2ntブログ
2018/04/04

【緊縛小説】 縄始め (1-2)

§1の2 着替える

 

その女性は、今までにも何回か、

見掛けたことのある、近所に住む人だった。

 

   「このタオルを使って」

   「着替えは、今準備するわね、ちょっと待ってて」

 

洗面所に通され、しばらくして、

着替えを持ってきてくれた。

 

   「これ、旦那のだけど、気にしないで使って」

 

ジャージと大きめのパンツが渡された。

手渡すときに、チラッとこちらを見た気がしたが、

すぐさま、何もなかったかのように、出て行った。

 

男ものの他人のパンツを履くのに

違和感を感じたものの、

パンツまで濡れているので、仕方ない。

履いてみると、パンツもジャージも、

一回り大きい。

 

仕方がないので、ゴムを引っ張ったりして、

ずり落ちないように、奮闘していると

 

   「温かいもの、入れたから」

   「着替え終わったら、こちらに来て」

 

とお呼びが掛かる。

 

自分の脱いだ、ズボンやYシャツ、

それから下着類を、何処に置いていいか、

まごついていると

 

   「ああっ、ごめんなさい・・・」

 

と言って、三越の紙袋を持ってきてくれた。

 

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