2ntブログ
2019/04/28

セックスレスの話(1)

当ブログ(旧ブログも含む)では、今までにも 「セ/ックスレス」 の問題について、いろいろと考えて来ました。

 

「セ/ックスレスを考える」

「セ/ックスレスと不倫の実態」

「セ/ックスレスを考える(2)」

「とあるセ/ックスレス相談」

「セ/ックスレスの対処法」

「『ス/ワッピング』 の遊び方」

「セ/ックスレスの対処法(2)」

「とあるセ/ックスレス相談 (2)」

「とあるセ/ックスレス相談 (3)」

「とあるセ/ックスレス相談 (4)」

「とあるセ/ックスレス相談 (5)」

 

しかし、なかなかコレと言った、効果的な 「解決策」 が見当たりません。

個々の家庭の数だけ、個々の問題があるのかも知れません。

しかし、本質的には同じ問題です。

そもそも、「セ/ックスレス」 とはいったい何なのか。

そこからもう一度考えてみる必要がありそうです。

 

 

セ/ックスレスを考える

 

 

「セックスレス」 は、「マンネリ」 か

 

「セ/ックスレス」 の原因は、良く 「マンネリ」 だと言われます。

しかし果たして、本当にそうなのでしょうか。

 

巷(ちまた)には、「付き合ってるカップルが、同棲を始めると、セ/ックスの回数が減る」 という、それらしい 「噂」 があります。某記事によると、「同棲」 を始めてから 「セ/ックス」 が減ったと回答したカップルは 40% にものぼるとのこと。

しかし、いったいこのうちのどれだけのカップルが、「マンネリ」 になるほど、「セ/ックス」 をしてるというのでしょう。

 

確かに 「同棲」 することにより、いつでもセ/ックス出来る状況になりますので、「別に今日でなくてもいいか」 という気持ちになることは否定しません。

毎日顔を合わせることによって、トキメキが少なくなることも否定しませんし、一緒に暮らすことによって、今までは目につかなかった相手の粗(あら)に気が付くことも否定しません。また、距離感が近づくことで、当然言葉や気持ちの行き違いが生じる可能性も否定はしません。

 

ここで言えるひとつのこと。それは、「セ/ックス」 の 「マンネリ化」 によって、「セ/ックス」 の回数が減っているわけではないということです。

 

 

同棲により起こる二人の意識の変化

 

「同棲」 する前は、二人はいつもお互いの予定を確認しあい、次のデートの予定を決めていたはずです。恋人同士の場合、「デートの日」 は、まさしく 「ハレの日」 であり、「ジョルジュ・バタイユ」 が言うところの、「祝祭」 であり、「蕩尽(とうじん)」 があり、そして 「セ/ックスの日」 であったわけです。

 

しかし、二人が 「同棲」 を始めると、二人は毎日顔を合わせるようになります。好きあっている同士が、毎日顔を合わすのですから、これ自体が 「セ/ックスレス」 の直接的な原因とはなり得ません。

 

「同棲」 を始めたことにより、二人の関係に、意識的にも、何かの変化が起きたはずなのです。

 

「同棲」 する前のカップルは、二人が会えるときは決まって 「ハレの日」 でした。しかし、「同棲」 した後のカップルは、顔を合わすことが 「日常」 となるのです。

「同棲」 により、「生活」 を共にし始めたことで、今までは、「ハレの日」 一色だった関係に、「日常生活」 が入り込んできたわけです。

 

今まで 「デート」 中心すなわち 「ハレの日」 ばかりだった二人の世界に、「日常生活」 という新しい要素が入り込んだ結果、「日常生活」 という 「ケ」 と、「セ/ックス」 という 「ハレ」 の間で何等かの ”折り合いを付ける必要” が生じ始めた、のではないかと思うのです。

 

それでも、自分たちで 「セ/ックス」 をする 「ハレの日」 を決めて、オンとオフ、メリとハリを区別出来れるようになれれば、まだ良かったのかも知れません。しかし、「同棲」 とは、いつでも 「セ/ックス」 をしようと思えば出来る環境であるだけに、お互いの気分次第と 「成り行き」 に任せてしまうわけです。

 

始めの頃は、「同棲」 のメリットを享受しようと、毎日するかも知れません。多少体力的にキツくても、相手の要望に応じるべく努力もするでしょう。
しかし、それでは体力が持ちませんし、「生活」 も疎(おろそ)かに成りがち。

無理を重ねていれば、当然そこには、睡眠不足であるとか、明日の仕事であるとか、体調不良など無理が祟ってくるわけで、いずれは、どちらかが誘いを断わざるを得なくなるわけです。

