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2018/04/26

【緊縛小説】 縄絡み (5-2)

§5の2 緊張

 

まさか、

女性が来る予定に

なっていたとは、

露知らず、

 

あらためて出直すと、

若手に伝えると、

 

同じ趣味の人だと

分かったから、

あえて、彼女を呼んだのだと、

若手は言った。

 

自分も、このときまでは、

他の人と、

SMや緊縛の話を、

したことがなかった。

 

用語にしてみても、

昔、大学に入る前に、

お付き合いのあった人から、

教わったことを除けば、

あとは、本から仕入れた程度の、

知識しかなかった。

 

若手は、

「話の続きをしよう・・・」 と言うと、

 

彼女に、

飲み物の準備させ、

その間に

奥の部屋から、

ダンボール箱を持って、

戻って来た。

 

中を見てみると、

 

たくさんの、縄の束や、

使いかけの、赤い蝋燭の他にも、

和手拭い、

あとは、

電動バイブや、

登山に使うカラビナなどが、

入っていた。

 

電動バイブは、

それまでは、まだ、

実物を見たことなかった。

 

スイッチを入れてみると、

 

プラスチックの

歯車が廻る音と、

モーター音が入り混じった、

 

昔の 「ブリキのおもちゃ」 を連想させる、

軽くて、安っぽい音がした。

 

そのイメージの落差に、

拍子抜けしたのか、

 

無意識に、電動バイブの、

先のニオイを嗅いでみると、

それを見ていた女の子が、

思わず噴出して笑う。

 

笑いをキッカケにして、

幾らか、場の緊張が、

和らいだかのようだった。


顔見知り同士ではあるものの、
お互いに、個人的なことは、

良く知らないので、

簡単に、

自己紹介をすることになった。

 

***

 

若手は、以前は、調理師をしていて、

料亭に勤めていたらしいが、

仕事が合わなくて、職を変え、

今の会社に移ったらしく、

 

SM は、

 

以前の職場の親方が、

緊縛好きだったため、

その影響を受けて、

始めたらしい。

 

なので、

 

職を変わった後も、

その親方との、

趣味での付き合いは、

今も、続いているらしかった。

 

自分は、

 

初めての女性が、年上で、

彼女から、縛りを教わったとしか、

言えなかった。

 

若手は、若く見えるけど、

自分よりも、5つ年が上だった。

 

若手の愛奴の女の子は、

短大の2年生。

自分とは、どうやら、

同い年らしい。

 

若手が、その料亭に

勤めていたときに、

彼女は、アルバイトとして、

その店で、働いていたようだ。

 

彼女は、小さい頃、

お父さんの 「そういう本」

を見てしまい、

それからというもの、

 

   「オトナになったら、

    皆、こういうことをするんだ・・・」

 

と思って、

ずっと、ドキドキしながら、

子供時代を過ごして

きたらしい。

 

ところが、大きくなって、

そんな記憶も、

薄らいで来た矢先、

 

アルバイト先で、

職人連中が、休憩時間に、

「そういう話」 をしているのを、

耳にするようになってから、

 

縛って貰いたくなって、

どうしようも、

なくなったのだと言う。

 

同い年の、女の子の、

赤裸々な告白を聞いて、

下半身から、
何か熱いものが、
込み上げてくるのを、

必死に堪えた。

 

―――――――――――――――――

 

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