【緊縛小説】 縄始め (2-1)
§2の1 借りた服を返す
あれから、かなりの月日が経ち、
学校が休みのとき、たまたま、女性の家の前を通り掛かると、
これから外出しようとしている彼女に、
ばったりと出会(でくわ)した。
「先日は、どうもありがとうございました。」
と咄嗟にお礼を言い、
「あのときにお借りした服、
今、急いで持って来ます。」
と、そう言って、自分の家に取りに帰ろうとすると、
すぐさま、呼び止められて、
今から出掛けるけど、お昼には戻っているので、
そのときにお願いしますとのこと。
あらためて、1時過ぎに、家に行き、ベルを鳴らすと、
インターフォンに出ることもなく、すぐにドアが開いた。
「ちょっと悪いけど、手伝ってくれるかな?」
玄関先で服を手渡して、すぐに帰るつもりだったが、
蛍光灯が切れてしまったので、交換してるとのこと。
ご主人は、朝からゴルフに出掛けていて、
今はいないと言われれば、手伝わないわけにもいかない。
脚立(きゃたつ)もないので、テーブルの上に椅子を乗せ、
その上に乗って交換しないと、とても天井には、手が届かない。
何度も、自分が上に上ると言っても、
危ないからと、どうしても、交代してくれない。
結局は、テーブルの下から、椅子を押さえる係に。
テーブルの上に乗せた椅子の足と椅子本体を
手で押さえながら、上を見上げると、
ジーンズ姿ではあるものの、
Tシャツの裾が、はみ出していて、
女性の背中だけでなく、ブラまでもが、丸見えになっている。
何とか、交換作業も無事終了し、
女性が、椅子から降りようとした、そのとき、
女性は、バランスを崩して、身体が前のめりになり、
自分にしがみ付いてきた。
「ご、ごめんなさい・・・」
「い、いえ・・・」
椅子から、一度テーブルの上に降りたら、
その椅子を、前にあったところに戻し、
今度は、その椅子を踏み台にして、
テーブルから降りないといけないのに・・・。
テーブルから、直に降りれると思ったらしい。
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