2ntブログ
2016/04/16

SM とはなにか?(2)

しかし、「催眠」 という言葉で SM を捉えてみると、どうでしょう?

 

SM を心理学的に考えてみる

 

自分を含め、子供の時分に見てしまった SM 雑誌の挿絵や写真が衝撃的だった・・・と言うひとは、少なくありません。

某 SNS で仲良くしてくれている R子ちゃんに至っては、子供心ながらに、「大人になったら、みんなああいうことをするんだ・・・」 と認識していたご様子。カワユス(笑)

しかし、これは、心理学的に言えば、潜在意識に対する一種の 「刷り込み」 のようなもの。

 

また、自分は、これまで、「S のスイッチ」 とか、「M のスイッチ」 という表現を使ってきていますが、「性的な感じやすさ」 を利用して、視覚的には勿論、言葉その他で 「暗示」 を掛けていると言われても否定できない。

そればかりか、もしかしたら、自分自身も 「自己催眠」 ではないけれども、ある種の催眠に掛かっている可能性を自分では否定できなかったりします。

 

SM と暗示

 

そもそも、SM のお相手は、自分の意志で自分と繋がることを求めているパートナーです。

そのお相手を騙(だま)して連れてきているわけでも、お相手の意思に反して、拐(かどわ)かしてるわけでもありません。

なので、「緊縛」 にしても、お相手に逃げられるのを怖れて 「縛っている」 わけではありません。

 

ロウソクも熱いことは熱いし、鞭は痛いです。(笑)

 

しかし・・・・

 

ロウソクは、はっきり言って、可愛いバースデーケーキにぶっさすような、細身のロウソクの方が断然熱い!

SM で使うロウソクは、「低温ロウソク」 と呼ばれるもの。自分で実際に温度を計測したわけではありませんが、融点は 58℃~60℃。

お風呂のお湯の温度を考えれば、これでも熱いことは熱いのですが、仏壇のロウソクをはじめ、普通のロウソクの融点は、80℃ですので、それと比べれば格段に低い。

ですので、SM のロウソクを垂らして 「熱いっ!!」 となっても、使い方を誤らない限りは、ケーキのロウソクのように、「水膨(ぶく)れ」 ができるようなことはありません。

 

鞭にしてもそう。バラ鞭なんかは、音は大きいものの、痛くはありません。

昔、自分が親から叩かれた、籐(とう)で出来た 「布団叩き」 の方が、ずっと痛い。(苦笑)

竹製の 「物差し」 で、手の甲を 「ぺしん」 と叩かれた記憶もあります。3歩あるくと忘れるくらいの阿呆なので、何故叩かれたのかは、もう覚えていませんが、あれも痛い。(笑)

 

だからと言って SM が 「子供騙(だま)し」 だと言っているわけではありません。

言いたいことは、それだけ、SM は、心理的な要素が大きいということ。

 

ロウソクを使う場合もそう。

 

自分で温度確認をする・・・という名目で、自分の手の甲に垂らして、わざと 「熱っ!」 とやってから、「受け手」 の子の手の甲にも垂らします。

 

「ほらっ!」

 

手の甲は、温度に敏感な上に、自分で垂らしたときの反応を耳にしているので、当然、身体は 「熱さ」 に対して身構えており、シャープに熱さを感じます。

 

「あああっ、熱い!」

 

「言葉責め」 のところでも書きましたが、「言葉責め」 は ”心理戦”。 しかし、SM プレイ自体が、そもそも 「心理戦」 なのです。

 

SM と脳の錯覚

 

恐怖感はないまでも、「責められる・・・」 という状況は、無意識下に働いて 「緊張」 をもたらします。当然、アドレナリンは出まくるし、身体はいつも以上に敏感になっています。

特に、ロウソクなどは、そのロウソクが垂れた先に、否応(いやおう)なく神経が集中します。

アドレナリンが放出されているので、痛みや熱さは、思ったほどは感じていない筈ですが、神経が研ぎ澄まされている分、刺激自体は大きいでしょう。

皮膚には、触圧覚に温痛覚があります。これらの神経系統は、前者と後者で大きく異なります。しかし、敏感なところの触圧感と温痛感を合算して最後に総合的に認識するのは脳です。

ところが、実際は・・・と言うと、アドレナリンが分泌されていることもありますが、実際の刺激に比べて、SM の責めは心理的な要素が大きいので、脳が混乱するわけです。

こういうときの脳は得てして 「いい加減」 です。脳の錯覚と言ってもいいでしょう。

温痛覚の信号自体は大したことないので、もう一方の方だろう・・・みたいな 「お役所仕事」 的な処理を平気でします。(苦笑)

それで、触圧感覚的にも、不快ではなかったりすると、「愛撫的な刺激」 と勘違いしてしまうわけです。

脳がそのような錯覚を起こした途端(とたん)、脳からは、ドーパミンやエンドルフィンといった脳内の 「快楽物質」 が放出されます。

そして、それが繰り返されることによって、同じ刺激が与えられると、これらの 「快楽物質」 が反射的に放出されるようになってくるわけです。「パブロフの犬」 ではありませんが、「学習効果」 と呼ばれているやつです。

 

