男脳と女脳
夫婦間のコミュニケーションのすれ違いを「脳の性差」で説明する 「妻のトリセツ」 という本が売れているんだそうです。
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書いてるのは、人工知能研究者の黒川伊保子氏。累計部数で35万部というのは正直凄いですが、偉そうに 「人工知能」 と言ったって、所詮は工学の分野。
最近は、ニューラルネットを発展させたディープラーニングがメジャーな人工知能(AI:Artificial Intelligence)の世界ですが、単なる脳の構造モデルだけで全てを語り尽くせるはずもありません。
ニューロセクシズム?
科学や医学の世界にまで土足で踏み込んだからでしょうか?(苦笑)
脳科学や心理学が専門の四本(よつもと)裕子・東京大准教授から、猛バッシングされています。この記事の内容を読むと、これらの類の話は、「神経神話」 と呼ばれているようで、一種の 「似非科学」、「疑似科学」 として扱われているそうです。
男脳・女脳という言葉が男心・女心に置き換えられる程度に、表現を留めて置けば良かったのでしょうが、むしろ、ここまで来ると、「売れてる女」 と 「(これから)売りたい女」 の、壮絶な女同士の 「バトル勃発」 と言った方が適切なのかも。(苦笑)
まあ、「シャーー!」 を仕掛けたのは、四本裕子さんの方から、ですが。(笑)
まあ、偉そうに書いてる黒川氏ではありますが、人の脳に関わるホルモンのメカニズムも部分的な解明に留まり、全てが明らかになってるわけではありませんし、男女の性差で大きいのは、脳の差以上にホルモンの差が大きいわけです。
ですから、ホルモン注射を打つと、男性は女性化し、女性は男性化するわけで。
男女の脳での違いは、脳幹だけでなく、嗅覚部分にも見られるそうですが、まあ少なくとも、今の人工知能の中核部分の構造だけを取り出して、「男女の違い」 を説明するには、そもそも無理があるわけで、まあ、持論であったのかも知れませんが、「売れちゃった」 ので、「出た杭が叩かれた」 といったところでしょうか。(苦笑)
しかし、「疑似科学」 であろうが、多くの読者にとって、科学的かどうかは、どうでも良い話であって、それだけ多くの読者が 「男心と女心の違い」 に興味を持つキッカケとなるのであれば、それ自体は、悪くないことだと思います。
大事なのは、男女の歩み寄り
むしろ、自分が危惧(きぐ)しているのは、「セ/ックス」 の世界でもそうなのですが、女性の著者が 「女はこうだ!」 と断定的固定的な書き方をしているところです。
男心と女心の違い。それを明らかにすることは構いませんし、男が女心を学んで 「扱い方」 を学ぶのも構いません。
しかし、だからと言って、自分は男として、女性の女心全て許容するつもりは、全くありません。
無視するところは、とことん無視します。(笑)
女性は 「トリセツ」 を読み、「その通りだ!」 と言って旦那にその本を渡したところで、旦那もちょっとは試してみるかも知れませんが、仕舞いには 「面倒臭せー」 となって終わりになるのがオチでしょう。(笑)
男は、女の女心を満たす道具ではないと言うこと。
女性が、女性は男の性/欲処理の道具でない、と思うのと一緒です。(笑)
男が、女の女心を満たす道具となり、そして、女性が男の性/欲処理の道具となるのは、どちらも、其処に 「愛」 があるときだけなのです。(笑)
一番大事なのは、男は女心を、女性は男心を学び、異性の思考や行動原理、価値観といったものが自分達と大きく異なることを学んだ上で、本来は、男女の歩み寄りを考える必要があるのです。
男と女の 「歩み寄り」 こそが一番重要な部分なのです。
性の多様性と LGBT
そして、その先にあるのが、日本人が一番苦手とする、「多様性の許容」 なのです。
世の中には少なからず、「女々しい男」 もいれば、女性同士が好きな 「共感」 すらも共有出来ない、「男脳の女性」 も居ますし、女性らしくありたい男も居れば、男っぽさを好む女性もいるし、心では自分を女性と自認する男もいれば、心では自分を男と自認する女性もいます。
世界的な流れから、時代は 「LGBT」 を許容する時代に大きく変わりつつありますが、普通の 「性」 さえも満足に扱えない日本人はこの先、どうなってしまうのでしょう?(苦笑)
殊更他人の目を気にする日本人の 「村意識」 は、日本人の生活に根深く組み込まれていますので、「男は男らしく、女は女らしく」 といったステレオタイプの価値観をやめれば済む問題でもないような気がします。
男女の肉体的な性差を教えるだけでなく、男女の考え方や価値観の違いといったことまで、幅広く教える必要がありますし、性行為ひとつをとっても、男の考えるセ/ックスと、女が考えるセ/ックスは異なる、ということを教えなければいけません。
また、男が考えるセ/ックス、女が考えるセ/ックスというものも、一様ではなく、人によって異なるということ。中には、異性にではなく、同性に対して性/欲を感じる人や、異性も同性もどちらにも性/欲を覚える人達もいるわけです。
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隣の人と同じであれば、とりあえず安心する日本人に、如何にして 「自分は自分、他人は他人」 を教え込んだら良いのか?
やはりそこでも大事なのは、自分を知り、相手を知った上で、如何に折り合いをつけるか。如何に 「歩み寄る」 かなのだと思います。
自分が子供のときに 「性教育」 を受けたときの当時の記憶を思い出してみて、現在の認識と比べてみると、「男女の性差というものは、ここまでも違いがあったのか」 という印象を持ちます。
ものの 「考え方」 も 「価値観」 も 「行動論理」 も全てが違いますし、「性/欲」 の感じ方も異なれば、「オーガズム」 の感じ方も違いますので、「人生の生き方」 さえも異なるのです。
男女の 「性」 も 「生態」 も 「生活」 も、如何にお互いが思い遣って、歩み寄るか。
簡単なようで、なかなか難しいものです。(苦笑)
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