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2018/05/26

【緊縛小説】 縄絡み (17-8)

§17の8 自己嫌悪

 

それから、どうやって家に帰って来たのかは

はっきりと覚えていない。

 

ご一緒した人達と

その後、どういう話をしたのかも

まるで、自分の記憶を何処かに

落としてしまったかのように、覚えていない。

 

多分、待ち合わせの駅にまで戻って

解散にでも、なったのだろう。

アルバイト料も、きっと、上久保ちゃんから

貰ったに違いない。

 

家に帰って、無造作にしまった縄を

泣きながら、何度も何度も

お湯を染み込ませた

きれいな雑巾で拭き取った。

 

縄も、自分も

すごく穢(けが)れてしまった気がした。

 

乾かしては、また雑巾で拭き取り

年配の人に貰った、クリームみたいなのを

塗っては乾かし。

 

しかし、最後は、捨ててしまった。

縄と一緒に、自分も捨ててしまっていた。

それから、自分の中で整理するのに
かなりの年月を要した。
それからは、縄からは、きっぱりと足を洗い
それ以来、ママの店にも
顔を出すことは、なくなっていた。

 

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