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2019/06/22

性の多様性の話(3)

昨日の 「性の多様性の話(2)」 の続きです。

 

昨日は、夫婦の会話の難しさとその重要性について説明しました。

性の不一致や性格の不一致も 「離婚」 の原因となり得ますが、しかし、夫婦の 「セックスレス」 を 「ポリアモリー」 というカタチで乗り越えた夫婦もいるようです。

 

ただでさえ、「男心」 と 「女心」 は大きく異なりますし、「男性の性」 と 「女性の性」 も大きく異なるのに、異性にも同性にも性欲を感じない 「アセクシュアル」 や 「ポリアモリー」 と呼ばれる 「複数性愛」 などは、ある意味、社会的にも 「未知の世界」 と言っても過言ではない世界です。

 

しかし、「セックスレス」 という形で露見した、夫婦のいろいろな性的な問題を、特殊な形ではありますが、解消された夫婦が居ります。

この結論に落ち着くまでに、どのような話し合いがなされてきたのか、想像には絶しますが、お互いが自分なりに相手の性を受け留め、お互いを尊重しながら、感情的にならず冷静に話が進められてきた結果だと思います。

 

今から1年ほど前の記事ではありますが、遅ればせながらご紹介致します。

 

「妻の彼氏は「夫公認」、家族の新しいカタチ」

 

この記事のコメント欄には、この夫婦に 「生計」 の概念がないことを批難する意見も少なくないのですが、それはまた 「同居」 を選んだことによる副作用であって、 「ポリアモリー」 とは異なる話だと、自分は割り引いて読んでいます。

 

「LGBT」 の 「B(バイ)」 の人が 「ポリアモリー」 になると、相手が男性も女性も、といった形に複雑化するようです。

このケースでは、彼女の旦那は、「アセクシュアル」 もしくは 「無性愛」 と呼ばれる、性的な欲求のない男性ですが、それでもこの記事にあるように、奥さんに 「恋愛感情」 はないものの、当初は 「嫉妬」 を感じたり、奥さんに対する 「独占欲」 はあったと言いますから、現実は、かなり複雑です。

 

「ポリアモリー」 とは

 

「ポリアモリー(Polyamory)」 とは、日本語では 「複数性愛」 と呼ばれるようですが、最近は 「ポリアモリー」 と書かれる場合が多くなりました。

 

「ポリアモリー」 の類義語としては、婚姻形態を表す言葉で 「ポリガミー(一夫多妻・一妻多夫制)」 がありますが、これは婚姻制度としての意味になります。「ポリガミー」 の対義語は 「モノガミー(一夫一婦制)」。

これに対して、「ポリアモリー」 とは全員の合意に基づく 「複数性愛(恋愛も含む)」 で、「グループ婚(Group Marriage)」 の一種。この対義語は、「モノアモリ―」 となります。

 

ちなみに、自分の 「多頭飼い」 スタイルは、女房の合意も、既存の愛奴の合意も取り付けておりませんので、これは単なるゲスの 「浮気」 あるいは 「不倫」。

単なる 「性向」 のみを表す概念ではなく、「性的なポリシー」 とも言えそうです。

 

「複数人と同時に性愛関係を築く『ポリアモリー』とは? 浮気や不倫と異なる3つの理由」

「ポリアモリーとは?〜モノアモリーとは違う、新しい愛の形〜」

「ポリアモリーという生き方 浮気・不倫とは異なる『非一夫一婦制』」

 

「コンパージョン」?

 

「ポリアモリスト」 だからと言って、他の人に 「嫉妬」 しないわけではないようで、「嫉妬心」 の発露により、関係性を見直ししたり、嫉妬をうまく付き合おうとしているのだそうです。

そして面白いのが、「ジェラシー」 の対義語として 「ポリアモリスト」 に使用されている造語が 「コンパージョン(Compersion)」 という言葉。

「自分の愛する者が、自分以外のパートナーを愛しているときに、それを微笑ましく感じる感覚」 を言うのだそうです。

この感覚は、もしかしたら、「NTR(寝取られ・寝取らせ)」 系男子も、同じような感覚を味わっているのかも知れません。

 

「オープン・リレーションシップ」 ?

 

性的関係のある人全員の合意を得ていないという意味では、「ポリアモリー」 ではないのですが、自分の性的なパートナーに対して、他の人との関係を束縛しない関係を 「オープンリレーションシップ(Open Relationship)」 と呼ぶようです。

ある意味、「浮気公認」 がこの 「オープン・リレーションシップ」 になるでしょう。

 

新しい恋愛のカタチ?

