2ntブログ
2018/04/10

【緊縛小説】 縄始め (3-4)

§3の4 緊縛レッスン

 

それからというもの、女性の家に入り浸ることが、多くなってきた。

 

   「きちんと、学校に行かないと駄目じゃない・・・

    偉くなれないわよ?」

 

彼女は、洗濯機を廻しながら、あちこちと急がしそうに、走り廻っている。

高3の後半ともなると、選択制の授業も増えてくるため、結構、授業にも余裕が出て来る。

 

   「大丈夫だよ、家でも、受験勉強しているし・・・」

 

実際、一通りは、既に勉強を済ませており、あとは自分の不得意な部分を見つけては、補うの繰り返し。この時期に、慌てて勉強し始めたところで、後の祭りだ。

 

彼女の家では、あれから、ちょくちょく、縄を縛る練習をさせてもらっていた。

 

当時、ルービックキューブが流行り始めていたが、

キューブを戻せなくなって、イライラするよりは、縄の方が、ずっといい。

 

   「そこのところは、そこから次に、左肩の方に縄を送るから、

    そこで、しっかりと留めを入れて・・・、そうそう!」

   「そこは、緩みやすいから、しっかりとテンションを掛けて・・・」

 

洗濯物を干しては、また、洗濯物を取りに行ったり、主婦はいろいろと忙しいながらも、

合間を見て、厳しく指導される。

 

   「お待ちどうさま・・・

    どう、今度は人で縛ってみる?」

 

言うや否や、もう、腕を背後に廻して、背中をキリッと反らしている。

せりあがる肩甲骨と、頭を垂れて覗くうなじのコントラストが、

すごくなまめかしい。

縛られ慣れているのも、あるのだろうが、その姿は実に美しかった。

 

腕の上の方から縄股を通し、後ろ手で縛った後、そこから、胸縄を通して行く。

 

   「胸縄は、緩みやすいから、もっときつくてもいいわ・・・」

 

***

 

彼女からは、いろいろな縛り方を教わった。

そして、実際に、何度も何度も繰り返し、縛りを覚えていった。

 

きっと、彼女は、結婚した後も、ずっと自分の思い通りに、

自分を縛ってくれる 「主」 を探していたのだろう。

しかし、本気で探していたのか、それは誰にも分からない。

 

彼女の理性は、それを否定し、

彼女の身体と心は、探して求めていたに違いない。

 

そして、辿り着いた現実。 それは、自分の 「主」 を自分の手で育てること。

 

こうして、彼女は、自分のセックスの師匠になり、

そして、縄の師匠となった。

 

 

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