【緊縛小説】 縄始め (3-2)
§3の2 初縛り
逢瀬の度に、紅茶を飲むのと、縛られるのが恒例となった。
そして、あるとき、古ぼけた 「奇譚(きたん)クラブ」 という名前の
「S☆M雑誌」 を読まされた。
そこに書かれていた記事は、彼女が独身時代に
調☆教を受けていた 「主」 が、投稿したものだと言う。
そこには、彼女の手記と一緒に、吊るされた写真や、
胸に食い込むほどにガッツリと何重にも縛られた写真が、
何枚か掲載されていた。
顔は、はっきりとは写っていないが、今とは若干違うものの、
身体の特徴は、確かにそのままである。
そして、そのとき、彼女に言われたことは、
「このくらいに、女を縛れる ”男” になりなさい・・・」
ということ。
何故、”主” と呼ばれる、その男性と別れたのかは、
何度聞いても、最後まで、教えてくれなかった。
このときは、まだ、自分も小学生のときに、書店で 「S☆M雑誌」
を発見して、半ズボンがはちきれそうなほどに、興☆奮していたことを
告白出来ずにいた。
彼女は、しばらく、その本に興奮して、見入っている自分を眺め、
そして、それから、自分にこう言った。
「わたしを、そういう風に縛って・・・」
彼女の言葉は、普段の、緩やかな口調ではなく、
少し苛立っているような、キツイ口調であったにもかかわらず、
しかし、心の底から湧き出るような、あでやかな声色で、
そして、あくまでも、真剣な面持ちで、
自分に全てを委ねているような・・・。
まるで、自分の思いは、全て実現すると信じていて、
「NO」 と言うことを微塵にも許さない、とでも言っているような、
そんな、張り詰めた空気が、漂っていた。
「こっちに来て・・・」
そこは夫婦のベッドルームだった。
今まで、自分がタブーに感じて、誘われても、
どうしても、入らなかった部屋。
しかし、そのときは、拒めなかった。
そして、真剣な面持ちで言われた言葉。
「あなたは、これから、私の ”主” になるの・・・」
目は潤み、今までの彼女とは、全く違う表情を見せていた。
その一瞬で、今まで自分が感じていた、後ろめたさも、何もかも、
全てが、まるで ”ちゃぶ台” のように、ひっくり返るのを感じた。
自分は、その瞬間に ”ケダ☆モノ” になって、
手元にある縄で、彼女をぐるぐる巻きにして、
そして、思いっきり彼女をお菓子しまくった。
今まで、自分を悩ませてきた、いやらしい脚に尻(ケ☆ツ)。
見た目は、イヤらしいくせに、しかし、全てに柔らかく、
挿れれば、気持ちが飛ぶほど、気持ちのいい、愛しい存在。
そんな初めての経験に、理性が全て飛んでしまって、
彼女の中に、全ての聖を流し込んだ。
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