 

これらの 「複数性愛」 は、結局のところ、ひとりのパートナーでは満たされない部分を、他の人に埋めて貰っている関係にあると言って良いと思います。

「浮気」 や 「不倫」 も同じことですが、それぞれのパートナーの合意を得ることなしに、隠れてコソコソとするのが、「不倫」 や 「浮気」。

きちんと 「浮気公認」 を貰って堂々とお付き合いするのが、「オープン・リレーションシップ」 であり、その上で関係者全員の合意を取り付けるものが 「ポリアモリー」 ということになりそうです。

但し、全員の合意を取り付けても、その関係が永続的に続くかどうかは、どうも流動的な印象を受けます。

 

しかし、「結婚」 にしても、気が変わることがあるわけですし、当初は大好きだから結婚したはずの旦那を一番嫌っている女性は、日本には少なくありません。(苦笑)

 

明治から実質的には昭和の初期から中期?まで続いた 「妾(めかけ)」 も、昔の場合は、後家として生計が成り立たず、生活の面倒を見る意味で 「妾」 にする場合も多かったと言われています。

「背に腹は代えられない」 というのが本音ですから、これも当時の時代的な背景を考えれば、致し方のないことでしょうし、今は 「パパ活」 と称して 「愛人契約」 をし、複数のパパから援助を引き出すと言うのは、ある意味、今の時代背景を表しているような気がします。

 

所見

 

昨今の 「浮気」 や 「不倫」 もそうですし、性的な関係にはなくても、「婚外恋愛」 と称して 「彼氏」 を作ったりする場合があるようです。

公認されているなら別ですが、性的関係になければ問題ないかと言えば、やはり問題はあるでしょう。

しかし、家庭内で満たされなければ、お外で満たしたくなるのが人間です。

 

そして外で、婚外で1対1で楽しんでいる男女が大半ではありますが、こっそりと複数の相手を確保して楽しんでいる男女もいれば、公言して複数の相手と楽しんでいる男女も居たりするわけです。

そして相手が複数になれば、当然そこには、「嫉妬」 や 「独占欲」 といった感情が介入して来るのは、「ポリアモリー」 と同じです。

 

「ポリアモリー」 というものも結局のところは、全員の合意を取り付けるということで、トラブルを最小限に留めようとする 「複数性愛フレームワーク」 といったところなのでしょうか。

全員の合意を取り付けるという意味においては、イスラムの 「一夫多妻制」 に近いものがありますが、しかし、イスラムの一夫多妻制の場合は、やはり厳格な 「婚姻制度」 であり、複数の妻を同居させることは許されず、それぞれに住居を用意しなければなりませんし、複数の妻を公平に扱わなければならないなど、やはり子育てや家族の生計を重視した制度になっています。

 

ご紹介した記事のコメントにも、子育てを含めた生計に対する非難が多く書き込まれていました。これらの問題は、このカップル固有の問題とは言え、自分達の 「性」 を優先し、結婚による家族や家庭のあり方、生計や責任といったものが軽視されている印象を受ける人も多いような気がします。

 

しかし、その問題は 「ポリアモリー」 というスタイル、もしくは、この夫婦を含めた同居の形態に難があるだけのことであり、この夫婦が自分達の 「性」 の問題に対して、簡単に 「離婚」 という選択をすることなく、前向きに取り組んできたという姿勢は、強く評価されて良いと思っていますし、この夫婦にとっては、「ポリアモリー」 というライフスタイルが解決の一助となっていることは、ひとつの参考になると思っています。

 

(つづく)

 

―――

 

ご夫婦やカップルでのセ/ックスの向上、セ/ックスレス対策、性教育等の参考として、ご利用ください。

但し、個人的な利用に限定されます。

一緒でも別々でも構いませんが、お二人が同じ記事を読まれることをお薦めします。それにより、お二人が 「性について」 話す時間も生まれますし、お互いの 「性」 に対する考え方や理解、性癖や価値観を話すキッカケにもなります。多くの方が、幸せで気持ちの良いセ/ックスを経験し、有意義な時間をおくれるようになると良いなと思っています。老若男女を問わず、質問や相談も受け付けています。アメーバーのメッセージもしくは コチラ からお問い合わせ下さい。イイね や コメント は大変励みになりますので、どうぞお気軽に。

 

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女性が中でイクために(1)

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2019/06/21

性の多様性の話(2)

昨日の 「性の多様性の話」 の続きです。

 

いきなりの金融庁の 「老後資金2000万円不足」 事件。(笑)

 

国会での与野党の討議も、もうハチャメチャ。

不足するなら不足するで、きちんと冷静かつ論理的に議論しなければならないことなのですが、問題のひとつにあるのは、役人(財務官僚)の暗躍が隠されているというところ。

この辺りをきちんと説明しているのは、元財務官僚の高橋洋一氏くらいのもの。

 

「世にも奇妙な『老後2000万円』報告書… 金融庁の『不都合な事実』とは 」

 

昨日の記事でご紹介した 「エスター・ペレル(Esther Perel)」 女史も、「長寿化」 について言及していましたが、人の人生が長くなりつつある中、ひとりの異性と出来るだけ長い時間、楽しい時間を過ごすためには、どうしたら良いのか。

彼女は、その答えについては言及していませんが、「ひとりの人間に、あれもこれも求め過ぎても無理でしょ!」 と言いたげです。(苦笑)

そして多くの場合、無理だと分かったとき、あるいは、「自分が求めていたものはコレジャナイ!」 と分かったときに、選択する選択肢のひとつが 「離婚」 です。

 

離婚という選択肢

 

欧米と比べるとまだ低い日本の離婚率ですが、日本は中国と同じ1.8%であるのに対して、アメリカの離婚率は2.8%。

世界の離婚率 Divorces and crude divorce rates by urban/rural residence: 2009 - 2013

 

ちなみに、この離婚率は婚姻率と併せて評価するのだそうです。

世界の婚姻率 Marriages and crude marriage rates, by urban/rural residence: 2009 - 2013

 

