【緊縛小説】 縄絡み (15-3)
§15の3 八方塞がり
首都高に乗ると、車が渋滞していて
車が流れない。
仕方なく、次の出口で降り
渋谷辺りを通って
用賀に出て
第三京浜に向かおうとするものの、
道は結構、混んでいるし
街は、人で何処もいっぱいだ。
彼女は、自分が聞いていたカセットを
取り出すと、彼女が聞いている
山下達郎のカセットに交換する。
「高気圧ガール」 は、CMに流れていたし
この曲は、今あちこちの、街角で
ガンガン掛かっているやつだった。
しかし、しばらくして
一向に車が進まないのに
業を煮やした彼女は
何処かで休みたいから
今来た道を引き返して、と言う。
仕方なく引き返して
言われた通りに
ホテルやラブホを探して見るが
何処も満室ばかり。
八方塞がりだ。
もう、何処にも、行く宛がないようなので
車を、路肩に停め
「家まで送るから、帰ろう・・・」
と言うと
彼女は、しばらく考え込んで
公衆電話を見つけると
もう、真夜中なのに
何処かに電話する。
しばらくして、公衆電話から戻ると
「大丈夫そう・・・」
と言うので、彼女の指示に従って
幾分空いてきた夜の道に
車を発進させた。
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