2ntブログ
2019/06/07

セックスレスの話(7)

過去記事 「セックスレスの話(6)」 の続きです。

 

一夫一婦制の 「負け犬」、薄汚れた多頭のエロオヤジが、「セックスレス」 問題を真剣に考えてるというのも実に不思議な構図ですが、「多頭飼い」 は出来ても、もう 「女房に勃たない」 のは、その辺の一般男性と同じです。(笑)

旦那のことは、家族としては愛してはいても、もうときめかない。その辺の一般の主婦の方々と大きく変わることはありません。(苦笑)

 

女性が良く口にする、この 「トキメキ」 とはいったい何なのでしょう。

女性も男性も、一目惚れすることはありますが、この一目惚れするときの感覚が 「トキメキ」 であるとするならば、多分男性であれば、「トキメキ」 は即 「性欲」 の発露を意味するかも知れません。

 

長期の恋愛関係において性を求める秘訣

 

ひとつの大きなヒントになる、TED の動画を見つけました。

ニューヨーク の カリスマ 「カップル・セラピスト(セックス・セラピスト)」 である、「エスター・ペレル(Esther Perel)」 女史。

この方の TED での講演 「長期の恋愛関係において性を求める秘訣(The secret to desire in a long-term relationship)」 がなかなか秀逸でした。

 

日本語字幕を有効にする場合は、画面下段右にある、歯車の形をしたアイコンをクリックし、「設定」 のところから 「字幕」 に行き、「日本語」 を選択して下さい。

 

 

この講義を聞いたからと言って、「セックスレス」 が解消するわけでも、解消方法が明らかになるわけでもありません。しかし、「言葉(言語)」 が変わると、思考も変わります。

「セックスレス」 という問題を考える上で、大変参考になる考え方がテンコ盛りです。

 

彼女は 「愛情と欲望のパラドックス(Paradox between Love and Desire)」 と呼んでいますが、「愛」 は自己犠牲的なもの、献身的な行為であるのに対して、「欲望」 とは自己中心的なもの。

「愛」 と 「性欲」 は正反対のものなどと言われますが、この女史の説明はなかなか説得力があります。

 

「安全」 の欲求と、これに背反する 「冒険」 の欲求。

繋がりたい欲求があれば、距離を置きたい欲求もあると言います。

他者との繋がりを保つためには、ある程度自分の自由は失われますし、

「愛」 は、過度の心配や過度の責任感、あるいは、過剰な保護を求めるなど歪む場合もあり、相手との距離を置くことが出来ない場合、自由に出掛けたり、喜びを体験したり、新たな発見をしたり、自分の中に入り込むことができなくなるほか、繋がりが深まるほど責任感を強く感じて、相手の前で自分を出せなくなったり、相手がどう思い、どう感じるかに囚われ過ぎると、自分が興奮出来なくなるといった弊害があります。

 

人の 「性欲」 は、「愛」 から生じているものではなく、「エロティシズム」 から来るもの。

「セックスレス」 においては、とかく 「回数」 が問題になりますが、この女史は 「質」 こそが重要と説いています。質とは、エロスやエネルギーに再び繋がることで得られる、「生きている実感」 であり、「活力」「再生」「バイタリティ」 です。

 

そして、この 「欲望」 を如何に維持させるために、「安全」 と 「冒険」 を両立させ、「想像力」 を発揮することが大事。逆に 「欲望」 が危機に瀕しているときは、「想像力」 すらもが脅かされている状態にあると彼女は言っています。

 

「欲望」 を維持させるためには、以下の二つの基本的なニーズを両立させること。

(1) 安全性 - 安全、予測可能であること、安心感、信用、信頼感、永続性

(2) 冒険性 - 冒険、目新しいもの、謎、リスク、危険、未知のもの、予測できないこと、驚き (放浪や旅を含む)