ドイツの場合は、2011年の場合、婚姻率は人口1000人に対して、4.6人であるのに対して、離婚率の方は人口1000人に対して、2.3人。

この場合、ほぼ半数の50%のカップルが離婚すると評価するようです。

 

アメリカの場合は、婚姻率6.8人に対して、2.8人ですから、約40%。

日本の場合は、婚姻率5.2人に対して、1.8人ですから、約35%ということになります。

 

夫婦の間で大事なこと

 

感情的に縺(もつ)れてしまったり、冷静な議論すらも出来ないようなら、行き着く先は 「離婚」 しかないのかも知れません。

夫婦やカップルにおいて大事なことは、まずきちんとそこにある問題を共有し、感情的にではなく冷静に問題を解決すべく、話し合うこと。

しかし、男が 「論理的」 に解決しようとすると、女性は 「感情的」 に 「そうではない」 と反発し

、男女の間で繰り広げられるのは、哀しみと怒りの応報。

人と人との距離が近いだけに、男も女も甘えや感情が出易く、なかなか難しいものです。

 

そして旧態の家族であれば、そこには他の世代の家族も居たりしますが、核家族の場合は、男と女の二人だけ。他の家族が居ない分、諍(いさか)いが減ることもありますが、逆に二人の不満や対立は増加します。

 

そして、それは 「セ/ックス」 の問題もそう。

 

「セ/ックス」 について身近に相談出来る人がいる人なんて、そう多くはないでしょうし、相談出来たところで、十分に 「セ/ックス」 の知見がある人とは限りません。

日本と比べると、アメリカなどは、彼女のような 「セックス・カウンセラー」 のような職が存在するだけ、まだ良い環境であるように思います。 

 

今迄 「セックス」 をして、一度も気持ち良いと感じたことがないという人もいれば、そもそも 「セックス」 したいと思わないという人もいますし、自分の性欲を持て余してしまっている人もいます。

どんなに努力しても、堪えることが出来ず、漏らしてしまう男性もいますし、それに不満を感じている女性もいるでしょう。

カップルが星の数ほどいれば、そこでの問題も、星の数ほどあります。

 

パ-トナーの期待や希望の全てを100%満たせる人は、この世にはいないでしょうし、そもそも、お互いに背反あるいは矛盾する希望を満たせてあげれる人なんて、この世にはいないでしょう。

「セ/ックス」 は 「結婚」 においても大変重要な要素ではありますが、しかし、「結婚」 にはそれよりも多くの要因が絡みます。いわゆる 「セ/ックス」 の相性だけで、結婚相手を決めている人は少ないでしょう。

 

満たされない欲求を、如何に満たしてあげれるかは、重要なことなのですが、しかし世の中には決して満たされることのない 「欲求」 もたくさんあります。

やはり大事なのは、三大欲求と呼ばれる 「生理的」 な欲求。快適な生活を営む上で大切なのは、「食欲」 と 「性欲」 そして 「睡眠欲」 です。

 

無理強いはダメ

 

自分がまだ幼少だった頃は、学校などでも、まだ 「躾(しつ)け」 と称して、女児がパンツを下ろされ、細い棒のようなもので 「ペシン!」 と叩く先生が居たりしてもおかしくない時代でしたので、学校で、飲めない牛乳を、泣きながらも飲まされている光景などは、当たり前の時代でした。

 

しかし、アレルギー問題は置いておくとしても、泣かせてまで無理矢理食べさせる意味が何処にあると言うのでしょう。

無理強いしたところで、訳もなく突然それが 「好物」 になることは、絶対にありません。

 

自分は、好き嫌いがある人に対しては、その食材の 「どのようなところ」 が嫌いなのかを始めに聞きます。

そして、その嫌いなところが目立たないように調理すると、何かの理由があって 「嫌い」 な人は食べれたりするのです。

 

そんな感じで今迄にも、ネギ嫌いにはネギを食わせ、レバー嫌いにはレバーを食わせ、多くの人に嫌いな食材を使った食事を提供してきました。

少なくとも、これらの人はお客としてお金を払って食べていくわけですから、当然ですが無理強いしているわけではありません。

 

長葱も玉ねぎも駄目な 「ネギ嫌い」 の若い男性客が、パクパクと 「玉ねぎ」 を食べているのを見て、「ネギ嫌いなのに、何でそれは食べれるの?」 と聞いても、本人は 「わからないけど食べれる」 としか答えません。(苦笑)

 

「セ/ックス」 も無理強いするものでないのは、「食」 と同じです。

自分から自分の好みを列挙する人もいますが、それは自分的に言わせて貰えるならば、「食の好み」 を列挙しているのと大して変わりません。

中には、「食べず嫌い」 の人や食材もあるでしょうし、どうしても 「無理なものは無理」 というものもあるでしょう。

 

自分は、強烈な臭気を放つ 「ドリアン」 は大好物ですし、嫌いな人の多い 「パクチー(香菜)」 や 「鯨(くじら)の刺身」 なども大好きです。

しかし、今では珍味とされる 「スズメの丸焼き」 も、頭からボリボリとは食べれませんでしたし、イナゴのような虫系は不得意です。昔、お隣の 「面倒臭い国」 に行って、屋台で 「蚕(かいこ)のさなぎ」 にトライしてみまたこともありましたが、蚕のさなぎは日本では、フナや鯉を釣るときの餌。

