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2019/06/15

連れない男に吊られる女(閉店篇)

過去に書いた記事ですが、バックアップ保存されている記事は、なんとひとつを除き、いずれも今年になって閉館されたところでした。

 

 

1.万上旅館 (鶯谷)

 

「連れない女と吊れない宿-東京編 ②」

 

鶯谷駅北口を出て、ちょっと交番を目指して歩き、最初の路地を左手に入ると、この万上旅館の脇を通る小路になります。

この小路は、鶯谷周辺に住む人達の生活道路。

自分が知る、今は四十路も半ばの女性は、小学生か中学生の頃、この近所に住んでおり、この万上旅館の脇を通って学校に通っていた記憶があるようです。(笑)

 

 

しかしこの万上旅館は、開業は、1952年(昭和27年)です。

終戦が1945年(昭和20年)。朝鮮戦争が 1950-1953年ですから、その特需もあって日本の経済がまさに立ち直らんとしている頃でしょうか。

 

この万上旅館は、設備が古い上に、睦言が外に漏れ聞こえるので、電話で呼び出される 「嬢」 には大変不評なラブホなのですが、その割には利用客が多く、空き部屋があまり多くない旅館でした。

平日の夜もそうなのかも知れませんが、祝前日の夜などは、「出歯亀」 ではありませんが、壁に耳をあてて、他のカップルの漏れ聞こえる声を聞いては一人で楽しむ、「ギシアン」 と称する男性一人客の連中にも愛用されていたようです。

 

特に、この道路沿いの部屋に当たると、小路を歩く女性のヒールの音や、スーパーカブのようなバイクが通過する音など、窓を少しも開けていないのにもかかわらず、まるで隔たりが何もないかのように、外の音が聞こえてきますので、逆を言えば、中の声も外に筒抜けということなのでしょう。(^^;

 

ちなみにこの、一見吊れそうな 「梁(はり)」 のある 「藤の間」 は、実は 「梁」 は 「張りぼて」 で、吊れるほどの強度はありませんでしたが、

 

 

風呂と居間は窓際にあるものの、寝室は居間の奥にあるので、比較的静かな部屋ではありました。

 

 

 

風呂場における排泄行為や、居間等におけるロウソクの使用は、硬く禁止っされておりましたので、かなり 「変態」 に愛された旅館であったことは確かなようです。

 

そんな万上旅館も、2019年の2月18日を以って閉館となりました。

昭和の 「にほひ」 のするラブホ・旅館がまた、一軒なくなりました。

 

 

2.迎賓館 (川崎)

 

「連れない男に吊られる女 - 神奈川の吊り場 ① 其の弐」

「連れない男に吊られる女 - 神奈川の吊り場 ① 其の参」

 

 

こちらは、沢尻エリカの 「へルタースケルター」 の撮影で使用されたところ。

 

 

上記の 「其の弐」 の記事で書いている部屋も、映画で使われているそうです。

昭和のバブル全盛期には、こういっただだっ広い部屋は 「歌舞伎町」 などにもありましたが、バブル崩壊と共に駆逐され、こういった内装に凝った部屋は、今では数少ない存在となっていました。

 

***

 

建物は、鉄筋コンクリート製で、まだまだ十分耐用に耐え得る感じでしたし、ロケーションは病院などからは近いものの、既に昔から営業しており、営業許可は継続出来たはずです。

駅からは少し離れており、住宅地と商業地の境くらいに位置しており、恵まれたロケーションとは言えませんでしたが、しかし多くの資産は既に償却済みでしょうし、質は高く、まだまだ営業も可能だったのではないかと思われます。

 

もしかしたら、所有者の死去に伴う財産分与や相続税の捻出などで、売却を余儀なくされたみたいな感じなのでしょうか。

 

あれだけ手の込んだ、職人の気合いが感じられる立派な内装を全て壊してしまうのは、大変勿体ないように思いますが、これも時代の流れですので、致し方ないのかも知れません。

 

***

 

結局は、ラブホもそうなら、人もそう。

そこに永遠というものはないのです。

 

「今度行こう」 と思いつつも、決断を先延ばししていたら、きっと一生に一度も行けなかった場所かも知れません。

それが、いろいろな縁も手伝って、通うことが出来たのも何かの縁。

 

