【緊縛小説】 縄始め (2-2)
§2の2 また紅茶を飲む
もう、お借りした服も、返し終わったし、
お手伝いも済んだので、帰ろうとすると、
ちょっと、一服でもして、
休んでいって下さいとのこと。
前回とは異なり、今回は、質問責めもない。
少し、ほっとしていると、お湯を沸かしながら、今度はむしろ、
自分のことについて、いろいろと話して来る。
ご主人は、今日はゴルフのコンペで、お泊まりだとか、
近所に、自分の話相手になる友人が居ないこと。
あとは、趣味で集めている、「なんとかウッド」 という食器のことや、
何かと言うと、「若いってイイわね~」 みたいなこと。
とにかく、高校生の自分には、情報量が多過ぎて、
何のことやら、聞いてるだけで精一杯。
今回は、紅茶を入れ終わると、女性は自分の隣に腰を掛けた。
「さきほどは、しがみ付いてしまって、
ごめんなさいね・・・」
「わたし、どんくさくて・・・」
と言って、身体に触れてくる。
「い、いえ・・・」
「身体が引き締まってるのね・・・
スポーツとか何かやってるの?」
「小さい頃に、剣道とか、
高校の二年までは、空手をやってました。」
「そうなの?
それは危険ね・・・
ちょっと縛らせてもらおうかしら・・・」
会話の意味が、良く理解できなくて、
しかし、今回もひとつの部屋に、男女二人きりなので、
女性の用心の意味かと思い、
席を立って、他の部屋に行く、彼女のことには、気も留めず、
ひとり紅茶を啜(すす)っていた。
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1875年の今日、コンビーフの台形の缶詰が特許を取ったみたいだよ。
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