踊るセックス - キゾンバ(2) : 盆踊り風キゾンバ?
ひとつ前の 「踊るセックス - キゾンバ(Kizomba)」 の記事を読んだ某女性読者の方が、早速(さっそく) 「『盆踊りキゾンバ』 映像見つけた!」 と言って、見せてくれました。
そのペアの方達は、踊りをお仕事とされているようなので、生憎(あいにく)ちょっとここではご紹介できませんが、踊り自体は、「社交ダンス」 的な、「社交ダンス風キゾンバ」。(^^;)
しかし、よくよく見てみると、4~5組の男女ペアが同じ振り付けで、社交ダンス風のキゾンバを踊っている様子は、何となく 「盆踊り」 を彷彿(ほうふつ)とさせます。(苦笑)
何故か?
こんなことを書くと、現在キゾンバのレッスンを受けている方々から 「総スカン」 を喰ってしまいそうですが、自分は ドS ですので、踊りは ド素人ですが、思いっきりディスらせていただくと
オリジナルを尊重すべし
キゾンバの発祥は90年前後。それこそ米国ではボビー・ブラウンやホイットニーを始め R&B 全盛の時代です。一方のタンゴは19世紀、ラテンは20世紀前半です。
いくら発祥が、ポルトガル語圏だからと言って、タンゴやラテンと一緒の括(くく)りにされたら、いくらなんでも、あかんやろと。
まずは、形からでもいいですし、格好を真似るところから入ってもいいように思います。
崩(くず)すのは、その後でも十分間に合います。
本当に恐縮ではあるのですが、正直に感想を述べさせて戴くと、その格好もですが、アレンジ全て、キゾンバの良さを全部ぶち壊しているんです!
( 嗚呼(ああ)ついに言ってしまった ((((;゚Д゚))))))) )
アピールするのは、女性の尻
キゾンバの発祥地は、アフリカのアンゴラ。旧ポルトガル領です。同じく旧ポルトガル領であるブラジルの男性も、何故か 「お尻」 好きです。(笑)
ブラジル美人の第一条件は、キュッとしまった 「お尻」 です。しかし、大きければ良いわけではありません。ウエストが締まっていて、ヒップの大きい女性です。
その映像に映っていた女性パートが着ていた衣装は、背中が大きく開いていて、横にスリットが入って、ひらひらとしたフリルがお尻の部分に入っているミニのワンピースでした。
そのペアの別の動画を見てみると、その動画も女性がお尻の先に何かを付けています。
同じようなものは見つからないのですが、雰囲気的にはこんな感じ。
お尻にヒラヒラするものなんか付けてしまっては、ギャラリーは、そのチョロチョロと動く方が気になってしまい、キゾンバの、あのたまらない絶妙な腰フリが全然見えません。それに背中が開いているので、お尻よりも背中に目が行ってしまいます。
最悪なのは、お尻の動きをリードする際に触れる腰の部分です。ここが開いてない。背中はどうでもいいんです。重要なのは、腰上の部分から腰そしてお尻に掛けてのラインです。ここのシルエットが強調されないと、キゾンバの良さが何も感じられません。
衣装には、それぞれ意味がある
ダンスの衣装は、その踊りの時代考証や、踊りの特性を意識して作られています。
アルゼンチンタンゴのように大きく脚を動かす踊りでは、スリットの入っている衣装の方が踊り易いでしょうし、脚が強調されます。また、ラテンのようにテンポの早く延び延びとしたステップを強調する場合は、短めで太腿の露出する衣装が合います。
また、フリルのあるミニは、ラテンのようにスピンを多様する踊りで見映えがします。
ルンバなどは、腰の動きが特徴的ですが、しかし、それはどちらかというと男性パートの方。
キゾンバの場合、腰や尻にピッタリとフィットしているジーンズだからこそ、背中から腰そしてお尻にかけてのラインが強調され、腰の体重移動による左右微妙な動きから、お尻をグラインドするような動き、そして、波打つような前後の動きがはっきり見えるんです。
そして、タンクトップのように腰の部分が露出する服を多様するのは、まずは、露出した部分から下の部分を強くアピールしたいとビジュアル的な効果を狙っているということ。あともうひとつは、直接、腰の肌に触れることで、男性のリードをしっかりとキャッチするためです。
キゾンバで見せるのは、脚でもなければ背中でもない。ましてや、不自然ににこやかな踊り手の表情でもありません。見せつけるメインは、あくまでも 「エロ尻」 です。
ですので、海外のキゾンバのビデオを見てみると、まずスカートは登場しません。
一番多いのは、「デニム」。続いて 「ショートパンツ」 系です。もし、どうしてもスカートというのであれば、それこそ90年代くらいに流行ったボデコンシャスで、ピッタリとヒップや腰のラインが見えるものが良いかも知れません。
探してみると、サラちゃんがそれに近い格好をして踊っているではありませんか。(^^)
いずれにしても、お尻にボンボリとか、ヒラヒラしたフリルとか、そういった盛りや飾りは不要です。
お尻の先にボンボリを着けてキゾンバを踊ったとします。そうすると、ギャラリーはお尻を見ているようで、実はその先に付いているボンボリを見てしまうのです。
踊りが上手ければ上手いほど、期待していればいるほど、残念感が強くなってしまうのです。
ギャラリーは純粋に、女性のボディラインを眺めたいし、キゾンバの腰の動きを楽しみたいのです。
人形は人形に、黒子は黒子に徹しよ
