2ntブログ
2019/03/25

「都市伝説」という言葉で片づけない(5)- 飲尿プレイ篇

前回の記事 「都市伝説」という言葉で片づけない(4)」 の続きです。

 

先日、

 

「オシッコを飲んだり飲ませたり、そういうのって SM ?」

 

みたいな質問を頂きました。

 

純粋に、スカトロプレイの類(たぐい)を 「SM」 の括(くく)りに入れてしまうのも、乱暴なような気がしますが、しかし、全く関わりがないわけでもない。

 

「M 性感」 的な風/俗では、小が絡むプレイは 「聖水」、大が絡むプレイは 「黄金」 と呼ばれていますし、「飴と鞭(むち)」 ではありませんが、受け手である M が、そのような性癖を持っている場合は、ご褒美(飴)として与える場合もあるでしょうし、罰(鞭)としてそのような責めを与える場合も、”ない” とは言えません。

しかし、いずれの場合も、糞尿に対する一種の 「フェティシズム」 が絡むと考えています。

 

考えてみれば、「飲尿プレイ(聖水プレイ)」 というものも、常人には理解し難い変態の世界です。

前々回の記事 「都市伝説」という言葉で片づけない(3)」 のところで、SM に絡む話をしたばかりですが、ちょっと SM とも毛色が違うので、独立した記事として、書いてみたいと思います。

 

なお、タイトルを 「スカトロプレイ」 としなかったのは、自分は 「糞便」 を扱ったプレイの経験がないためです。

ア/ナル調教などを望む方には致しますが、しかし自分は、基本 「臭いのは苦手」 です。(苦笑)

 

ということで、今回は 「飲尿プレイ」 に絡めた話。

 

***

 

二人は暗い松の木蔭(こかげ)へ来ていましたが、そう云いながらナオミはそっと立ち止まりました。
「譲治さん」
甘い、かすかな、訴えるようなその声の意味が私に分ると、私は無言で彼女の体を両手の中へ包みました。がぶりと一滴、潮水を呑(の)
んだ時のような、激しい強い唇を味わいながら、………

 

「飲尿プレイ」 と言って、谷崎潤一郎の 「痴人の愛」 のこのシーンを思い浮かべた方は、かなりの読書家と言えるかも知れません。(笑)

 

この記述の解釈については、諸説あるかもですが、

 

終列車で帰る青年達を駅まで送った帰り道。

海から吹く夏の風が涼しい夜道の、松の木陰です。

そういう場所に入るのは、着替えか用足しか青/姦が相場というもの。

このとき、ナオミは早く連中を帰したがっていましたし、二人は近所に住んでるのです。

状況的には、「用足し」 的な状況以外スッキリしません。

そして、「甘い、かすかな、訴えるようなその声」 の意味する所と、「彼女の体を両手の中に包む」 という表現。そして、「潮水」「激しい強い唇」 というワードが続きます。

 

ツンデレの傾向そのものなのですが、ツンデレは 「したくなる」 と、いきなり甘えだしてデレデレするのです。(笑)

そして、彼女の体を両腕で抱きしめるのではなく、「両手の中に包む」 という表現。

「激しい強い唇」 が、上の口ならば、両手で包むであろうものは頭ですが、頭ではなく 「体」 なのです。

全体重が掛かっているから、両手で包むものが 「体」 なのであり、両手で包めるものと言えば 「臀部」 なのです。(笑)

 

***

 

「痴人の愛」 では、「潮水」 はキーワードになっています。

最初の 「潮水」 は、ナオミが若いときに、泳ぎを教えたときに、ナオミに 「わざと突然手をつッ放して」 ナオミに飲ませた苦い潮水。このときの情景が、譲治がナオミの体に魅力を感じ始めるキッカケになります。

二回目の 「潮水」 は、海水浴の後で、ナオミの身体をたらいの中で洗う情景。

三回目の 「潮水」 は、ナオミと仲良くしている、熊谷というけむくじゃらな男から滴る 「潮水」 であり、そして最後の 「潮水」 が、このシーンなのです。

 

若いナオミのカラダに、どんどん魅せられていき、最後は、彼女の馬になりたいがゆえに 「四つん這い」 になった譲治。

 

「痴人の愛」 に直接的な性的描写は、ほとんどありませんが、譲治だけなく青年も含め、四人が一つの蚊帳の中に入り、そして、自由奔放に振る舞うナオミ。

 

「立て膝をして両脛(りょうはぎ)を八の字に蹈ん張っているナオミの足の、一方は浜田の鼻先に、一方は私(譲治)の鼻先」 にあり、そして 「熊谷はと云(い)うと、その八の字の間へ首を突っ込んで、悠々と敷島を吹かしている」 のです。

 

「敷島を吹く」 と言う意味は分かりませんが、しかし、「八の字の立膝の間」 と言えば、今で言えば 「M字開脚した股間」 に当たります。(笑)

そして、ナオミは言います。

 

   「どう? 譲治さん、この光景は?」


書けてない行間を読まないと、谷崎が表現したかった情景は、見えません。

 

しかし、また脱線してしまいました。

 

いつの間にか、「痴人の愛」 の解説になってしまったので、本文は次回に書きます。(^^;

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