2ntブログ
2018/05/10

【緊縛小説】 縄絡み (10-2)

§10の2 恋愛講座

 

ママ曰く、

 

人は、みんな同じではないし、

人には、それぞれに、与えられたものがあって、

他の人を見て、いくら妬んでも、意味がないと言う。

 

世の中には、誰とでも、打ち解けて、

すんなりと、お付き合い出来てしまう、人もいれば、

個性が強かったり、生き方が下手だったり、

いつも、壁にぶち当たってばかり、いるような人も、

いる。

 

ママなどは、
すんなりと、器用に、こなしてしまう人は、

一見、お洒落には、見えるけど、

人としての、深みに欠けてたり、

厚みがなかったりして、物足りなく感じると言っていた。

 

SM の世界に出入りしている人達は、
ある意味、SでもMでも、真面目で愚直で、不器用な人ばかり。

人は、頭では、理解しているように思っていても、

実際に体験してみないと、その意味は、

理解出来ない動物。

 

だから、何事も、実際に、自分で体験してみて、

いっぱい自分の身体で、感じてみることが大事だ、

と言った。

 

少し後から、店に入って来た、上久保ちゃんが、

 

   「いやぁ、ママは、良いことを言うね~」

 

と、言ったかと思うと、

   「若いって、いいねぇ~」

 

と、また早速、茶々を入れて来た。

 

年齢が若かったせいも、あるかも知れないが、

自分が、初体験を経験した女性と同じように、

自分を育ててくれようと、してくれていたみたいだった。

 

 

ママが昔、SMクラブで、女王様をしていた話は、

既にいろいろな人からも、話を聞いていたが、

自分が偏見なく、話をするせいか、

ママも、嫌な顔もせず、真摯に話をしてくれた。

 

一番最初に教わったことは、女性が男に惚れたら、

女性は誰でも、「その男に対しては、Mになる」

ということだった。

ママ曰く、それが、女性の本能らしい。

 

ママは、SもMも、どちらも、持っていて、

女王様になったのは、仕事としての側面もあったけど、

好きな男性にだけは、Mになるのだと言う。

女王様の、男性を威嚇するようなポーズも、

それは、営業スタイルのようなもので、

逆に、普段から肩を怒らせている人は、

弱い自分が見透かされるのを、

恐れている人だと言う。

 

そして、この上久保ちゃんは、

ママと同じように、SとMの両面がある男性で、

ママが女王様だったときに、

お客としてお店に来た人だと言う。

 

 

ママがそれを言うと、上久保ちゃんは、

まさか自分の話が持ち出されるとは、

思っても見なかったようで、

 

自分で、自分のオデコを 「ぺしん」 と叩くと、

 

   「こりゃ、まいった」

 

と言って、一人、大笑いしてした。

 

―――――――――――――――――

 

次を読む  前に戻る  始めから読む

 

にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
にほんブログ村

コメント

非公開コメント