口に入れて咀嚼(そしゃく)すると、口の中にまさしくあの 「餌」 のニオイが充満し、「おえーっ」 となって以来、挑戦は諦めましたし、香港や台湾で良く見掛ける 「臭豆腐(しゅうどうふ)」 も何回かトライしようと屋台には近づくものの、近づけば近づくほどに香る強烈な 「肥溜(こえだ)め」 のニオイに毎回撃沈。(苦笑)

 

「セ/ックス」 も毎回痛みを感じるなど、「セ/ックス」 が好きではない人には、それなりの理由がある場合もありますし、今迄一度も気持ちの良い思いをしたことがないなど、食べず嫌いの場合もあるかも知れません。

 

「食」 であれば、「外食」 も可能ですが、「セ/ックス」 は 「秘め事」 であるだけに、なかなか他の人に相談したりするのが難しいものです。

また、「食」 も 「セ/ックス」 も、どちらも 「質」 にさえ目を瞑れば、素人でも出来ることなだけに、世の中にカップルが星の数ほど居るのだとすれば、星の数ほどの 「セ/ックス」 があるということ。

 

とあるカップルにすれば、いきなり男が抱き着いてきて、アソコを唾(つば)を付けたかと思うと、無理矢理入れて来て、腰を振っていたかと思ったら、いきなりビクビクして終わりみたいな行為が、そのカップルにとっては、現実の 「セ/ックス」 だったりするわけです。

そして、その当事者の女性が、「セ/ックスは嫌い」 あるいは 「セ/ックスは好きではない」 と言ったところで、それはある意味当然のこと。 

 

くそ不味い 「ラーメン屋」 のラーメンしか食べずに、「ラーメンは嫌い」 と言っているようなものですが、しかし頑(かたく)なに 「ラーメンは嫌い!」 という人に、無理矢理 「ラーメン」 を食べさせることは出来ません。(苦笑)

 

個人の感覚問題

 

「セ/ックス」 の問題は、「食」 の問題以上にセンシティブで、直感的感覚的な世界です。

それ故に、なかなか自分の常識と相手の常識が噛み合わない。そもそも、男性の性と女性の性は全く違うものなのです。

多くの人は、学校の授業で受けた貧しい 「性教育」 くらいの知識しかありませんし、「セ/ックス」 自体をそんなに多くの人と経験出来るものでもありません。

それ故に、「セ/ックス」 という行為に対する認識も、人によってさまざまであるわけです。

 

「LGBT」 に絡む 「性自認」 の話も、異性を好むか同性を好むかも、あるいは、「アセクシャル」 のように、如何なる相手にも性欲を感じないのも、個人差として存在するわけですし、「フェティシズム」 のように、まるで 「触媒(しょくばい)」 のように、性欲を炊き付けたり、性欲を倍増したりする特定の物があったり、性欲を感じる際に何等かの媒体が介在するような場合もあるわけです。

 

「性癖」 も 「性向」 も、人の 「性格」 と同じで人それぞれということ。

 

そして、人の嗜好が、年と共に変わるように、特に女性の 「性」 は、ホルモン分泌の変化によって大きく変化します。

「セ/ックスは好き」 ではなく、むしろ 「嫌い」 だったという女性が、突如 「性」 に目覚めたりすると思えば、今迄ずっと感じていた 「性欲」 が、突如消えるみたいな経験をするのです。

四十路を迎えて、無性に男性を襲いたくなるほどの 「強い性欲」 を感じたという女性もいますし、かと思えば、なかなかイケない体質であるためか、「承認欲求」 で満たそうとする女性もいます。

 

女性は特に複雑です。

「トキメキ」 も欲しければ、「オーガズム」 も欲しいのです。

「トキメキ」 で分泌するホルモンは、「オキシトシン」 ですし、「オーガズム」 で分泌されるのは、「オキシトシン」 以外にも、「ドーパミン」 や 「プロラクチン」 が放出されます。

 

 

家庭のセックスレス問題

 

いろいろと 「セ/ックスレス」 問題が取り上げられる機会が増えています。「エスター・ペレル」 女史は、講演の中で、むしろその質の方が重要だと言っていますが、それはその通りでしょう。

奥さんは嫌であるのにもかかわらず、単にやりたいだけの旦那に無理強いされる 「セ/ックス」 が、気持ち良いわけもありません。早く終わって欲しくて、AVさながらに喘ぐ女性も少なくないようですが、碌な愛撫もなく、勃ったものに 「ぺぺっ」 と唾(つば)を付けて、無理矢理ねじり込み、腰を振ったと思ったら、ブルブルと震えて出して終わりみたいな、男の 「排泄欲求」 を満たすだけの 「セ/ックス」 も、1回は1回なわけですし、女性の記憶が全て飛び、身体がとろけて時間が止まったように感じる甘い 「セ/ックス」 も、1回は1回なわけです。

 

男と女の間で重要なことは、やはり回数ではなくて、その 「質」 であるわけです。

そして、大事なことは、お互いがそれぞれ相手の 「性欲」 をきちんと受け留めて、相手を気持ち良くしてあげることです。

自分ばかり気持ち良くなる、自分本位の 「セ/ックス」、独り善がりの 「セ/ックス」 をしている人達は、いずれ破綻します。

 

