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2018/04/26

【緊縛小説】 縄絡み (4-1)

§4の1 電話


職人の家で、

奥さんと交えた日。

 

実は、

二回戦目に

突入したあたりから、

 

奥さんの、自分を見る目が、

何処か悲しげで、

 

そして、

自分に対する態度が、
何処か余所余所しく

なったような、

そんな気がしていた。

 

   「また、逢いたい・・・」

 

と何度言っても、

 

何処か上の空だったり、

話を、すり替えかえられたり。

 

結局、あの日は、

 

次に逢う約束を、

取り付けることが出来ず、

すごすごと、

帰って来たのだった。

 

あの日のことを、思い出しては、

 

   <いきなり縛ったので、

    怖がらせちゃったかな?>

 

などと、反省しきりの日々を、

過ごしていると、

 

あるとき、

 

職人と一緒にいた、若手から、

家に、一本の電話が入った。

 

電話を受けたときは、
既に、名前すら、全く覚えておらず、

誰なのかさえも、検討が付かない。

 

おそるおそる、

電話に出てみると、

職人と仕事を組んでいた、

例の若手だった。

 

どのような用事かを、聞いてみると、

若手は、電話口で、いきなり、

   「親方の奥さんと、したんだって?」

と聞いて来た。

 

   <こんなことは、あるはずがない!>


奥さんが自ら、「浮気しました・・・」 と、

職人に告げる筈もない。

 

いやいや、それ以前の話として、

そもそも何故。
何故、若手が、「そのこと」 を、

知っているのか。


様々な疑念が、瞬時に

自分の、頭の中を過(よ)ぎっては消え、
返事すら、出来ないでいると、

 

若手は一言、


   「だから、あのとき、やめとけ・・・
    ってサインを出したじゃん。」

と言って、ため息をついた。

全く話の意味が、理解出来ず、

沈黙を続けていると、
電話では、説明が難しいからと、

外で直接会って話す、ことになり、

 

若手が住んでいる

最寄駅の駅前で、

待ち合わせすることになった。

 

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