2ntブログ
2018/04/09

【緊縛小説】 縄始め (3-2)

§3の2 初縛り

 

逢瀬の度に、紅茶を飲むのと、縛られるのが恒例となった。

 

そして、あるとき、古ぼけた 「奇譚(きたん)クラブ」 という名前の

「S☆M雑誌」 を読まされた。

そこに書かれていた記事は、彼女が独身時代に

調☆教を受けていた 「主」 が、投稿したものだと言う。

 

そこには、彼女の手記と一緒に、吊るされた写真や、

胸に食い込むほどにガッツリと何重にも縛られた写真が、

何枚か掲載されていた。

 

顔は、はっきりとは写っていないが、今とは若干違うものの、

身体の特徴は、確かにそのままである。

 

そして、そのとき、彼女に言われたことは、

 

   「このくらいに、女を縛れる ”男” になりなさい・・・」

 

ということ。

 

何故、”主” と呼ばれる、その男性と別れたのかは、

何度聞いても、最後まで、教えてくれなかった。

 

このときは、まだ、自分も小学生のときに、書店で 「S☆M雑誌」

を発見して、半ズボンがはちきれそうなほどに、興☆奮していたことを

告白出来ずにいた。

 

彼女は、しばらく、その本に興奮して、見入っている自分を眺め、

そして、それから、自分にこう言った。

 

   「わたしを、そういう風に縛って・・・」

 

彼女の言葉は、普段の、緩やかな口調ではなく、

少し苛立っているような、キツイ口調であったにもかかわらず、

しかし、心の底から湧き出るような、あでやかな声色で、

そして、あくまでも、真剣な面持ちで、

自分に全てを委ねているような・・・。

まるで、自分の思いは、全て実現すると信じていて、

「NO」 と言うことを微塵にも許さない、とでも言っているような、

そんな、張り詰めた空気が、漂っていた。

 

   「こっちに来て・・・」

 

そこは夫婦のベッドルームだった。

今まで、自分がタブーに感じて、誘われても、

どうしても、入らなかった部屋。

 

しかし、そのときは、拒めなかった。

 

そして、真剣な面持ちで言われた言葉。

 

   「あなたは、これから、私の ”主” になるの・・・」

 

目は潤み、今までの彼女とは、全く違う表情を見せていた。

その一瞬で、今まで自分が感じていた、後ろめたさも、何もかも、

全てが、まるで ”ちゃぶ台” のように、ひっくり返るのを感じた。

 

自分は、その瞬間に ”ケダ☆モノ” になって、

手元にある縄で、彼女をぐるぐる巻きにして、

そして、思いっきり彼女をお菓子しまくった。

 

今まで、自分を悩ませてきた、いやらしい脚に尻(ケ☆ツ)。

見た目は、イヤらしいくせに、しかし、全てに柔らかく、

挿れれば、気持ちが飛ぶほど、気持ちのいい、愛しい存在。

 

そんな初めての経験に、理性が全て飛んでしまって、

 

彼女の中に、全ての聖を流し込んだ。

 

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