一方的な 「セ/ックス」 は、男性主導であろうと、女性主導であろうと、最終的にはひとつの疑問に帰結します。それは、どちらか一方が負担に感じたときに生じる、

 

   「何故自分ばかりが、相手を気持ち良くしてあげなければならないのか」

 

という疑問です。「セ/ックス」 はお互いさまであるからこそ、継続出来るのです。

しかし、ふとそのような感情が頭を過ぎったとき、既にその 「セ/ックス」 はとても退屈な行為に見えているのです。

 

どちらかの一方的な 「セ/ックス」 に陥らないためにも、やはり夫婦の間での会話は重要です。どちらか一方だけが努力するものでもありませんし、お互いが楽しみにする、お互いが楽しめる 「セ/ックス」 でなければいけないのです。

 

男女の会話の重要性

 

男心と女心、男の性と女の性の違いを意識した上で考えてみると、男女が 「セ/ックス」 を話し合うのも、なかなか難しいことなのかも知れません。

男性にとって 「イク」 ということは多くの場合難しいことではありませんが、女性の 「オーガズム」 は、男性と比べると喜びは大きいものの、そうそう簡単なことではありませんし、女性にとっての前戯は、デートなども含めて大切なことですが、男性はその重要性を全く感じておりません。

 

結局、「結婚」 というものは、男は、女性の心と女性の身体を理解することであり、女性は、男の心と男の身体を理解することのような気がします。

そして、男も女も相手に多くを求めますが、相手に多くを求めたところで、相手に変化を求めたところで、相手を自分の好きなように変えることは出来ないということ。

下手をすると、まともな 「話し合い」 すら出来ないのが、男と女です。

 

男も女も、世の中の社会的規範で以って相手を縛り付けようとか、自分の価値観を通そうとしても、上手くは行きません。

大切なことは、相手の価値観や考え方、個性をお互いに尊重するということ。

自分の常識や、自分の家の常識が常に正しいわけでもありませんが、愛着もあったりします。

どうでも良ければ相手のやり方を受け容れれば良いわけですが、こだわりのある部分や、好き嫌いが絡む部分は、適度に折り合いを付けることも必要になります。

相手にして欲しいこともあれば、して欲しくないこともあります。

しかし基本は、相手を束縛することは出来ませんし、相手に強要することも出来ません。全てが自分の思う通りにはならないのです。

 

(つづく)

 

―――

 

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2019/06/20

性の多様性の話

以前、「セックスレスの話(7)」 などの記事において、ニューヨーク の カリスマ 「カップル・セラピスト(セックス・セラピスト)」 である、「エスター・ペレル(Esther Perel)」 女史による TED での講演 「長期の恋愛関係において性を求める秘訣(The secret to desire in a long-term relationship)」 についてご紹介したことがあります。

 

見られる方は、再生後に右下の歯車マークをクリックし、字幕をオンにして字幕のメニューの中から日本語を選択して下さい。

 

 

彼女は、この講演の冒頭においても述べていますが、昨今の 「結婚」 には、以前に見られなかった兆候が見え隠れしているそうです。

 

個人主義の台頭

 

かつては、「結婚」 とは、「経済的な制度」 であり、生涯のパートナーを得ることで、子供を持つことにより、社会的地位における継続性を追求したり、仲間を獲得するため手段であったと説明しています。

これは家系あるいは事業における 「跡取り」 といった意味合いを言っているのでしょう。

日本にもありますが、家族や親族に新しいひとを迎え入れる感覚です。 

 

欧米においては日本よりも早い時期から多くの 「離婚」 が見られましたが、今や日本の離婚率も高く推移しており、「×の一つや二つは当たり前」 の時代に突入しています。

日本海外を問わず、複数の世代で同居する旧来のスタイルを採る家族もいるのでしょうが、都心などを中心に 「核家族化」 も進み、「結婚」 による結びつきは 「個人と個人」 という性格が強くなってきているのでしょう。

 

結婚すると、「主婦」 として家庭に収まる 「専業主婦」 のスタイルから、男女が共に社会で働くスタイルも定着してきていますが、これも女性の 「権利の回復」 といった社会的な動きの影響も小さくないでしょう。

少なくとも、ここ1世紀の推移を見ても、「結婚」 というものは、従来の 「経済的な制度」 という側面から、より男女の 「個人対個人」 的な性格が強くなってきている。

 

旧来であれば、「結婚」 して家族が経済的にひとつの所で暮らせれば、一応は満足出来たものが、今の時代は、相手に対して、経済的な安定性ばかりではなく、「良き友達」 であって欲しかったり、忠実かつ情熱的な恋人を求める。

自分は、昔であっても、女性が求めたものは同じであったと思いますが、やはり社会的風潮として、そのような意識が高まりつつあるということなのだと思います。

 

彼女曰く、「昔と比べると2倍も長生き」 になり、そして核家族化が進むことで、昔は 「村全体が与えてくれた」 もの。帰属感、身分、継続性やさらには超越性や神秘性、そして畏敬に至るまでを、結婚相手に求めるようになってきている。

そして、「安らぎ」 と 「焦り」、「新たなもの」 と 「慣れ親しんだもの」、「予測可能なもの」 と 「サプライズ」 などと言った背反するものまでを、結婚相手に求めるようになってきている。

 

これは日本だけという話ではなく、どうやら世界的な兆候であるということです。

 