あと気になったのは、社交ダンスの 「ラテン」 のような 「手の振り」 を入れてみたり、女性が顔をチラチラと見せたり、仕舞いには、男女が顔を並べてこちらを見てみたり。
露骨というほどではないものの、まるで 「カメラ目線」 的なアピールは、競技ダンスでは知りませんが、キゾンバにおいては、とても違和感を感じるというか、はっきり言って、気に触(さわ)ります。
キゾンバは、競技ダンスではありません。ですので、審査員に媚(こび)を売る必要はありません。そもそも、誰かに評価されるために、二人が存在するわけではありません。
キゾンバの基本は、男性が女性をリードし、女性は恍惚(こうこつ)とした解放に浸る、二人だけの世界。そして、それをギャラリーに見せて楽しむ踊りです。
女性パートの主(ぬし)は、男性パートだけです。男性パートのリードに応えることだけが、女性パートの役割。男性パートは男性パートで、女性をどれだけエロく優雅に舞(ま)わせてナンボの踊りです。
ギャラリーを意識するのは、男性パートの役割です。しかし、ギャラリーの視点を集める先は自分ではなく、「女性の尻」 なのです。
ギャラリーに対するサービスの類(たぐい)は一切要(い)りません。「女性の尻」 に皆の視点が喰い付いて離れないことが、キゾンバダンサーのギャラリーに対する 「最大のもてなし」 であり、評価なわけです。
女性は、実際にギャラリーの人達がそこに大勢居たとしても、まるで居ることに気がつかなかったくらいに、他人の視線も、我をも忘れて、男性パートに全てを委ねることが出来てナンボの踊りです。
日本のキゾンバのパフォーマンスビデオなどを見ると、女性が自分で踊(おど)っちゃっているものなども、見かけます。
「どう?わたしキレイでしょ?イケテル?」
とばかりに、髪をかき上げ、スピンをし、「ドヤ顔」 の表情を見せられる度(たび)に、違和感を感じてしまいます。
ましてや衣装は、ビキニに腰巻をつけたような格好。しかも、お尻の先にはヒラヒラしたものがついてたりする。(><)
「それじゃ、音楽はキゾンバだけど、尻振りバージョンのラテンやん。」 と言いたくなります。
尻振りがイケてただけに 「本当に残念」 というのが、正直な感想です。
***
キゾンバは、踊り手の二人の世界が基本にあるからこそ、これだけ、女性が虜(とりこ)になるんです。
権威のある人達に評価されたくて、踊っているわけでもありません。
リードする男性は、ギャラリーに女性を 「見せつける」 ことで楽しんで、女性は自分が 「見られて」 楽しんで、最後に、ギャラリーは 「見て」 楽しんでいるのです。
SM と、かなり世界観が近いわけです。(笑)
キゾンバは、どちらかと言うと、ヒップホップに近い、クラブやストリート的なダンスです。
ビジネス的に 「社交ダンス業界」 が取り込みたい気持ちは解ります。しかし、それならば、キゾンバの本質を掴(つか)んで、きちんと取り入れて下さい。
キゾンバは、スタイルやテイストをいじりやすい、フレキシブルな踊りです。
であるからこそ、しっかりと決めるところは決めないと、単にキゾンバ音楽にあわせて踊っている訳の分からないダンスになってしまうように思います。
そういう意味で、自分は、失礼であることを半ば承知で、「盆踊り風キゾンバ」 とか 「社交ダンス風キゾンバ」 という表現を使わせてもらいました。
キゾンバ音楽で踊り、あとはちょこっと腰を振って、あとは、定式化したステップを踏んでだけでは、ちょっと寂しすぎます。
日本の寿司が、その国の食文化や好みに応じて、海外でいろいろとアレンジされるのは致し方ないことです。それと同じように、キゾンバもその国々によって独特の歩みがあること自体は否定しません。
しかし、まるっきり TPO をわきまえもせず、寿司には全く見えないものを 「寿司」 と言い張られると、「コレジャナイ!」 と言いたくもなるのと同じことです。
今後の日本のキゾンバの発展を切に願っています。
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では最後に、
① ブルマーパフォーマンス
まるで、昔の小中学校のブルマみたいなので踊るサラちゃんが、堪(たま)りませぬ (^^)
しかし、しっかりと 「お尻」 がアピールされています♪
このビデオを見てもお分かりになるように、髪の毛は、ウエストには掛からないようにするのが基本です。また、タンクトップとブルマーのラインで、背中と腰そしてお尻がはっきりと目視できるので、安心して見れます。
② 目隠しキゾンバ
キゾンバ版目隠しプレイ(笑)
目が見えなくなる分、触覚などのそれ以外の感覚は高まります。しかし、この状態で踊るのは、女性の恐怖感を払拭するだけの、男性への信頼が求められます。
③ 緊縛キゾンバ
江戸時代にも、縄や帯などを使ったセックスの体位がありますが、踊りでスカーフ?をこのように使ったりするのは、なかなか斬新です。(笑)
スカーフを使うことで、よりシャープで密着感のある呼び込みをしています。
男物のシャツを着込んだ女性は物語り性があります。そして、そのシャツの裾(すそ)がヒップを際立たせていて粋です。
恋人同士という設定ですから、二人が見つめ合うことこそが重要。見てる方の気持ちも、自然にそこに入り込めます。
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