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2018/04/22

【緊縛小説】 縄絡み (3-1)

§3の1 再び、電話を掛ける

 

翌週の月曜日。

 

2コマ目の授業が終わり、

学食で食事をとった後、

公衆電話に行き、

職人の家に電話を掛けると、

 

奥さんが出た。

 

ちょっと低めの、

響く声質が、

艶やかで、心地良い。

 

先日のお礼を言い、

他愛もない話をしていると、

 

続きの ”話” をしたいので、

また後日、逢いたいと言う。

 

先週末の、あの、

「もどかしい時間」 の感覚が、

身体に蘇ってくる。

 

平日の昼間なら、

いつでもいい、と言う。

 

今週の水曜日は、

実験が入っているので、

来週の水曜日なら、

空いていると伝えると、

奥さんも、問題ないと言う。


ふと、背後を振り向くと、

公衆電話の順番を待つ人が、

何度も、腕時計を覗いては、

イライラした面持ちで、

こちらを、睨み付けてくる。

 

職人のお宅に伺う、

おおよその、時間を決めると、

いそいそと、

受話器を置いて、

その場を後にした。

 

***

それ以来、

ずっと、あの、

「もどかしい時間」 の感覚が、

身体から離れずにいる。

 

「裏ビデオ」 を見せてもらい、

帰って来た日も、

電話をした日も。

 

家に帰ってから、

何回も何回も、

自分で、○○したのにも、

かかわらず、である。

 

何回も何回も、

噴出しているにも、

かかわらず、

モヤモヤが晴れず、

 

満足出来ない日が、ずっと続いた。

 

―――――――――――――――――

 

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