そして、そういった環境の中で、性的な関心を長い間ずっと維持し続けようとする試みや、欲望に根差して喜びと繋がりを得るための 「セ/ックス」 を長期に渡って求めることは、「人類の歴史上初めての試み」 であると言っています。

 

人の生活と価値観の変化

 

全てのひとに当てはまることではないと思います。しかし、平均寿命は確実に伸びていますし、「美容技術」 の進歩や 「ED 治療薬」 などの発明も大きいでしょう。

社会が持つ 「セ/ックス」 に対する意識。「性欲」 に対する 「罪悪感」 や 「背徳感」 的なものも薄れて来ているのかも知れません。

 

徐々に 「個人主義」 的な考え方が浸透し、個人の 「幸せの追求」 的な考えが強く出て来ているのかも知れません。

産業や技術が発達し、一定レベルの生活水準を手に入れた人達も少なくないのかも知れませんが、やはりネット関連の技術が発達したことにより、情報の流れる経路や質が変化し、「価値観」 が大きく変わってきたのかも知れません。

 

「LGBT」 は今までは大変厳しい差別や弾圧にあって来ましたが、「性的なマイノリティ」 として基本的な人権は確立しるつつありますし、逆に欧米では 「徳」 の象徴とも言える 「教会」 の中で長いことセ/クハラ行為が行われていたことが暴露されるなど、クリスチャンの世界にも見られた数々の事件も関係しているのかも知れません。

 

現代においても 「性」 に保守的な人達は保守的だと思います。

しかし少なくとも今の時代は、そういったひとでも情報を求めさえすれば、容易に手に入る時代になってきているということです。

そして世界的にも、多くの人達が、自分が人並みに 「幸せになること」 や 「自分の趣向」 を考える時代になってきたということです。

 

「既婚者」 が 「不倫」 や 「浮気」 と聞き、何の根拠もなく 「罪悪感」 を感じるのも自由なら、日本において 「姦通罪」 というものは、女性に対してだけ適用された 「罪」 であり、また 「第二次世界大戦」 配線と同時に消えた過去のものであり、現代の法律に照らしあわせれば、パートナーさえ許すのであれば、「違法」 でも何でもないということ。

それを理解し、「性」 に奔放である自由もあるのです。

 

現代の日本の 「セ/ックス」 も旧態依然の 「男性の性/欲処理」 的な一方的な 「セ/ックス」 が残る一方で、「夫婦関係」 にあったとしても、相手の意思に背く形で行われる 「セ/ックス」 は、「レ/イプ」 であると言う考え方も、広がりつつあります。

 

現代にあっても、「性の喜び」 を何も味わったことがないまま、「奴隷的な性行為」 を半ば強制されている女性も居れば、SM の世界では 「奴隷」 という名のもと、「性の喜び」 を教わり、性を謳歌している女性も居ますし、家庭で得ることの出来ない 「性の喜び」 を、「婚外恋愛」 というカタチで満たしている男女も居たりするのです。

 

いずれの時代も、ひとが生きていく上で、「無知」 は 「リスク」 以外の何物でもありませんが、しかし現代は、自分で情報を探すことが容易になり、そして良くも悪くも 「価値観」 の多様化が進んでいるということ。

 

「安定性」 VS 「冒険性」

 

日本においても、「熟年離婚」 という言葉が定着して来ていますが、子供も大きくなり、今迄の家族あるいは子供を優先にしてきた生活から、少しは自分が喜ぶことや楽しむことにも目を向けようと 「自分の人生」 を切り替える中で、どうしても自分に依存してくるパートナーの存在、あるいは、モラハラ的な扱いに嫌気が指してきた人達の、ひとつの選択肢なのだと思っています。

 

エスター・ペレルの言葉を借りれば、「ときめきたい女性」 であり、そのためにまさしく 「安定性」 を捨てて、「冒険性」 を選択しているわけです。

「安定性」 にしがみつくひとも、それがその人の選択であるなら、それは自由ですし、「冒険性」 を選ぶひとも、それがそのひとの選択であるのであれば、それは自由です。

 

そして彼女がもうひとつ、示唆しているもの。

それは、パートナーひとりに多くを求めあっている現実を、どのように対処したら良いかということ。

 

多くの人が、世の中にには完璧な人はいないことを(頭では)理解しています。

なので、多くを求めて再婚したところで、またその生活は 「五十歩百歩」 になることも分かっているのです。

そして、まずそういう人は、離婚という選択はしないでしょう。

 

彼女の 「セックス・カウンセリング」 の真骨頂。

それは多分、その夫婦の不満と希望や願望、そして現実や現状を見て、お互いが受け容れ可能な、より良い解決策を探し提案することにあるのでしょう。

 

好きな相手との 「安定性」 を求めてしまうと、その好きな相手との 「冒険性」 が失われてしまうことで、「セ/ックスレス」 になるのだとしたら、「愛」 や 「安らぎ」 と、「セックス」 は対局にあるのだとしたら、どうしたら良いのか。

 

次回は、夫婦の一例を考えてみたいと思います。

 

(つづく)

 

―――

 

ご夫婦やカップルでのセ/ックスの向上、セ/ックスレス対策、性教育等の参考として、ご利用ください。

但し、個人的な利用に限定されます。

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過去の記事

 

体位の話(1)

