【緊縛小説】 縄始め (3-4)
§3の4 緊縛レッスン
それからというもの、女性の家に入り浸ることが、多くなってきた。
「きちんと、学校に行かないと駄目じゃない・・・
偉くなれないわよ?」
彼女は、洗濯機を廻しながら、あちこちと急がしそうに、走り廻っている。
高3の後半ともなると、選択制の授業も増えてくるため、結構、授業にも余裕が出て来る。
「大丈夫だよ、家でも、受験勉強しているし・・・」
実際、一通りは、既に勉強を済ませており、あとは自分の不得意な部分を見つけては、補うの繰り返し。この時期に、慌てて勉強し始めたところで、後の祭りだ。
彼女の家では、あれから、ちょくちょく、縄を縛る練習をさせてもらっていた。
当時、ルービックキューブが流行り始めていたが、
キューブを戻せなくなって、イライラするよりは、縄の方が、ずっといい。
「そこのところは、そこから次に、左肩の方に縄を送るから、
そこで、しっかりと留めを入れて・・・、そうそう!」
「そこは、緩みやすいから、しっかりとテンションを掛けて・・・」
洗濯物を干しては、また、洗濯物を取りに行ったり、主婦はいろいろと忙しいながらも、
合間を見て、厳しく指導される。
「お待ちどうさま・・・
どう、今度は人で縛ってみる?」
言うや否や、もう、腕を背後に廻して、背中をキリッと反らしている。
せりあがる肩甲骨と、頭を垂れて覗くうなじのコントラストが、
すごくなまめかしい。
縛られ慣れているのも、あるのだろうが、その姿は実に美しかった。
腕の上の方から縄股を通し、後ろ手で縛った後、そこから、胸縄を通して行く。
「胸縄は、緩みやすいから、もっときつくてもいいわ・・・」
***
彼女からは、いろいろな縛り方を教わった。
そして、実際に、何度も何度も繰り返し、縛りを覚えていった。
きっと、彼女は、結婚した後も、ずっと自分の思い通りに、
自分を縛ってくれる 「主」 を探していたのだろう。
しかし、本気で探していたのか、それは誰にも分からない。
彼女の理性は、それを否定し、
彼女の身体と心は、探して求めていたに違いない。
そして、辿り着いた現実。 それは、自分の 「主」 を自分の手で育てること。
こうして、彼女は、自分のセックスの師匠になり、
そして、縄の師匠となった。
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