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2018/03/09

旦那:を 「気持ち悪い」 と思う感覚の謎 (2)

前記事 「旦那:を 『気持ち悪い』 と思う感覚の謎」 の続きです。

 

 

株式会社マンダムの 「男のにおい総研」 には、「調査研究」 以外にも、いろいろな男性の 「ニオイ」 に関する 「科学的知識」 の解説があります。

 

 

男の体臭

 

男性の 「体臭」 は、年代ごとに異なるそうで、若い男性の 「汗臭(ワキ臭)」 や、老年の 「カレー臭」 ではなく、「加齢臭」 は有名ですが、その間の30代半ばから50代半ばに掛けては、「ミドル臭」 とも呼べそうな 「脂臭」 があるそうです。

 

 

そして、これらの 「ニオイ」 は、それぞれ発生場所が異なるようです。

「体臭」 とは、そもそも、表皮に常在する菌が、「たんぱく質」 や 「脂質」 などの 「分泌物」 を分解する際に発生するガスの臭い。

ですので、身体の部位により、分泌物も、菌も異なることから、自ずとその 「ニオイ」 も変わってくるようです。

 

 

 

「油のようなニオイ」 や 「草のようなニオイ」 から始まって、「お酢」、「スパイス」 に 「納豆」 とは、驚きです。(笑)

ちなみに、マンダムが行った調査の中の、「ズバリ 夫のニオイは 『○○のニオイ』」 という設問の回答の中には、

 

        「インスタント焼きそばが腐ったようなニオイ」

 

というユニークな回答もあったようなのですが、これなどは、この図をもとに考えてみると、「インスタント焼きそば」 = 「酸化した」 と、「ソース(お酢スパイス)」 が 「腐ったニオイ」 ということで、上図で言う 「体幹」 の 「草のようなニオイ」 を除いた、「頭」 と 「ワキ」 そして 「足」 のニオイが全部織り成したような 「ニオイ」 と言うことなのでしょうか? (^^;)

 

こんな 「ニオイ」 を嗅いでみたいとも思いませんが、突拍子もないこの答えのつじつまが理屈と合ってしまうところが、逆に 「秀逸」 過ぎます。(苦笑)

 

 

気になるのは、一緒に生活してるから?

 

しかし、男性に発生する、こういった 「ニオイ」 については、女性に限らず、誰しも好きなはずがありません。(苦笑)

料理屋や居酒屋等で、座敷に上がるような場合の 「臭い靴下」 には誰しも閉口します。(><)

 

「夫が臭い!」 のは、結婚する前には、しなかった 「ニオイ」 が、結婚して一緒に住むようになってから、気になり出したと考える方が自然です。

要は、デートのときなどは当然、ニオイには気を付けるでしょう。一緒に旅行したり外出していたら、相手も自分も臭いますので、お互いさま的な感覚があるかも知れませんし、一緒にホテルにインすれば、一緒にお風呂に入ったりもします。

 

一緒に住んで、生活を共にしていれば、当然ですが、それぞれの行動は必ずしも一致しません。

 

既に晩ご飯を準備し、シャワーも浴びてる妻からしてみれば、外から帰ってきたばかりの旦那は、煙草臭かったり、お酒臭かったり、汗臭かったりすることを、気付きやすいのでしょう。

その証拠に、「旦那ばかりでなく、子供も臭い!」 という主婦の方もいます。(笑)

 

子供の場合は、汗臭さもあるかも知れませんし、外で土やホコリにもまみれます。

自分が子供のときを思い出してみると、確かに、汗やホコリにまみれているようなときは、母親に怪訝な顔をされて、すぐにシャワーを浴びさせられたような記憶があります。

 

とある主婦は、子供が小学生か中学生のときに、いつもではないのですが、たまに子供が、頭を生臭くさせて、家に帰ってくることがあったと言っていました。

何で生臭かったのかは、未だに理由が解らないのですが、その日の給食のメニューに関連しているのではないかと、今も思っているようです。(笑)

 

 

女性はニオイに敏感?

 

ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学生物医科学研究所のロバート・レント教授らが、ヒトの脳の中で、「におい」 などの情報を司(つかさど)る 「嗅球(きゅうきゅう)」 と呼ばれる部位の細胞数を、男女間で比較したところ、女性の方が男性に比べて、43%多かったことが報告されています。

 

女性は、生理周期で感じ方の変わるニオイがある

 

月経周期によって、女性の嗅覚の感受性が変わることが報告されていますが、この報告によると、月経周期によって感受性が変わるもの(アンドロステノン)と、感受性が変わらないもの(バニリン・フェニルエチルアルコール)が確認されています。

 

「月経周期における嗅覚感受性の変化」 末田香里ほか,名古屋女子大学,2003 [pdf]

 

アンドロステノン

 

この 「アンドロステノン」 という物質は、ヒトに限らず、また男女を問わず、汗などに含まれているステロイドのようで、豚の場合は唾液に多く含まれるようです。この臭いは、ヒトの場合、OR7D4 と呼ばれる嗅覚受容体遺伝子の配列と相関関係にあることが確認されており、一般的な配列をもつ人には不快臭と感じられるのに対して、遺伝子の2ヶ所に SNPs が存在する人には、あまり不快ではなかったり、甘い臭いに感じられる場合があるそうです。

 

「体臭を感じてしまう遺伝子 ・・・ アンドロステノンのお話」 体臭と遺伝に関するヒント

 

夫に対する意識と洗濯物のニオイに関する意識調査

 

