2ntブログ
2017/05/22

「小股の切れ上がったいい女」 とは

 

小股の切れ上がったいい女。

 

「粋(いき)な女性」 をあらわす、江戸時代の代表的な言い回しですが、では具体的に 「小股が切れ上がる」 とはどういう状態を言うのでしょうか?

実は、とある女性との会話の中で、つい使ってしまい、思わず 「はっ」 となってしまいました。何故なら、その意味を細かく聞かれたら旨く説明できないからです。(苦笑)

 

自分は何処でこの言葉を聞いたのでしょう。

昔は、テレビ番組なんかで寄席(よせ)なんかも放送されていましたし、時代劇の台詞(せりふ)にあったのかも知れません。あるいは、年配(ねんぱい)の方々と、杯(さかづき)を傾けているときにでも教わったのでしょうか。記憶は定かではありません。

 

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自分的には、「小股の切れ上がったいい女」 と言われると、多分、足元に目が言ってしまうと思います。そしてチェックしてしまうのは、踵(かかと)から足首そしてふくらはぎにかけてのアキレス腱(けん)の部分でしょうか。弛(たる)んでる印象のない、締まってる感。

そこの筋がピンと張っていたりすると、アソコの締(し)まりも良いのかな?などと、つい、妄想してしまいます。(苦笑)

しかし、そこには他人から見えてしまう部分であるからこそ、きちんと、お手入れや、立ち居振る舞いなどには気をつけている。そして、見られることは意識するけど、見られていることは意識しない。

 

なんか、現代のファッションにも通じるものがあると思っています。

 

要は、今風に言えば、着こなしを含めて 「セックスアピール」 が上手い女性であり、それを自然に着こなすことが出来て、かつ、そこに嫌味(いやみ)のない女性。

しつこいアピールは 「野暮(やぼ)」 ですし、完全防備やフル武装も野暮。着崩(きくず)して、隙(すき)を作ってナンボなわけです。

そして自然体であるのに、立ち居振る舞いが美しければ、これに勝るものはありません。

要は、自分の素養(そよう)や能力を、見せびらかし、アピールしているようでは、まだ、「粋(いき)」 とは言えません。

 

そして、その 「隙」 から漂(ただよ)う 「色気」 が、多くの男性に、その女性の 「上質の股」 を妄想させる女性のことを、「小股の切れ上がったいい女」 と呼ばせたのだと思います。

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この記事を書く前に、実は、いろいろとネットで調べてみました。(^^;)
そこで分かったことは、「小股が切れ上がった論争」 は、文壇の作家でも、結論を付けることが出来ず、いろいろと、諸説(しょせつ)あるということ。

「世界で一番受けたい授業」 で説明があったとされる 「小股とは、足の親指と人差し指の間」 を指すという説。これは結構、ネット上では総スカンを喰っていますが、多分、これは 「小股」 を、特定の人の部位に確定しようとしたことの反対意見でしょう。

辞書を調べてみると、「小股が切れ上がったいい女」 とは、足がすらりと長いことを言うとか、書いてあります。しかし、ネットにある多くの意見や反論で、誰も言っていないこと。
それは、「それを言っちゃあ、お仕舞いよ」 ってことです。(苦笑)
日本人は、魚介を除く、動物性たんぱく質が禁じられており、植物性たんぱく質に偏(かたよ)っていたためか、腸が長く、そもそも短足な人種ですので、現代のように、裸体の状態で、脚の長い女性を求めているわけではありません。
その証拠に、江戸時代の春画には、足の長い女性は登場しません。ww
むしろ、現代の 「ヒール」 ではありませんが、当時の花魁(おいらん)は下駄(げた)を履(は)いていますし、着物は、帯(おび)の位置と仕草(しぐさ)によっては、足がスラッと長く見える見せ方があるわけです。

要は、「小股が切れ上がったいい女」 とは、着衣状態における 「いかす女性」 に対する 「褒(ほ)め言葉」 なわけです。

当時の浮世絵には、頻繁に 「見返り系美人」 が多数登場します。

この絵なんかは、足元の裾(すそ)の V字ゾーンが 「切れ上がってる」 だけですが、しかし、その中身を連想してしまうのが男の性(さが)(笑)

 


「小股」 に含まれるニュアンスには、「大股」 ではない 「女性の慎(つつ)ましやかさ」 と同時に、「女性を褒(ほ)める」 気持ちが含まれているのです。
褒めて嬉(うれ)しくない女性なんか、この世にいません。(笑)

 

なので、それを、物理的に 「脚が長い女性」 と規定すること自体が、野暮を通り越して、もう 「無粋(ぶすい)」。(苦笑)

現代よりも、庶民のセックス文化が発達していた江戸時代。
花魁(おいらん)の世界には、いろいろと作法がありましたが、江戸の庶民文化で 「粋(いき)」 と言われた女性の場合、無粋(ぶすい)でない限りは、”男の誘いを断らない女性” でした。

「小股」 の意味は 「チラリズム」。(笑)

追伸

確かに 「草履(ぞうり)」 や 「下駄(下駄)」 の鼻緒(はなお)が食い込んだ女性の足元は、女性の 「お股」 を連想させます。足の指が、長ければ長いほど。(笑)
緊縛派には、「股縄(またなわ)」 を連想させますwww

 

 

 

 

【参考】

 

「『小股ってどこか』 よりも大切なこと 『よくわからない』 まま置いておく美意識」
「素朴な疑問集」
「『小股の切れ上がった女』 とはどんな女か?」
「小股が切れ上がったイイ女」 中日新聞プラス
「そのことば、江戸っ子だってね!?」
「『小股』は『足指の股』だけじゃない」
「小股(こまた)とは?」

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