SM におけるリスク回避について
縛りで自分が気をつけている部位としては、まずは、①首の骨や②鎖骨(さこつ)、それから③わき腹や④肋骨(ろっこつ)に掛かる負荷。あとは、⑤二の腕部分と⑥手首⑦足首や関節部分、それから、⑧手足の裏側や内側、⑨鼠径部に縄が掛かったり、締まり過ぎないこと。
この辺はかなり昔に先輩に習ったり、あとは、経験的に注意している部分ですが、しかし、系統立てて教わったわけではないと言うことと、業者内での反響もあることから、遅ればせながら、アメブロにもブログを書かれていますが、主に 「ツイッター」 で繋がらせて戴いてる 「 ゴールデンリターンズ 氏」 が監修したムック本 「いますぐデキる!縛り方マニュアル【リスク回避編】 @三和出版」 を購入致しました。
SM 関係の書籍や道具類は、結婚と同時に全て処分してしまいました。
そのとき勤めていた 「会社の独身寮」 の 「新聞雑誌置き場」 にこれらの書籍を置いといたところ、いつの間にか書籍は自然消滅。(苦笑)
今となっては、自称ドSを増殖させるキッカケを作ってしまったかなと、反省したりしております。(笑)
中身を読んでみると、結びや留めの名前なんかもきちんと解説されています。
結びは、この本にある 「巴結び」 しか知りませんでしたし、留めについては、名前を知りませんでしたし、「乳房吊り」 は趣味ではありませんので関係ないものの、乳房の危険性については認識できていませんでした。
最近では、もう 「吊り」 はほとんど機会がありませんが、最近?の四点吊りとか、逆さ吊りなんかは、詳しくないので、その辺は大変勉強になりましたし、それ以外の部分も、きちんと注意すべき点とか、配慮することなどが懇切丁寧に書かれているので、緊縛を始めて間もない方だけでなく、ある程度熟練されている方であっても、再点検する意味で読まれても損はないと思っています。
あとは、受け手の方にお薦めなのが、ストレッチ系の記述でしょうか。
縛られるときの姿勢なども、初めて縛られる女性の場合は、猫背になって、自分の身を庇(かば)おうとしますので、随時躾けはするものの、準備運動については、自分でするわけでも、相手にわざわざさせるわけでもありませんので、たいへん参考になりました。
最近、縄を新調し、運良く 「梁(はり)」 もあって、何年か振りに吊りました。(笑)
但し、「吊り」 に関しては、吊る順序と体重移動、そして最終的には、縄にかかる力の分散とバランスが重要ですし、あとは 「吊り方」 により 「受け手」 が感じる恐怖心は大きく異なりますので、「受け手」 に吊りを慣らしていく順番というものもあります。
ですので、この本に書かれた内容で即、吊れるようになるわけではありません。あくまでも注意点が整理されているものと思って下さい。
やはり、一番参考になる部分は、処置方法の部分です。
何か事故が起きたときには、この本に書かれていますが、整形外科の受診が必要です。これは、何のためかと言うと、自分が考えている以上に、ダメージが深刻である場合があるためです。
また、その際には、これは別の症状だろうと勝手に自己判断して、症状を医師に伝えなかったり、嘘を言うのも、いけません。
整形外科であっても、患部をメスで開いて目視するわけでもありませんし、骨に深刻な状態にないかレントゲンや MRI を撮る程度。撮像で異常所見が見られないというのは、それ以下であるという確認・確定をしているに過ぎませんが、これは万が一のリスクを考えてのこと。
実際の治療は、それ以降の身体の稼動範囲などを加味した、医師の鑑別診断によります。
適切な治療を受けるためにも、きちんと信頼のおける医師に、全ての事情や状況を話すことが重要になります。
偏見かも知れませんが、一昔前、医大の医局が医学生の進路を采配(さいはい)していた時代は、優秀な生徒は、脳外科や循環器。整形外科や皮膚科は、成績の悪い生徒の行くところでした。
とは言え、しっかりとした医大であれば、やはり、整形外科の先生であろうとも、重篤なものも含め、的確な判断をする医師も多い。
しかし、リハビリともなると、電気をビリビリして、神経の回復と称して 「メチコバール」 を処方されたところで、中身は単なるビタミン剤。それで、筋肉や筋の部分の癒着が回復し、神経麻痺も回復するのであれば苦労しません。
こういった治療には、柔道整復や鍼灸、按摩といった治療が効果を示す場合も少なくありません。
ちなみに、緊縛事故の多くは、「吊(つ)り縄」 で起こるそうです。それは、やはり最低でも40kgの体重が、全て縄目に掛かるわけです。一番怖いのは、やはり縄が切れることによる落下や、バランスが崩れた結果、縄に絡んでの締め付け事故なんかです。
では、吊らなければ安心か?と言うと、まあ、亀甲くらいでは問題ありませんが、後ろ手にすると、やはり手首と二の腕は気にしますし、襷(たすき)にする場合などは、鎖骨(さこつ)や首は気にします。
「床縄(とこなわ)」 と言えども、やはり、注意は必要です。
過去に、知り合いの女性が、彼氏に 「海老縛り」 をされて首筋を痛めたと言うので、詳しく状況を聞いたことがありましたが、どうやら、胡坐(あぐら)で縛られて、そこから、縄が首に結ばれてたというのです。
「海老縛り」 は、ビジュアル効果を狙って、首に繋がれているように見せたりしますが、胡坐の縄は、実際には、首の脇を通って、胸縄の背中側に繋げます。
首の骨は、横の力に弱いだけでなく、それこそ人の急所中の急所なので、きちんと縛れる人であれば、当然避ける部位です。それだけで、その彼氏が見よう見真似(みまね)で縛っていたということが解ってしまうわけですが、縛った時点では、それなりにテンションを弱めていたとしても、「海老縛り」 のような、不自然な体制で固定する縛りでは、ただでさえ、「受け手」 にも力が入りますし、縛って責めたりする場合は、それ以上の負荷が掛かるわけですが、今回、その彼女は、そうしたストレスの全てを、首の後の部分一点で受けていたことになります。
そのカップルは、その後、別れたようです。事前にこの本を読んでいれば、この事故が防げたかどうかは疑問ですが、しかし少しでも、トラブルを未然に防ぐために、この本に書かれていることは、きちんと理解しておくに越したことはないと思います。
今まで、こういった切り口の SM 本というのは、ありませんでしたので、縄を志している方は、是非、(以下のリンクから)ご購入されることをお薦めします。(笑)
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