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2017/10/24

姫方のニオイ問題

前記事では、男性のニオイの原因ともなる 「カワカムリ(包☆茎)」 に絡めて、「どうでもいい話」 をしてしまいましたが、今回は、女性のニオイ問題について書いてみたいと思います。

 

ニオイ問題は、男性にも女性にもありますが、どちらもセンシティブな問題です。

自分が一番最初にアソコが 「イカ臭い」 女性に当たったのは、20代前半の頃です。

 

多感なお年頃ゆえ、直接指摘することは出来ませんでしたが、当時はその女子に対して 「親は、アソコの洗い方も教えていないのか」 等と憤(いきどお)った記憶があります。

当時は、きちんと洗えていないか、あるいは、「腋臭(わきが)」 と同じように体質によるものと認識していました。

 

今思い返すと、自分の鞭ならぬ、無知による勘違い。その女性とは縁がなかったと思うしかないのですが、若かりし頃のこととは言え、今頃になって自分の不見識が恥ずかしい次第です。

普通の健康な女性であれば、強烈な人は、10~20人に1人くらいの確率です。

 

面の皮が厚くなるにつれて、愛する女性の場合には、それを指摘するようにもなりましたが、ほとんどの女性は 「きちんと洗ってる・・・」 と言います。

中には、病院に行ったという女性もいます。そして、一時的には臭いはなくなるものの、また、次第にそれらしき臭いが漂ってきます。(TT)

 

疑問を感じ始めたのは、その頃辺りからです。

 

ニオイの発生源は菌

 

「嫌なニオイ」 の大半は、「嫌気性菌」 による 「たんぱく質」 や 「油分」 の分解によって生じます。

「ニオイ」の発生は、菌の活動によるものであるということと、もうひとつ大事なことは、無菌状態は必ずしも 「生き物」 にとって過ごしやすい理想的な環境ではないということです。

人の身体も一緒です。人の身体には、皮膚の表面にも体内にも 「常在菌」 が生息しています。そして多くの場合は、人の健康に悪影響を及ぼさない 「善玉菌」 と共生関係を築いているのです。「善玉菌」 を優遇することによって、毒素を排出したりする 「悪玉菌」 を排除しているのです。

 

しかし、体調が悪くなると、分泌物の PH が変化するためか、「菌」 の生育環境も変化します。

「菌」 もいろいろで、酸素を好む 「好気性」 のものもいれば、酸素を嫌う 「嫌気性」 のもの。また、酸性の環境でも生きていける菌もいれば、酸性の環境では生育できない菌もいれば、塩が苦手な菌もいます。

 

この特性をうまく利用しているのが、漬物や発酵食品です。

麹菌は、醤油や味噌、味醂や清酒の醸造に使用されていますし、納豆菌は納豆に、乳酸菌は、漬物やチーズやバター、ヨーグルトなどの酪農製品で使用されています。

食事においても積極的に摂取している菌です。

 

ニオイが発生するメカニズム

 

菌の発育を決める要因は、① 「菌の存在」 もありますが、それ以外には、その ② 「菌の繁殖に適した環境」 と、もうひとつは ③ 「餌」 の存在です。

 

腋臭(わきが)も、コリネバクテリウム菌という菌が、アポクリン腺から分泌される脂肪酸を好み、その脂肪酸を分解すると際に発生します。

 

女性の膣内は、普段は酸性状態にあり、雑菌の侵入を防いでいます。そして、この役割を担っているのが、乳酸菌と言われています。

 

アソコが、「イカ臭くなる」 状況は、嫌気性菌と乳酸菌の間で抗争が繰り広げられ、乳酸菌による天下が脅かされている状態にあるのです。

ちなみに 「中出し」 すると、死滅した精子がたんぱく質としての 「餌」 となるためか、イカ臭くなるという話もあります。

「チーズ臭く」 なる場合もあるようですが、この場合は、膣内の常在菌で、乳酸菌の一種である 「デーデルライン桿菌(かんきん)」 が働いているようです。

 

また、女性の愛液は、酸に弱い精子を受け入れるために、酸性を中和するアルカリ性を示しているようです。

 

どうしたらいいか?

 

メカニズムが分かったとしても、では、どんな菌が、どういう理由で繁殖しているのか?それを確認しないといけません。

繁殖する菌の中には、雑菌が繁殖する 「細菌性膣炎」 以外にも、「性感染症」 が疑われる場合があるためです。

 

女性の場合は、おりものの色やニオイ、あとは、排尿時の痛みやかゆみ、違和感などの症状を伴うのが一般的です。

「性感染症」 で有名なところでは、「トリコモナス膣炎」 と 「クラミジア感染症」 ですがあります。

 

「性感染症」 ではない、それ以外の膣炎もあります。

見た目で分かりやすいものでは、「膣カンジダ症」 などがあります。これは、「カッテージチーズ」 のようなおりものが出るので分かりやすいのですが、「性感染症」 ではなく、人の体内に常在する 「カンジダ菌」 という真菌(カビの一種)が異常に繁殖するものです。

「細菌性膣炎」 は、免疫が低下したときや、強いストレスを抱えているときのほか、ホルモンバランスが崩れているときなど、膣内の PH の変化や免疫機能の低下によって、膣内にガードネラ菌などの雑菌が繁殖するものです。

 

