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2018/04/12

【緊縛小説】 縄始め 6-4 最終回

§6の4 絶望的な希望


 


心の何処かでは、彼女との旅行を、楽しみにしている、自分が居るのに、


その横に、「もう、諦めろ・・・」 という自分が常にいる。


 


大学入試の発表は、結局は何処も、行かず仕舞い。


合格していれば、大学の事務局は入学金欲しさに、通知を寄越すので、


番号を貼り出すアレは、単なる当たり・ハズレのセレモニーに過ぎない。


 


結果として、受験には、合格していたが、


彼女にそのことは、伝えず、


二人で一緒に、旅行に行くことも、なかった。。。


 


彼女の良心と良識は、理解できる。


彼女の、情欲も理解できる。


今では、彼女にも、感謝している。


 


大人として、社会人としては、当然であっても、


自分に対する、彼女の 「裏切り」 が、赦せなかった。


いや、それは、正しく言えば、


自分の期待に反したことへの、怒りと絶望。


 


自分の 「感情」 を別にすれば、


彼女は、最終的に、当初の目的であった、


 


ガキで、甘っちょろい高校生だった自分を、


見事に、短時間で、彼女が望んでいた、


「ドS」 に転換することに、成功したのであった。


 


凪ぎの水面に、彼女が落とした小さな波紋。


それは、自分の中で、その後も静かに、


どんどん大きな輪となり、広がりを見せていった。


 



波紋 by sokaji




(完)


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