 

「同棲」 することによって、カップルは全てが 「ハレの日」 の感覚では 「生活出来ない」 ことを学ぶのですが、そうやって二人の 「ハレの日」 は、次第に 「日常生活」 に浸食されていくわけです。

 

 

「セ/ックス」 をする上で大切なこと

 

「セ/ックス」 で大事なことは、二人が同じときに 「その気」 になることです。

 

「セ/ックスレス」 とは、体調を含め、生活上のさまざまな問題やトラブルによって、そのタイミングが合わなくなったり、お互いの気持ちにブレが生じて来たり、あるいは、相手に対する 「愛情」、「敬意」 あるいは 「性欲」 といったものが失われてくること、だと思っています。

 

一緒に住んでいることで、相手に対する 「敬意」 を忘れてしまったり、相手のことを考えずに、自分の願望や欲求を押し付けたり、つい 「日常生活」 においても、相手の存在に甘えてしまう。

日常生活の 「マンネリ」 が引き起こしたもの。それが、「セ/ックスレス」 なのではないでしょうか。

 

 

「セックスレス」 の裏にあるもの

 

そのように考えてみると、「セ/ックスレス」 とは、二人にとっての 「ハレの日」 が、「日常生活」 という 「ケ」 の浸食をうけて、まさしく、二人の恋愛が崩壊寸前の状況と言えるのではないでしょうか。

むしろ、「ハレの日」 の行事である 「セ/ックス」 がなくなったわけですから、「ケ」 によって 「ハレ」 が完全に駆逐された状態こそが、「セ/ックスレス」 です。

同棲もしくは同居前に二人で会ってラブラブしていた頃、二人で会うときはいつもが 「ハレの日」 だったあの頃とは、まったく正反対の、対局にある状況にあると言えます。

 

「同棲」 もそうですし、結婚もそうですが、生活を共にすることで、「ハレの日」 一辺倒の世界に、「日常生活」 という 「ケ」 が入り込み、そして次第に 「ハレ」 が 「ケ」 に飲み込まれ、「ケ」 に溺れている世界。その世界に見られるひとつの症状が 「セ/ックスレス」 なわけです。

ここで、言っている 「世界」 とは、「関係」 や 「家庭」 など、他の言葉でも置き換え可能です。

 

結婚し子供が出来ると出産があり、そして出産のあとは育児があります。 

仕事が忙しくなってくると仕事に追われ、一方の家庭では、家事に追われ、育児に追われる毎日。子供が少し大きくなっても、教育だ何だと悩みは尽きません。

「日常生活」 で手一杯の状況にあるわけです。

 

***

 

「セ/ックスレス」「ハレ」「ケ」 のような 「聖俗二元論」 で考察している人は、全くと言って良いほど見掛けません。

しかし、「セ/ックスレス」 に陥(おちい)るということは、その関係に 「エロティシズム」 を見出(みいだ)せないからなのです。だから、「セ/ックスレス」 の家庭の夫婦であっても、パートナーさえ交代すれば、夫婦のどちらも 「セックス」 するようになります。(笑)

 

では何故、「セ/ックスレス」 の家庭からは、「エロティシズム」 が消失してしまったのか。

そこを考える上では、どうしても 「ジョルジュ・バタイユ」 的な思考で、問題を 「心理的」 に紐解いていかないと、分からないのです。

 

「セ/ックスレス」 問題は、「愛情」 や 「愛欲」 といった 「エロティシズム」 の問題です。

そのような機微(きび)な問題を、「資本主義」 的な観念や価値観、あるいは、「社会システム」 的な視点から、いくら問題を探ったところで、何も問題の本質を理解できません。

何故なら、その問題の本質こそ、「ジョルジュ・バタイユ」 の言う 「呪われた部分」 に隠されているからです。

   

しかし、「セ/ックスレス」 問題の難しさはこれ以外にもあります。

それは、男女の 「性欲」 もそうですし、「性的行動」 から、性的な 「満足」 を得られるに至るまでのプロセスまで、全て異なることです。

「ジョルジュ・バタイユ」 の世界が、「心理的な世界」 であるとするならば、こちらの方は、全てが 「ホルモン」 の分泌に支配される 「生理的な世界」 なのです。

 

 

うまいこと話がまとまるかどうか、今の時点では分かりませんが、ここしばらくは、「セ/ックスレス」 問題について、考えてみたいと思います。

 

(つづく)

 

―――

 

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