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2018/05/23

【緊縛小説】 縄絡み (16-1)

§16の1 再訪

 

ようやく、一息入れることが出来たのは

就職先の内定が出た

翌年の、夏の始め頃だった。

 

ママのお店も

去年の暮れに

お店の忘年会に出席して以来

足が遠のいていた。

 

ママの店の忘年会には

 

お姉さんは

職場の仕事納めや

その後の忘年会などが

重なってしまって

出られず、

 

若手は若手で

年末まで

仕事のスケジュールがいっぱいで

身動き出来ない状態だった。

 

自分ひとり、参加したものの

 

面識のある人は、上久保ちゃんぐらい。

 

親方も、年配の人も

料亭の方が
御節の仕込みやら

宴会の方も、ピークを迎えていて

それどころではなかったらしい。

上久保ちゃんの知り合いは
多かったので、ママの計らいもあり
いろいろな人に紹介は、されるものの、

男性客が同伴する女性客からの
質問責めや、乾杯責めばかりで
個人的に、電話番号を教えてくれる
お客さんも居たりしたが、

そもそも、人の名前を覚えるのが
苦手なタイプだったし、

クリスマスや、ホームパーティーなどの
お誘いも、社交辞令的なものだと思っていたので
誘われても、行くことはなかった。


ママの店にも、顔を出さなくなって
もう、6ヶ月が経とうとしていた。

***

 

アルバイトが終わって
久し振りに、ママの店に、顔を出してみると
普段よりは、幾分時間が遅かったためか

上久保ちゃんと、もう一人くらい

会ったことのないお客さんが

先に飲んでいた。

 

お店に入ると、早速

上久保ちゃんが、突っ込み半分で

 

   「ありゃ、こりゃまた

    珍しいお客さんの、お目見えだ・・・」

 

と声を掛けてくる。

 

   「どうも、ご無沙汰しています。」

 

学校が忙しくて、しばらく来れなかったことを

伝えると、ママは、それが学生の本分なんだから

それでいいの、と言った。

 

席に着いて、ビールを貰うと

ママも自分のビール?を開けて

みんなで乾杯をした。

 

―――――――――――――――――

 

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