オーガズムとは(1)

自分のカラダは、自分でケアする(1)

女性が中でイクために(1)

「都市伝説」という言葉で片づけない(1)

ニッポンのセ/ックスを読み解く(1)

オ/ナニーは悪いことか?(1)

新・フェ/ラの話(1)

 

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2019/06/19

指の刺激の楽しみ方(2)

先日の記事 「指の刺激の楽しみ方」 の続きです。

 

やはり、意外と 「秒速5cm」 を認識するのが難しいようです。

 

ちなみに、ここに貼り付けている 「メトロノーム」 の GIFアニメは、1回の振りが約1秒になっていますので、このタイミングに合わせて、指を5cm 動かしてみるか、ご使用されている画面の寸法に合わせ、幅(もしくは円弧)が5cmの振り幅で動いているところを見つけて、指でなぞってみると良いと思います。

 

自分のモニターでは、だいたい分銅が十字架のようにクロスしている部分の振り幅が、5cm くらいになっています。

 

 

「秒速5cm」 は、だいたい相手の唇を撫ぜる速度。

 

桜の花びらが落ちる速度も、実は 「秒速5cm」 なのだそうです。

 

 

愛撫する際の手や指を動かす速さが、早い男性が多いように思いますが、しかし、遅すぎても 「感じる触れ方」 は出来ません。

「C触覚繊維」 が感じる触れ方は、「秒速3cm~10cm」 の間です。ちなみに、「秒速5cm」 のときに感じ方が最大になるそうで、秒速10cm 以上でも、秒速 3cm 以下でも感じないそうです。

 

***

 

こんな、「秒速5センチメートル」 もあるんですね。(笑)

 

 

 

かなり前の作品ですが、新海誠監督の作品。

『星を追う子ども』公開記念 『秒速5センチメートル』上映&ティーチイン@キネカ大森(2011年5月12日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/06/17

指の刺激の楽しみ方

多くの人は、「人の指」 の刺激を軽視しているように思いますが、その理由は、もしかしたら 「おざなりな愛撫」 にあるのかも知れません。

大事なことは、その人の 「気持ち」 がこもっているかどうか。

気持ちのこもっていない 「手」 や 「指」 で、いくら触られたって気持ち良くはなりません。

不思議なもので 「情念」 は伝わるのです。

 

電車の中で触れられて、あるいは仕事先のお尻を撫でられて、背筋が凍り、悪寒を覚えるのも、それは 「痴漢」 や 「セクハラ上司」 の情念を感じるから。(^^;

逆に 相手に 「情念」 を感じさせることが出来れば、「指」 も大変有能な 「性具」 に化けるのです。(笑)

 

お互いに 「触れる」 ということは、やはり、「セ/ックス」 の基本中の基本。

「舐める」 という行為も、舌だったり唇で触れること。

 

唇を這わせたり、足をからめたり、触れ合い方にいろいろありますが、

基本は肌を触れ合わせ、指で相手のカラダに触れること。

 

 

感じる触れ方

 

 

もし男性の読者であれば、ほっそりと滑らかな、白魚のように美しい女性の指に、アソコをゆっくりと撫ぜられるのを想像してみて下さい。

女性の読者であれば、指が長く美しいイケメンの指でも良いですし、血管が浮き出ていて、ゴツゴツとした節のある職人のような指が、自分の背後から回り込み恥骨の周辺をもぞもぞと撫でているのを想像してみても良いでしょう。

 

そこで大事なことは、「触れる」 度合いと、「動かす」 スピード。

「小刻みに早く動かす」 ような動きは、消しゴムでゴシゴシしたり、黒板を指で拭き拭きしたり、ちょっと間違えたときに誤魔化す動き。そういった動きには 「情念」 はこもりません。

 

以前、「愛撫の話」 のところでも書きましたが、触れるときのスピードは 「ゆっくり」 が基本です。


触れる指を動かす速さは、「秒速3~10cm」 の範囲。

そして、一番気持ちの良い速度は、「秒速5cm」 と言われています。

 

最近の 「神経科学」 によると、人の肌には、「C触覚繊維」 と呼ばれる神経細胞があり、他人に触れられたときに 「心地良い」 という信号は、この繊維を介していることが分かってきました。

 

「めくるめく触覚の世界とその裏側 『触れることの科学 なぜ感じるのか どう感じるのか』|今月の「HONZ」推奨翻訳書レビュー1」

 

話が少し横道に逸れますが、

 

かれこれ今から40年近く前、某電気メーカーでアルバイトに入ったとき、製造現場で指導役の社員の人に連れられて、工場の中を案内してくれたのですが、そのときにその人から教わったのが、女子社員に対する 「良いお尻の触り方」 と 「悪いお尻の触り方」。(^^;)

 

触れるか触れないかの感覚で、素早く 「ササッ」 と触るのですが、これが良い触り方で、強く握ったり、ゆっくりと触るのは、イヤらしい感覚がするので 「悪い触り方」 だと教わりました。

まあ、いきなり予告もなくお尻を触られるので、女子社員にとっては 「恥ずかしくて嫌」 なことには変わりないのでしょうが、もしかしたら、これから話す 「C触覚繊維」 を刺激しない 「感じない」 触り方だったのかも知れません。(苦笑)

 

 

C触覚繊維

 

