【緊縛小説】 縄絡み (3-2)
§3の2 再び、お邪魔する
ようやく、待ちに待った、
翌週の水曜日。
イケナイことであるのに、
何処かで、
それを、楽しみにしている、
自分がいる。
前回と同じように、
職人の家の最寄駅まで、
バイクで行くと、
駅にバイクを留めて、
職人の家まで、歩いて行った。
呼び鈴を鳴らすと、
家の中から、
「はぁい!」
という声と共に、
直ぐにドアが開いた。
「どうぞ、お上がりになって・・・」
玄関を閉め、鍵を掛けると、
せかせかと、脱いだ靴を揃えてくれて、
居間に通されるが、
前回のように、お酒が入ってないためか、
お互いに何処か、ぎこちない。
居間に入ると、
紅茶が良いかコーヒーが良いか、
聞かれたので、
コーヒーをお願いした。
奥さんは、平常心を保っているように、
振舞ってはいるものの、
何処か落ち着きがなく、
そわそわしている、感じがした。
前回のように、弾んだ会話もない。
少し、気まずくなり、
トイレと洗面所をお借りして、
手を洗わせてもらった。
トイレから戻り、
ソファーに腰を掛けると、
思わず、つい先日の、
高まりを思い出してしまう。
違うことと言えば、
職人がいないことと、もうひとつは、
昼間であることだけだった。
飲み物を用意して、奥さんが
前回と同じ位置に座ると、
あの、「もどかしい時間」 が、
ふたたび戻ってきた。
隣りに座ると、
またしても、奥さんが、ピッタリと、
脚を付けてくるのである。
高まる緊張と、
何処か気まずい雰囲気の中で、
胸の中のものを、
全部、吐き出してしまいたい、
そんな衝動に駆られる。
その艶(なまめ)かしさに、
前回お邪魔したときから今日までの、
自分の気持ちを告白する。
すると、彼女は、
「わたしも、よ・・・・」
と言って、
二人は、お互いに、
どちらからともなく、
ギュッと抱き締め合いながら、
唇を重ね合い、
そして、舌を絡め合った。
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