【緊縛小説】 縄絡み (16-4)
§16の4 親睦会
ソファーの前のテーブルには
どんどんお皿に移された
ご馳走が並べられてくる。
上久保ちゃんを含めた
男性陣の何人かは
もう既に、ビールを飲み始めていた。
上久保ちゃんのガールフレンドが
こちらに歩いて来ると
「作業は後にして、こっちで
みんなと一緒に飲みましょう」
と誘ってくれた。
一応、アルバイトで来ているので、と
お断りするものの、
気にしなくていいと言う。
女性も揃うと、全員で乾杯をした。
皆、知り合い同士のようだったが
しょっちゅう顔を合わせる間柄でも
なさそうで、いろいろと近況を
確認しているようだった。
上久保ちゃんが、ふと
気がついたように
今日、仕事で来れなかった
○○ちゃんの代理として
声を掛けた、緒尾くんです
といきなり紹介されると
皆がパチパチと、手を叩き出した。
<い・・・いきなり・・・>
頭に血が上って、何を話したら良いのかも
分からなくなる。
とりあえず、その場で起立して
「ママのお店で、上久保ちゃんに
8千円で雇われた緒尾です。学生です。」
と、簡単に自己紹介すると、
女性陣が、「わたしなら幾ら出すわ・・・」 とか
「もっと貰いなさいよ・・・」 とか
「さっきのオンボロ車あげるわ・・・」 とか
女性陣が突っ込むので、
「いえいえ、実は最初は、6千円で
ママが助けに入ってくれて
8千円になったんです」
と補足すると、皆、大爆笑し、上久保ちゃんは
「いやぁ、こりゃ、まいった!」
と言って、思いっきりおでこを叩くと
大笑いした。
それからは
立ったままの状態で
質問責めである。
何かを聞かれて、答えると
それを受けて、誰かが話をし
別の人が、ツッコミを入れては
ドッ とウケての繰り返し。
最後に上久保ちゃんが、一通り
他の人達を紹介してくれた。
まずは、この別荘のオーナーである
車屋さん御夫婦。
以前、ママの店の忘年会で
お話したことのある、御夫婦だ。
電車で来た御夫婦は
揃って、お二人とも真面目で
口数の少ない、物静かな人達。
実は、この御夫婦も
ママの店での忘年会には
参加していたようだが
全く記憶に残っていなかった。
もう一組は
三人で参加されている
車で来た御夫婦と、妹さん。
ご主人は、保険の代理店を
されているらしい。
こちらの御夫婦は
一緒にテニスやゴルフを
されているそうだ。
妹さんは、雰囲気は違うけど
お姉さんとは、目がそっくりだった。
そして最後に
上久保ちゃんの、ガールフレンドさん。
こちらの女性は
ちょうど上久保ちゃんとは正反対。
痩せている上久保ちゃんに対し
大柄で肉づきも良く
ハキハキとしていて
まさしく 「濃い目」 という
表現がピッタリの、女性だった。
一通り、紹介も終わって
汗を拭き拭き、席に座ると
以前、忘年会でお会いした奥さんが
ビールを持ってこちらの席に
やってきた。
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