2ntブログ
2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (11-5)

§11の5 歓談

 

今日は、初顔合わせだから、

皆で飲もう、と言うことになり、

若手は、買出しに出て行った。

 

その間、自分は、縄の片付けをする。

 

彼女の脚の縄を解き、

吊り床のカラビナを外し、

最後に、パイプに結ばれた

吊り床の縄を解いていると、

 

彼女は起き上がると、やおら、

自分の股間を掴んで来た。

 

意図もせず、突然、

身体の中を流れる電流に、

思わず痺れて、困惑していると、

 

彼女は、はっと我に返って、

 

   「ごめんなさい・・・」

 

と言うと、トイレに、

服を着替えに行った。

 

全部で10本以上は、縄を使って

いただろうか。

それを一本一本、縒りを戻し、

束ねていると、

若手が、買出しから戻って来た。

 

   「頼子さんは?」

 

   「今、着替えてます・・・」

 

   <頼子さんって言うんだ・・・>、

 

と思いつつ、

縄を束ね終わると、

例のダンボールの箱の中に

ドサッ としまった。

 

若手を手伝って、

紙のお皿に、惣菜やおつまみを

出していると、

 

お姉さんが、出てきたので、

三人で、ビールで乾杯をした。

 

簡単に自己紹介をすると、

あとは、縄の話や、親方の話、

そして、お店の話になる。

 

お姉さんは、親方とは、

何かの出版記念パーティーか、

開店祝いのときに、

初めて会ったのだと言う。

 

そのときに、ちょうど親方が、

縄仕込みの話をしていて、

行きたい!と言って、

参加したのが、頼子さんと

その友人だったそうだ。

 

まだ、若手が親方の店

に勤めていた頃の話だ。

 

そこで、ママとも知り合い、

それから、ママの店にも

顔を出すようになり、

たまに、カウンターにも

入っているのだと言う。

 

最近は良く、自分も

顔を出しています、と言うと、

 

   「お店で、一度も会ったことないじゃない。

    何でわたしがいるときに、来ないの?」

 

と、ぷんぷん拗ねるので、

 

   「すみません・・・」

 

と謝ると、

若手が、苦みばしった顔をして、

大笑いをしていた。

 

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