【緊縛小説】 縄始め (1-3)
§1の3 腰をかける
同じアパートなので、部屋の間取りは同じであるが、
玄関の向きが違うので、全ての造りが逆になっている。
紙袋に服を入れて、居間に入ると、
「どうぞ、こちらにお掛けになって」
と、ソファーに通された。
「紅茶でいいかしら?」
見たこともない綺麗なポットと、おそろいの
上品な器に、紅茶を注いでいく。
「どうぞ、お座りになって」
引っ越して来て、1年あまり。
近所の人とは、あいさつ程度の会話は
あるものの、その程度。
「ちょっと、大きいみたいだけど
少しの間だから、大丈夫ね?ふふっ」
ただでさえ、余所の家にお邪魔して、
着替えさせてもらった上に、
こちらは今にも、ずり落ちそうな格好である。
緊張してて、ガチガチになりながらも、
何とか、申し訳なさそうな程度に、
ソファーに腰を掛けた。
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