを感じるなど、「セ/ックス」 が好きではない人には、それなりの理由がある場合もありますし、今迄一度も気持ちの良い思いをしたことがないなど、食べず嫌いの場合もあるかも知れません。
「食」 であれば、「外食」 も可能ですが、「セ/ックス」 は 「秘め事」 であるだけに、なかなか他の人に相談したりするのが難しいものです。
また、「食」 も 「セ/ックス」 も、どちらも 「質」 にさえ目を瞑れば、素人でも出来ることなだけに、世の中にカップルが星の数ほど居るのだとすれば、星の数ほどの 「セ/ックス」 があるということ。
とあるカップルにすれば、いきなり男が抱き着いてきて、アソコを唾(つば)を付けたかと思うと、無理矢理入れて来て、腰を振っていたかと思ったら、いきなりビクビクして終わりみたいな行為が、そのカップルにとっては、現実の 「セ/ックス」 だったりするわけです。
そして、その当事者の女性が、「セ/ックスは嫌い」 あるいは 「セ/ックスは好きではない」 と言ったところで、それはある意味当然のこと。
くそ不味い 「ラーメン屋」 のラーメンしか食べずに、「ラーメンは嫌い」 と言っているようなものですが、しかし頑(かたく)なに 「ラーメンは嫌い!」 という人に、無理矢理 「ラーメン」 を食べさせることは出来ません。(苦笑)
個人の感覚問題
「セ/ックス」 の問題は、「食」 の問題以上にセンシティブで、直感的感覚的な世界です。
それ故に、なかなか自分の常識と相手の常識が噛み合わない。そもそも、男性の性と女性の性は全く違うものなのです。
多くの人は、学校の授業で受けた貧しい 「性教育」 くらいの知識しかありませんし、「セ/ックス」 自体をそんなに多くの人と経験出来るものでもありません。
それ故に、「セ/ックス」 という行為に対する認識も、人によってさまざまであるわけです。
「LGBT」 に絡む 「性自認」 の話も、異性を好むか同性を好むかも、あるいは、「アセクシャル」 のように、如何なる相手にも性欲を感じないのも、個人差として存在するわけですし、「フェティシズム」 のように、まるで 「触媒(しょくばい)」 のように、性欲を炊き付けたり、性欲を倍増したりする特定の物があったり、性欲を感じる際に何等かの媒体が介在するような場合もあるわけです。
「性癖」 も 「性向」 も、人の 「性格」 と同じで人それぞれということ。
そして、人の嗜好が、年と共に変わるように、特に女性の 「性」 は、ホルモン分泌の変化によって大きく変化します。
「セ/ックスは好き」 ではなく、むしろ 「嫌い」 だったという女性が、突如 「性」 に目覚めたりすると思えば、今迄ずっと感じていた 「性欲」 が、突如消えるみたいな経験をするのです。
四十路を迎えて、無性に男性を襲いたくなるほどの 「強い性欲」 を感じたという女性もいますし、かと思えば、なかなかイケない体質であるためか、「承認欲求」 で満たそうとする女性もいます。
女性は特に複雑です。
「トキメキ」 も欲しければ、「オーガズム」 も欲しいのです。
「トキメキ」 で分泌するホルモンは、「オキシトシン」 ですし、「オーガズム」 で分泌されるのは、「オキシトシン」 以外にも、「ドーパミン」 や 「プロラクチン」 が放出されます。
家庭のセックスレス問題
いろいろと 「セ/ックスレス」 問題が取り上げられる機会が増えています。「エスター・ペレル」 女史は、講演の中で、むしろその質の方が重要だと言っていますが、それはその通りでしょう。
奥さんは嫌であるのにもかかわらず、単にやりたいだけの旦那に無理強いされる 「セ/ックス」 が、気持ち良いわけもありません。早く終わって欲しくて、AVさながらに喘ぐ女性も少なくないようですが、碌な愛撫もなく、勃ったものに 「ぺぺっ」 と唾(つば)を付けて、無理矢理ねじり込み、腰を振ったと思ったら、ブルブルと震えて出して終わりみたいな、男の 「排泄欲求」 を満たすだけの 「セ/ックス」 も、1回は1回なわけですし、女性の記憶が全て飛び、身体がとろけて時間が止まったように感じる甘い 「セ/ックス」 も、1回は1回なわけです。
男と女の間で重要なことは、やはり回数ではなくて、その 「質」 であるわけです。
そして、大事なことは、お互いがそれぞれ相手の 「性欲」 をきちんと受け留めて、相手を気持ち良くしてあげることです。
自分ばかり気持ち良くなる、自分本位の 「セ/ックス」、独り善がりの 「セ/ックス」 をしている人達は、いずれ破綻します。
一方的な 「セ/ックス」 は、男性主導であろうと、女性主導であろうと、最終的にはひとつの疑問に帰結します。それは、どちらか一方が負担に感じたときに生じる、
「何故自分ばかりが、相手を気持ち良くしてあげなければならないのか」
という疑問です。「セ/ックス」 はお互いさまであるからこそ、継続出来るのです。
しかし、ふとそのような感情が頭を過ぎったとき、既にその 「セ/ックス」 はとても退屈な行為に見えているのです。
どちらかの一方的な 「セ/ックス」 に陥らないためにも、やはり夫婦の間での会話は重要です。どちらか一方だけが努力するものでもありませんし、お互いが楽しみにする、お互いが楽しめる 「セ/ックス」 でなければいけないのです。
男女の会話の重要性
男心と女心、男の性と女の性の違いを意識した上で考えてみると、男女が 「セ/ックス」 を話し合うのも、なかなか難しいことなのかも知れません。
男性にとって 「イク」 ということは多くの場合難しいことではありませんが、女性の 「オーガズム」 は、男性と比べると喜びは大きいものの、そうそう簡単なことではありませんし、女性にとっての前戯は、デートなども含めて大切なことですが、男性はその重要性を全く感じておりません。
結局、「結婚」 というものは、男は、女性の心と女性の身体を理解することであり、女性は、男の心と男の身体を理解することのような気がします。
そして、男も女も相手に多くを求めますが、相手に多くを求めたところで、相手に変化を求めたところで、相手を自分の好きなように変えることは出来ないということ。
下手をすると、まともな 「話し合い」 すら出来ないのが、男と女です。
男も女も、世の中の社会的規範で以って相手を縛り付けようとか、自分の価値観を通そうとしても、上手くは行きません。
大切なことは、相手の価値観や考え方、個性をお互いに尊重するということ。
自分の常識や、自分の家の常識が常に正しいわけでもありませんが、愛着もあったりします。
どうでも良ければ相手のやり方を受け容れれば良いわけですが、こだわりのある部分や、好き嫌いが絡む部分は、適度に折り合いを付けることも必要になります。
相手にして欲しいこともあれば、して欲しくないこともあります。
しかし基本は、相手を束縛することは出来ませんし、相手に強要することも出来ません。全てが自分の思う通りにはならないのです。
(つづく)
―――
ご夫婦やカップルでのセ/ックスの向上、セ/ックスレス対策、性教育等の参考として、ご利用ください。
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