【緊縛小説】 縄絡み (8-4)
§8の4 捉まる
縄の仕込みの作業も、一通り終わって、
一緒に片付けを手伝った。
後の作業は、お店の人が、
合間を見つけて、やるのだと言う。
お世話になった、親方や、年配の人に
あいさつをして、帰ろうとすると、
若手が、先ほどの女性に捉まっていた。
先に一人で、帰ろうとも思ったが、
それも気が引けた。
いろいろと、積もる話もあったが、
ほとんど作業ばかりで、
若手とは、あまり話す時間もなかったし、
又とない機会を作ってくれたのに、
お礼を言うのも、まだだった。
そして、それ以上に、いろいろと
聞きたいことも、山のようにあった。
しばらく、立ち尽くしていると、
若手が、こっちへ来いと、手招きをする。
どうやら、その女性は、
近所のスナックの、ママらしい。
親方が以前、良く、その店に、
出入りしていたこともあり、
自然と、緊縛好きの人達が、
集まる店に、なったそうだ。
若手も、まだ料亭に、
入り立ての時分に、何度か、
親方に、連れて来て貰ったことがあり、
ママにも、良くして貰ったらしい。
今日は、お店は休みだけれど、
久し振りに、「富ちゃん(仮名)」 と会えたので、
特別にお店で、ご馳走してくれるのだ、と言う。
ママが、若手の脇を抱えるように、
腕を組んで歩いて行くので、
仕方なく、二人の後を、付いて行った。
朝、来るときに、渡った橋を戻り、
駅の方に向かって、繁華街に出ると、
奥の、ちょっと、外れたところにある、
古目の感じの、
寂れた路地に入っていった。
ママが、入り口のシャッターの
鍵を開けようとするが、なかなか、
<カッツン、カッツン>
という音ばかりで、
上手く開かない。
難航するシャッターに、
少し動揺しながらも、
格闘するママ。
お尻の大きさと、
腰のくびれのギャップが、
たまらない。
ようやく、
<カッチャン!>
と言う音がすると、
若手が、勢い良く、シャッターを、
<ガラガラガラーー>
と、持ち上げた。
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