【緊縛小説】 縄絡み (16-2)
§16の2 アルバイト再び
しばらく四方山話をしていると、ママが
最近も、縄の練習しているの?と聞いてきた。
今年に入ってから
忙しかったこともあって
実は、お姉さんとも
去年のクリスマス以降
全く会えていない状態だった。
若手とも、ずっと
連絡が途絶えたままに
なっていたが、
しかし、説明するのも面倒だったので
「ぼちぼち・・・」
と答えると、上久保ちゃんが
「吊れるようになった?」
と尋ねてきた。
実際、お姉さんと、二人だけで
会えるようになって
吊れる機会も、格段に増えたためか
自分でも、以前と比べると
縄捌きがこなれて来た感触は、あったので
「まあ、基本的なところは・・・」
と返すと、上久保ちゃんは、真顔で
「じゃあ、アルバイトお願いしようかな?」
と言った。
「アルバイト」 という言葉を受けて
思わず、以前
ママに、「中野クィーン」 で
からかわれたことを思い出して
油汗を垂らしていると
今度、忘年会に参加した人などにも声を掛けて
パーティーを予定しているので、そのときに
縛れる人を、探しているのだと言う。
「上久保さんは、縛れないんですか?」
と聞くと
「まいった!」
と言って、おでこを叩き、大笑いする。
上久保ちゃんは、縄は見てるか
縛られる方が好きなので
自身では、縛れないのだそうだ。
他にも、料亭の人もいるのに
何で自分なのかと聞くと、どうやら
当日は土曜日なので
料亭は、書き入れ時なのだと言う。
若手に限っては
一年に何回か
現場がお店に近いときに
たまに寄る程度なので
連絡の付けようがないし、
そのパーティには、いつも
縄を出来る人が参加していたのだが
今回は、仕事の都合で
参加出来なくなってしまい、
ちょうどママに
誰か良い人はいないかと
相談していたところだったそうだ。
きちんと、アルバイト料も
払ってくれると言う。
ママは、口頭で、自分に
幾つかのポイントについて質問すると
基礎は出来ているし
平吊り、背面吊り、横吊りが
スムーズに出来るなら
問題ないと、上久保ちゃんに言った。
自分は、その日は
特に用事もないことを
上久保ちゃんに伝えると、
上久保ちゃんは、だいたい6時間くらいだから
アルバイト料として、6千円を払うと言ったが
ママが一言、「安い!」 と言うと、8千円になった。
ママは、本当か嘘か
「じゃあ、お店の紹介料は、
2千円でいいわ」
と言うと、上久保ちゃんは何も言えず
上久保ちゃんが払うお金は
締めて、1万円になった。
上久保ちゃんは、
「ママには、適わんな」
と言って、おでこをぴしゃっと叩くと
大笑いしていた。
―――――――――――――――――
にほんブログ村 |
不倫のカタチ |
いつでも・・・初舞台 |
コメント