【緊縛小説】 縄絡み (16-3)
§16の3 寄り合い
当日の朝、待ち合わせをした駅に
向かうと、既に、上久保ちゃんと
一組のカップルは先に到着していて
立ち話をしていた。
「おはようございます・・・」
とあいさつすると
そのカップルは、昨年の忘年会でお会いして
電話番号を戴いた、ご夫婦だった。
これから、そのご夫婦が所有している別荘に
行くのだと言う。
皆、飲み物をクーラーボックスに詰め込み
重箱に詰めた料理などで、ピクニック気分である。
そこに電車で来た夫婦が合流する。
荷物が増える度に、車の後に廻って
荷物を詰め直していく。
上久保ちゃんのガールフレンド?も到着し
もう1台、車で来た人達も到着したので
車二台に分乗して、出発した。
車は、もう最近はほとんど
街中でもなかなか見掛けない
ワーゲンバスと呼ばれる
フォルクスワーゲンの
ワゴン車だった。
どうやら、ご夫婦は
外車を販売しているらしく
古いタイプの車は
定期的に動かさないと
ガタが来やすいので
慣らしも兼ねているのだと言う。
奥さんは、もっと乗り心地が良くて
静かな車が良いのにと、ぶつぶつ
文句を言っている。
中央高速に乗り、相模湖か大月辺りで降りて
しばらくすると、別荘に着いた。
別荘は、車の保管用に使っているらしく
別荘の隣りには、大きな車庫があり
それ以外にも、敷地には
たくさんの車が置いてあった。
部品取り用の車なども、ここに置いていると言う。
別荘に到着し、皆で荷物を運び込むと
男性陣は、居間に行き
女性陣は、食事の準備を始めた。
居間に行ってみると、古い日本家屋の
梁ではないが、かなり高い位置に
頑丈な柱が井桁状に入っている。
いつも、吊りに使用している場所を
聞くと、脚立を借りて、とりあえず
吊り床を作り始めることにした。
一応、お金を戴いてのお仕事である。
こんなに高い吊り床は
初めてだったので
柱に縄を巻きつけると
そこから下に、縄を垂らし
何度も、自分の背丈に合うように
調整すると、
その下にカラビナを取り付けた。
どういうリクエストが出るのか
分からないので
吊り床を、2~3箇所用意する。
他の男性陣の人達が、
その作業を見ている。
「最近は、カラビナなんて使うの?」
緒先輩を前に、流儀どころか
そういった事情にすら、
全く疎かった自分は、ただ
「はい・・・」
とだけ答えると
ただ黙々と
鞄から縄を取り出して
カラビナに全体重を掛け
問題がないことを確認した。
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