「へルタースケルター」 で使われた 「中納言」 の部屋も、2回か3回は使っていますし、「屋形船」 の部屋も1~2回は使っていると思います。

 

なんだかんだ言って、正面に鎧が飾られている部屋その他を含めると、10回以上は利用させて貰っていると思います。

 

感謝 (笑)

 

「中納言」 の部屋

 

部屋に入り、部屋に上がると正面に石灯篭があります。

この石灯篭の右が 「中納言」 の部屋の入口。

 

 

部屋に入ると正面奥には、座敷(居間)。

 

 

左手奥には、寝室があり、その間は、橋で渡されています。

 

 

入口直ぐの左手は、トイレや洗面所、お風呂といった水回りのものが配置されています。

 

 

居間には、肘掛け付きの座椅子が。座布団は金色です。

思わず 「悪代官」 ゴッコをしたくなってしまいます。

 

 

居間の天井も凝ってます。三つ葉葵なので 「徳川」 ですが。(^^;

 

 

寝室は、四隅に立派な柱が立てられ、ベッドの上を覆う屋根が据え付けられ、柱の間には大きな梁が渡されており、簾(すだれ)が掛けられています。

 

 

 

 

そして、ベッドの上には屏風が、ベッドの左手には平安朝のタペストリーが飾られています。

 

 

 

ちなみに、洗面所や風呂は、残念ながら 「和式」 ではありませんでした。

 

 

 

 

「屋形船」 の部屋

 

この部屋は、「屋形船」 がテーマになっている部屋です。

この部屋は、ベッドが 「屋形船」 になっています。

しかし、「屋形船」 というよりは、どちらかと言うと、刺身を盛り付ける 「盛り込み舟」 あるいは 「刺し盛舟」 のような感じ。

柱も、立派な柱を使っています。

 

ソファーなどが置いてある応接間?からベッドを見ると、こんな感じで、一見大したことないように見えますが、

 

 

ベッドの枕元はこんな感じ。

 

 

きちんと、木で組んだ舟になっているのですが、そればかりではありません。

何故、寝室の壁がタイルなんだろう?

思わずこのベッドの下を覗き込んでみると、そのときは既に使用できないようになっていましたが、水道管が張り巡らせてあるのです。

そして、排水溝などの跡が。

 

 

 

そうです。多分、当初はこの部屋の屋形船の下には、水が張られていたのです。(笑)

水回りの設備に問題があったか、部屋が湿気てしまうからか、それとも、お客が落ちたか、何か貴重品を落としてしまったか。

理由はわかりませんが、手間の割には、いろいろと問題も多い設備だったのでしょう。

 

そんな、「作り手」 のこだわりが見え隠れする、素晴らしい部屋でした。

 

しかし、思わず、頭を傾げてしまうところもありました。(笑)

「屋形船」 の部屋は当然寝室は 「純和風」 なのですが、風呂桶は、思わず 「設置場所を間違えたのではないか」 と思えてしまうほど洋風。

しかも 「ヴィーナス誕生」 を想起させる 「聖ヤコブの貝(ジェームズホタテ貝)」 を象った湯舟。

 

 

「ヴィーナスの誕生」 では、水が入ってないのでこれでも良いのですが、これを風呂桶にすると、思ったほど湯量は貯まりませんし、湯舟が浅いので肩までお湯に浸かることは出来ません。

 

ジャカジャーーーーン!!

 

 

しかし、それは赦せるとして、それよりも何よりも 「怖かった」 のは、湯舟の中は緩やかに傾斜しており、ここで足を滑らせたて、頭を貝の角にでもぶつけたら、確実に 「救急車」 ものであるということ。

 

 

***

 

ちなみに、コチラの迎賓館は、2019年5月30日を以って閉館とのこと。

こちらの迎賓館は、昭和バブルの頃に良く見掛けた 「贅を尽くした部屋」 が売りのラブホでした。

 

こういった特徴ある 「ラブホ/旅館」 が無くなっていくのも、時代の流れとは言え、諸行無常を感じざるを得ません。

良き思い出として、あのときに此処で縛った女性たちの艶やかな記憶だけを心に留めることにします。

 

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