訳語では、「官能的知性」 と訳されていますが、彼女が使っているワードは 「エロティックインテリジェンス(Erotic Intelligence)」。

自分的な言葉で言えば 「痴性」 であり、「エロ心」 あるいは 「すけべ心」 と言ったところでしょうか。(笑)

彼女は、「エロティシズム」 は、「エロティックライフ(erotic life)」 を送るためには欠かせないものであり、そのためには想像力、遊び心、目新しさ、好奇心、神秘性などを取り入れ、二人の 「セックス」 を形作る 「性の韻律」 とでも言えば良いのでしょうか。「poetics of sex」 が重要であると言っています。

 

義務や責任でもなければ、単なる性欲を解消する手段としてのセックスでもなく、二人がじゃれ合うような、「楽しい時間」 でなければいけないということなのでしょう。

「楽しい時間」 にするためには、当然どちらか一方に任せきりにするのではなく、二人が同じ意思を持ち、相互に協力し合い努力することが必要になると言うことです。

 

彼女の講義の中で語った、女史が生まれ育ったベルギーでのユダヤ人コミュニティの話が、とても印象的でした。

 

ホロコーストから生きて帰って来た人達に見られた二つのタイプ。

ひとつは、「ただ死ななかったという人達」 と、もうひとつは、「精神的にも生きて帰ってきた人達」。

「ただ死ななかった人達」 というのは、今でも鎖に繋がれているようで、常に警戒していて、ハラハラドキドキと不安だらけで、喜びを享受することなく、また誰も信用することが出来なかったとのこと。彼女に言わせると、遊び心や安心感を抱けず想像力も失われた人達。

そしてもう一方の、「精神的にも生きて帰れた人達」 は、エロティシズムは 「死を免れる薬」 であることを理解していた人達。

 

この話を聞いて、「ただ死ななかった人達」 を責めることは出来ませんが、ある意味、ジョルジュ・バタイユの、「エロティシズム」 に 「人の感情」 で肉付けをしているかのような印象を受ける逸話です。

 

そして、彼女が発見したという、性生活が充実しているカップルが行っていることの共通点を以下に整理してみます。

 

1.性的なプライバシーが十分にあること。 二人がエロティックになるスペースが守られている。

これは単なる物理的なスペースを言っているわけではなく、雰囲気であったり、シンボル的なものであったり、また、お互いが喧嘩や言い争うような場合においても、性的なことを持ち出して相手を非難したり攻撃したりしないことが、あげられるように思います。

 

2.セックスの前戯は本番の5分前に行うものではないことを理解している。

前戯は前回オーガズムが終わったときから始まっている。これなどは、「SM」 でも良く使う手段なのですが、前日から何かエロティックな宿題を出したり、当日に 「ノーパ/ン」 で待ち合わせ場所に来させたり。

これらの場合、前日もしくは当日朝に家を出るときから、前戯が始まっているのです。

 

3.性的スペースとは、お互いの身体を撫でることだけではないと理解している。 ただその場に身をまかせ、責任のある模範的市民であることも忘れる。ここで言っている 「性的スペース」 とは、虚栄や強がりを含め、一切の社会生活家庭生活から、自らも解放される必要があるということなのでしょう。

 

4.情熱には波があることを理解している。 努力なしに新しいことは起きないということ。充実したセックスとは、計画されたセックスであるということ。偶然ではなく意図して行われるもの、集中すること。はっきりと意識すること。

 

***

 

この講義を何度も聞き進めて、彼女が 「セ/ックス」 の質を説いていること。「セ/ックス」 というものは、夫婦のどちらにとっても 「癒し」 であり、「活力の源」 でなければいけない。

逆に、現状がそうでないならば、まず初めに問題を見つけ出し、解決しなければいけないということなのでしょう。

 

彼女の言う 「生きている実感」 というものこそ、女性が求める 「トキメキ」 の根源であり、今現在 「生きている実感」 が失われているからこそ、多くの主婦が危険を冒してまでも、「不倫」 に活路を求めているのだと思うのです。

 

―――

 

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