触覚の神経線維の伝達速度等を細かく調べていくと、それぞれ役割に応じて異なる信号を伝えていることが分かってきました。

この 「C触覚繊維」 とは、一部の 「痛覚」 を担っている部分で、下図では 「自由神経終末」 と記載されている部分です。

 

 

 

「スキンシップケア-c触覚線維/スキンシップケア(C触覚線維)」

 

 表1 皮膚感覚の神経線維の分類
 種類  役割  直径
 (μm)
 伝導速度
 (m/sec)
 Aα  筋紡錘からの求心性情報、骨格筋支配   15   100
   触覚、圧覚    8    50
 Aγ  筋紡錘への遠心性情報    5    20
   痛覚一次疼痛)、温覚、冷覚    3    15
 B  交感神経節前線維   <3     7
 C  痛覚二次疼痛)、交感神経節後線維    1     1

 

神経線維の分類

 

 

ムダ毛と快感との関係

 

そして、この 「C触覚繊維」 は、体毛の末端に繋がっているそうで、2018年3月29日の日刊現代の記事 「ヘルスケア+」 によると、

「C触覚線維は有毛部にしかなく、手のひらと足の裏以外は全身に分布しています。ですから、きちんとした実験報告はありませんが、脱毛をすると皮膚をさすったときの気持ち良さの“幸せ度”は薄くなると思います。それにC触覚線維の刺激は脳の島皮質に直結しているので、あまり若いうちに体毛を脱毛や剃毛すると自己意識が希薄になる可能性があります」

とあります。

 

「脱毛をすると幸せが薄く? ストレス癒やすC触覚線維とは」

 

自分は過去にも  2016~2017年の時点で、背中やうなじ、脚などの 「ムダ毛処理の弊害」 について解説してきましたが、後からこれが学説的にも確からしいことが証明されたようなものです。

 

「ムダ毛の話(1)- 業者に騙されないで」

「ムダ毛の話(2)- ムダ毛は性感帯」

 

確かに 「ムダ毛」 が毛深いなど、悩みを抱えている人の場合は、この限りではありませんし、夏に水着を着る上で、Vゾーンのお手入れは必要だと思います。

しかし何も 「ツルツル」 にまでする必要はないと言うこと。

 

女性も、唇の上に薄っすらと産毛状のヒゲが生えてくる人もいますが、これは剃りますし、うなじの後れ毛などは男性の揉み上げと同じで部分的に残したりするように、手入れをして剃る毛と残す毛がありました。

 

昔は 「陰/毛」 と言いましたが、今で言う 「Vゾーン」 のムダ毛も、無駄に長いと 「セ/ックス」 のときに巻き込んで、「毛切れ」 の原因となったり、口に毛が入ったりといろいろと面倒なためか、江戸時代は男も女も適度な長さに整えていたようですので、剛毛の場合は、適度な長さに揃えたり、お手入れするのは 「有り」 だと思っています。

 

「C触覚繊維」 は、有毛部にしかなく、手のひらと足の裏以外の全身に分布している神経細胞とのことですから、ムダ毛の処理も、やはり 「性感」 のことも考えて行ったほうが良いと思いますし、永久脱毛などには手を出されない方が無難だと思います。

 

 

触り方を使い分ける

 

そして、この 「C触覚繊維」 に効果的な刺激は、手のひら全体を使って触れることと、軽くさするのではなく、やや圧力を掛けて触れることがポイントなのだそうですが、これはあくまでも、スキンシップを目的としている場合と思われます。

 

「スキンシップの効果~自律神経を整える方法は "前腕をゆっくり撫でる" と良いと判明」

 

「軽く擦る」 タイプの刺激は、本来であれば、虫が身体を這っているときの刺激であったり、あるいは、皮膚には接触していないものの、逆立つ毛に何かが触れているような 「不快」 な信号と映るはずなのですが、「セ/ックス」 においては、逆にその 「ゾクゾク」 するような感覚が、より人を興奮させるのかも知れません。

 

「セ/ックス」 の前のマッサージは、身体を 「リラックス」 させる上で大変有効だと思われますが、しかし、「セ/ックス」 とは、「リラックス」 の対局にある行為ですので、そもそもの 「触れ合い方」 が違うと理解した方が良いと思います。

 

むしろ、「セ/ックス」 の前戯や 「セ/ックス」 の最中は、「興奮」 を誘う焦らすようなタッチが重要であり、マッサージ的なタッチは、「セ/ックス」 の後戯として施すのが適当だと思います。

 

大事な点は、指の動きは 「秒速3~10cm」 の範囲であり、一番気持ちの良い速度は、「秒速5cm」 辺りであるということ。

 

「ク/リトリス」 への刺激も、ク/リの周囲を円を描くように触れるのであれば、だいたい1秒間で3回くらいのイメージで。筋に沿って指を動かすのであれば、だいたい1秒間で1往復から2往復のイメージで、実際にやってみると、かなりスローな動きであることが分かると思います。

 

***

 

実際のところ、その程度 「感覚」 に違いが見られるのか。

男性であれば、感じるのはやはり、竿の裏筋から鈴口に掛けてのところでしょうか。

女性であれば、ク/リ周辺や、ク/リから膣口に掛けての部分辺りでしょうか。

自分の指で、確認してみるのも良いと思いますし、カップル同士で確認してみるのも悪くないと思います。

 

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