【緊縛小説】 縄始め (1-2)
§1の2 着替える
その女性は、今までにも何回か、
見掛けたことのある、近所に住む人だった。
「このタオルを使って」
「着替えは、今準備するわね、ちょっと待ってて」
洗面所に通され、しばらくして、
着替えを持ってきてくれた。
「これ、旦那のだけど、気にしないで使って」
ジャージと大きめのパンツが渡された。
手渡すときに、チラッとこちらを見た気がしたが、
すぐさま、何もなかったかのように、出て行った。
男ものの他人のパンツを履くのに
違和感を感じたものの、
パンツまで濡れているので、仕方ない。
履いてみると、パンツもジャージも、
一回り大きい。
仕方がないので、ゴムを引っ張ったりして、
ずり落ちないように、奮闘していると
「温かいもの、入れたから」
「着替え終わったら、こちらに来て」
とお呼びが掛かる。
自分の脱いだ、ズボンやYシャツ、
それから下着類を、何処に置いていいか、
まごついていると
「ああっ、ごめんなさい・・・」
と言って、三越の紙袋を持ってきてくれた。
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