SM をやってるひとが、みなさん、このような理屈を認識しているわけではないでしょう。

事実、ネットに情報があふれている今日ではありますが、検索したところで、まずこのような 「SM の薀蓄(うんちく)」 は出て来ません。

そもそも、理屈を理解したからといって、実践できる代物ではありません。(笑)

ほとんど全ての人達が、実体験を通じた経験則で、こういった 「現象らしきもの」 があることを認識しているに過ぎません。

そして、SM を正しく認識できているひとは、温痛覚の刺激が大きくすればするほど、そのひとを快感が最大化するわけではなく、むしろ、最大化すべきは、「快楽物質」 の放出量であること。そして、そのために、同種の錯覚を繰り返すことによって 「快楽物質」 の放出を安定化させること、並びに、より反応の良い 「刺激量」 あるいは 「新たな錯覚ポイント」 を探求が重要であることを知っています。

 

こういうことを書くと、また、いつまでたってもお相手の見つからない 「自己中」 な 「自称ドS 君」 は妄想を始めます。

ドM を調教して、脳内麻薬漬けにして、いっぱいエッチしてやろう!と。(苦笑)

 

あらかじめ、催眠術に対抗あるいは防御している人に対しては、催眠術が掛からないのと同じことで、信用できておらず信頼もない相手に対しては、恐怖心のほうが勝ってしまい、ドーパミンはおろか、エンドルフィンさえも放出されません。

何故なら、自分を守るために、あらゆる刺激を遮断し、貝になろうとするためです。

マッサージを受けるときに、不安があると身体に力が入りますが、信頼しきっているマッサージ師の前だと完全にリラックスできるのと、近い感覚です。

 

SM と催眠術。随所に共通点が見え隠れします。

 

SM と女性のオーガズム

 

SM の世界でも、クリイキ、膣イキ、アナルイキという言葉があり、女性のオーガズムを区別していますが、自分であれ他人であれ、いじって簡単にイけるのが、クリ。

膣には、通称 「G スポット」 と呼ばれる膣全部上壁部や、「ボルチオ」 を呼ばれる子宮口上部などもあるものの、これらは、自分が完全に受動的であっても、いけちゃう 「クリ」 とは全く違います。

パートナーである男性に、女性のオーガズムに合わせるテクニックと素養がある必要である上に、女性自らに 「イキタイ」 という思う強い欲求があり、神経を結合部に集中し、筋肉の緊張や攣縮(れんしゅく)に耐え、それを一気に解放することが出来たときに、はじめて得られる快感が 「膣イキ」 です。

 

男性の場合は、約 95% の人間が、射精を通じて何らかのオーガズムを感じているのに対して、同種の調査では、女性の場合、性行為でオーガズムに達っしている人は 50% 以下。

但し、これには 「クリイキ」 も含まれています。「膣イキ」 の快感を経験している女性は、20~30% と言われています(イギリスの調査では、中でイけない女性の割合は、成人女性の 74% と言われています)。

 

このデータを信用すれば、半数の女性は、「いけてない」 ことになります。

そういう意味では、通常の家庭での 「夜の営み」 においては、「ボルチオ」 までは望みませんから、まずは 「クリイキ」 でも良いので、奥さんを往かせてあげてください、と言いたくなってしまいます。

 

しかし、SM の世界では、女性はイって当たり前ですし、「膣イキ」 などは日常です。

「当たり前」 の世界であるがゆえに、「何故、普通だと ”イケナイ” 人が多いのか・・・」 については、今まで考えてみたこともありませんでした。

 

SM だと何故いけるのか?

 

まず、SM のお相手は、既に M 性が開発された 「ドM ちゃん」 ばかりではありません。「ノーマル」 のセックスしか経験しておらず、また、本人は特に SM に興味があるわけでもないのにもかかわらず、この世界に引き込まれてしまう人も、少なからずいます。

SM を志向する人達の全員が、健全な心の持ち主だとは思いません。SM によって心と身体のバランスを取っている人も少なくないかも知れません。しかし、その性向を除けば、健全なひとばかりです。

セックスを嫌悪している人は確かにいないと思います。しかし、SM だからと言って、特に感度の高い女性ばかりが集まっているわけでもありませんし、多淫なわけでもありません。

M 性は誰に対してでも開放されるものではなく、その人が信用し、愛する人だけに開くものだからです。

特に SM をしているから、一般の人達と大きく乖離(かいり)する特徴が見られるわけではありません。

逆に、自分は性格的に 「絶対 ”S” だ!」 と思い込んでいた女性が、たまたまお付き合いした 「SM 好きの男性」 に開発されたことで、自分の M 性を認識した・・・なんてことはザラにある話です。

人によって、経験に長い短いなどの違いは当然ありますが、経験するまでは、特殊な人を除けば、ほとんどの人はノーマルなわけですし、また、SM を経験しているからといって、ノーマルのセックスが出来ないわけでもありません。

ですので、SM をやってる人達が特殊で、”いきやすい人達” ばかりだから、クリでもボルチオでもイク・・・わけではないということです。

やはり、やってる当人としては、「SM に隠されている方法論的なもの」 による効果としか、言いようがありません。

 

次回は、SM に隠されている 「女性をイカセル要素」 について、書いてみたいと思っています。

 

(つづく)

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