【緊縛小説】 縄絡み (17-8)
§17の8 自己嫌悪
それから、どうやって家に帰って来たのかは
はっきりと覚えていない。
ご一緒した人達と
その後、どういう話をしたのかも
まるで、自分の記憶を何処かに
落としてしまったかのように、覚えていない。
多分、待ち合わせの駅にまで戻って
解散にでも、なったのだろう。
アルバイト料も、きっと、上久保ちゃんから
貰ったに違いない。
家に帰って、無造作にしまった縄を
泣きながら、何度も何度も
お湯を染み込ませた
きれいな雑巾で拭き取った。
縄も、自分も
すごく穢(けが)れてしまった気がした。
乾かしては、また雑巾で拭き取り
年配の人に貰った、クリームみたいなのを
塗っては乾かし。
しかし、最後は、捨ててしまった。
縄と一緒に、自分も捨ててしまっていた。
それから、自分の中で整理するのに
かなりの年月を要した。
それからは、縄からは、きっぱりと足を洗い
それ以来、ママの店にも
顔を出すことは、なくなっていた。
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