【緊縛小説】 縄絡み (13-2)
§13の2 困惑
今までにも、肉体関係から始まっても、
そこから、恋愛が始まることはあった。
と言うよりも、一目惚れか何かで
最初に好きになって、告白したとしても、
既に、お付き合いしている人がいたり、
今、好きな人がいると言う理由で、
断わられるのが、関の山だった。
お姉さんとの一件も、一種の事故。
既に終わった関係だと、
思っていただけに、
少し複雑な気分だったが、
今日は、あれから初めて、
顔を合わせるわけなので、
もし、彼女が、前回と何も変わらず、
「受け手」 として現れるならば、
何かはあるだろうな、
という予感はあった。
想っていても、繋がらないのに、
終わったと思っていても、続く関係。
世の中は、なかなか
自分の思い通りには、
進んでくれない。
しかし、諦めていたことが、
良い方向に転ぶと、
幾らかは楽しい気分になるから、
人は、不思議だ。
それ以上に、
今までは、ずっと
雪国の冬空のように
どんよりと曇った毎日だったのに、
そこに、
女性が現われるだけで、
日常の生活に、
花が咲いたような、
気持ちになるのが、
不思議だった。
ツンツンしていたかと思うと、
デレデレしてくるし、
デレデレするのかと思うと、
ツンツンしてくる
お姉さんだけに、
明日には、この関係が、
どうなっているかは、
誰にも分からない。
家にまで、帰る途中、
ウォークマンのカセットを
エアサプライ(Air Supply) のアルバムから、
珍しく、ホール&オーツ(Hall & Oates)
のアルバムに、入れ替えた。
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