健常者の手のひらであっても、黄色ぶどう球菌のように食中毒の原因となる、毒素を生成する菌も、微量ながらも存在しています。手のひらに、いろいろな常在菌がいるように、膣内にもたくさんの菌が共生していますが、普段は悪さをしないように、善玉菌などの他の菌によって封じ込まれているのです。

 

しかし、これらも、「性感染症」 と合併して発症する場合がありますので、いずれにしても、何らかの症状なり身体の変調や違和感がある場合には、当たり前ですが、まずは婦人科に(受診を受けに)行くのが基本です。

 

再発する場合


クリニックを受診すると、まずは主訴を聞いて、診察して、お薬を処方するのが一般的。菌のコロニーを確認したり、菌を培養検査したりするのは稀で、多くは鑑別診断と言いますが、病気を仮定して、それに効果のある薬を処方するというものですが、通常は、それぞれの症状に応じて、抗菌剤(抗生物質)を出して終わり。

効果があれば、それで終わり。効果が見られなかったら、また来て下さいというものです。

 

しかし、この状態は、戦争で焼け野原になっている状態と同じ。抗生物質によって菌は、善玉菌も悪玉菌も、ことごとく駆逐されています。これを正常な状態に戻してはじめて、健常な状態と言えます。

症状の直接的な原因は、菌によるものです。しかし、こういった 「招かざる菌」 の繁殖が環境要因である場合には、そこを直さないと、また遅かれ早かれ再発することになります。

大事なことは、膣内を、乳酸菌を主軸とする、酸性の環境に保つこと。基本は、納豆もそうですし、「糠漬(ぬかづ)け」 などに代表される 「漬物」 もそうですが、他の雑菌が付着してしまう前に、善玉菌を繁殖させてしまうことなのです。
糠漬けは、塩を入れることで嫌塩性の菌を殺し、定期的に空気に触れさせることで、嫌気性の菌を殺しているのです。

(1) 膣内を酸性に保つ

正常な女性の膣内の pH は、3.8~4.5 の弱酸性を示すと言われています。男性の精液の pH は、7.2~8.0。ちなみに、pH は、7.0が中性で、0以上7未満が酸性、7より大きく14未満だとアルカリ性を示します。



食酢に水酸化ナトリウムを滴下(てきか)した場合の曲線をみると、pH 3.8~4.5の辺りは実になだらかであることがわかります。
 

「食酢中の酢酸の濃度を調べる」 近畿大学理工学部理学科化学コース


ちなみに、酢には表示酸度が示されているようですが、黒酢の多く(中国製を除く)は、pH が 4.4~4.6 を示しているようです。「食酢 名古屋市消費生活センター」

 

 

 

ほぼ女性の膣内の酸度と同一です。舐めたときは、そんなに酸っぱかった記憶はないのですが。(^^;)

 

そこで本題ですが、洗浄する際には、石鹸は使用しないということです。石鹸はアルカリ性ですので、中和してしまいます。

洗うのであれば、水がお湯ですすぐ程度。ちなみに水洗い程度では、菌は死んだりしません。(苦笑)

 

気になる方は、女性自身の外側を、お酢で拭いても良いかも知れません。

ちなみに、寿司を握る際に、手につける酢を 「手酢(てず)」 と呼びますが、これは、酢と水を同割りで混ぜたものを使用します。


(2) 菌を植え付ける

 

「デーデルライン菌」 というのが、女性の膣内から発見された乳酸菌です。これを膣内に植え付けることによる 「治療」 あるいは 「予防」 も一部研究されているようです。


「各種膣炎に対する生菌デーデルライン膣カプセルの使用経験」 大阪府立大学医学部産婦人科教室

 

新しく 「糠漬(ぬかづ)け」 の 「糠床(ぬかどこ)」 を作る場合には、「種糠」 もしくは 「種床」 と呼ばれる種となる菌を加えたりしますが、巷(ちまた)では、ヨーグルトを入れたり、ビオフェルミンを入れたりする人達も居るようです。

「糠漬け」 の主役は、乳酸菌(ラクトバチルス)です。本来、乳酸菌は、糠漬けのものは植物性、乳製品の場合は動物性なのですが、発見された場所が異なるだけなのでしょうか?

 

これと同じ原理を利用した 「民間療法」 として、ヨーグルトやビオフェルミンを膣内に入れる方法などもあるようです。

 

ヨーグルトやビオフェルミンなどは、膣に入れることは想定されていないものの、口に入れるものですので、アレルギーなどがない限りは、特段、健康に害はないかも知れません。

但し、ビオフェルミンの錠剤などは、膣内に入れて、どの程度溶けるのかは微妙ですし、一定時間いれたあとの洗浄は、必要になるかも知れません。

 

ヨーグルトやビオフェルミンなどを入れることに抵抗がある人には、同じ原理の製品なども販売されているようです。

 

 

 

 

(3) 菌を殺さないで、清潔に保つ

 

女性の膣内の pH は、抗菌剤などの投与によっても影響を受けますが、それ以外にも、女性ホルモンの分泌や生理、強いストレスなどの他、免疫機能の低下によっても変わってくるようです。

心身共に健康であることが一番、ということです。

 

あとは、洗浄の際には、弱酸性を保つために石鹸は使用しないこと。

 

また、ニオイ的に言えば、男性の精子も、女性が 「オーガズム」 のときに出す分泌液も 「弱アルカリ性」 だそうですし、たんぱく質や脂肪酸などは、菌の食べ物になることから、出来るだけ早めに洗い流した方が良いのは言うまでもありません。

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