【緊縛小説】 縄絡み (14-7)
§14の7 濡れ縄
縄仕込みにときに、親方が、
お姉さんを縛ったような、
大勢の目の前で披露する、
縄師の演戯が 「表の縄」 なら、
自分の縄は、
女性との真剣勝負。
漏れ出る湿気を溜め込む 「裏の縄」。
女性の涙と汗と、
ヨダレと淫汁を
吸い取った、
濡れ縄だ。
セックスで言えば、
子供を作る、
家庭の夫婦の、
健全なセックスでもなければ、
相思相愛のカップルの、
愛溢れるセックスとも違うし、
ましてや、
スポーツでも楽しむかのような、
軽いノリの、
ある意味、挨拶代わりの、
ドライなセックスとも異なる。
もっとドロドロしていて、
汗と汗、
ヨダレとヨダレ、
そして、
粘液と粘液を、
擦り合わせて、
本能が渦巻く、
野性的なセックス。
美しい蝶が、
蜘蛛の巣に捕まり、
身動きが取れず、
自我が崩壊していく中で、
魅せる生と死の間の、
せめぎ合い。
理性が崩壊し、
身体に刻まれている
生物の本能に
身を委ねる女と、
かろうじて、理性を
保ち続けようとする男。
蛇がトグロを巻いているかのように見える、
放置されている縄の上に、横になり、
縄酔いで、のたうっている、
お姉さんに絡みつく。
彼女をうつ伏せにして、
彼女の腰に手を廻し、
引き寄せるようにして、
腰を浮かせると、
いきり立った其れを、
彼女の股間に宛がうと、
彼女の腰に、思いっきり突き立てた。
お姉さんは、喘ぎながら、
もがいて縄を掴もうとする。
彼女の背中を縄で撫で、
背後から、彼女の首に手を廻して、
押さえ込むと、
彼女の背中から、うなじに
舌を這わせる。
下腹部に当たる、
お姉さんの臀部が、
とても心地良くて、
もっともっと、奥まで。
何処までも、何処までも、奥まで。
彼女の身体が壊れるほど、奥まで。
息子を打ち込みたくなる。
表の縄が、神聖な縄なら、
裏の縄は、邪悪な縄。
アダムとイブを騙した、蛇に化け、
イブを唆(そそのか)したように、
女を酔わせて唆そうとする。
蛇の化身が
乗り移った息子は、
鎌首を、一段と高く、もたげ、
ネバネバの粘液で
溢れる洞窟で、
思う存分、暴れ廻ると、
洞窟を出て、丘の上に上がり、
一面に、白い毒液をばら撒いた。
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