株式会社ライオンが実施した、「夫に対する意識と洗濯物のニオイに関する意識・実態調査」 によると、「夫の洗濯物のニオイを ”不快” に感じる」 妻の割合は、夫とのコミュニケーションが良好な場合は、5.6% であるのに対し、夫婦間のコミュニケーションが取れておらず、夫に魅力を感じなくなり、夫との会話や一緒の外出も疲れると感じる 「結婚生活ネガティブ型」 の妻の場合は、60.6%と6割にも達しているそうです。

この実験では、同じニオイであっても、好きな人のニオイである場合と、そうではない人のニオイである場合で、ニオイに対する意識や行動に大きな違いが現れていることが分かります。

 

この実験とは別に、株式会社ライオンは、「揮発性ステロイド」 の中で、「アンドロステノン」 に対してのみ、女性は 「明らかに不快」 という反応を示すことを確認しているそうです。

 

「女性を不快にする男性の体臭の原因物質」 五味クリニック によると、「アンドロステノン」 を嗅ぐと、脳波上、女性は 「覚醒」 的な波形を描き、男性は 「鎮静」 的な波形を描くそうです。また、名前が実に似通ってますが、「アンドロステロン」 という別の 「揮発性ステロイド」 の場合は、女性に 「鎮静」 作用があり、男性に対しては 「覚醒」 作用のあることが、既に知られているそうです。

この 「アンドロステロン」 は、ヒトの腋(わき)の下や皮膚、尿中に含まれているようです。

 

ちなみに、「揮発性ステロイド」 のフェロモン作用には、動物のメスがオスを発情させて、求愛行動を誘発させるような、「リリーサー効果」 と呼ばれる、直接的な効果と、そのニオイで意識や行動にまでは変化を与えないものの、体の中のホルモン系や神経系に無意識に働く、「プライマー効果」 と呼ばれる、間接的な効果があるのだそうで、五味院長は、女性が直接的に 「アンドロステノン」 をネガティブに感じるからと言って、ブロックするというアプローチには疑問を感じているそうです。

 

「夫に対する意識と洗濯物のニオイに関する意識・実態調査」 の結果は、もしかしたら、この女性の 「好き」 という感情の有無が、「アンデロステノン」 その他を含む 「ニオイを不快」 に感じる要素になっている可能性があります。

 

「アンデロステノン」 が女性に対して 「覚醒」 に働いているのだとすれば、「アンデロステノン」 がトリガーとなって、無意識に、MHC の遺伝子タイプの違いなど、別のニオイを嗅ぎ分けている可能性も否定出来ません。この場合、「アンデロステノン」 に対して、女性が一様に 「不快感」 を感じるのは、もしかしたら、「アンドロステノン」 により覚醒され、無意識に異性のニオイを嗅ごうとしたにも拘わらず、相手の MHC に関わるニオイが検出されないことに対する 「違和感」 なのかも知れません。
 

 

好きなものは好き?

 

仮説

 

幾つかの研究報告を読んでいると、「アンデロステノン」 という 「汗」 に含まれる物質は、その物質単体では女性に 「不快感」 を感じさせるようですが、しかし、その一方で、女性の身体の方は、生理周期によって排卵時には、この 「アンデロステノン」 の感受性が高まっているわけです。

女性はあまり、口には出しませんが、生理前になると性欲が高まり、「セ☆クス」 したくなる女性も少なくありません。

女性自身の認識は兎も角、女性の身体は、「男」 の 「汗のニオイ」 に覚醒され、男のニオイを嗅ぎ、無意識のうちに、好きな男と嫌いな男を、あるいは、遺伝子の遠い男と近い男を判別し、「セ☆クス」 の対象としての可否を判断している可能性は高い、と言えそうです。

 

無理なものは無理! ニオイによる排除

 

そして、まずニオイにより、近親あるいは自分に近い遺伝子を排除している可能性があります。

これは、思春期にある娘が、父親にニオイを臭がることに起因します。

 

 

母親が 「父親のことを臭い!」 と感じるのは、夫婦関係に危機が訪れているからかも知れませんが、お年頃の娘が 「父親のことを臭い!」 と感じるのは、前回の記事にも書きましたが、女性が MHC(LHA)の遺伝子タイプの違いをニオイで感知出来ることからも、説明が付きます。

 

娘が、父親のことを 「望ましい父親像」 と認識しているかどうかは兎も角、父親のことを 「臭い!」 と感じる場合、もし、これが遺伝子の違いを認識しているとするならば、兄や弟がいる場合、父親までとは言わないまでも、その娘は、やはり父親と同様に、兄や弟に対しても 「臭い!」 と感じるのでしょうか?(^^;)

 

女性は、思春期を迎えると、相手を男性(あるいは異性)として意識しなくても、汗などのニオイによって、相手が自分の恋愛あるいは 「セ☆クス」 の対象となり得るかどうかを、無意識に判別しているのかも知れません。

 

ニオイが先か?好きが先か?

 

しかし、ニオイが原因で 「生理的に無理」 というのはあり得ても、このニオイだから好きとなるかは微妙です。

人間の感覚は、嗅覚以外にも視覚や聴覚がありますので、「昔好きだった元彼と同じニオイだ・・・」 みたいなケースを除けば、やはり女性が好意を持っているかどうかの方が大きいように思います。

 

「夫に対する意識と洗濯物のニオイに関する意識・実態調査」 の結果を見ても、夫に対する意識の違いによって、ニオイを臭く感じるかどうかは大きく変わっています。

 

女性は、自分の好きな 「男」 のことを、ニオイでも記憶しているのでしょう。

太古の昔は、女性は、動物と同じように、風に漂うニオイや道端の排泄物などで、危険を察知するのと同時に、「好きな男」 の現在位置を知り、「好きな男」 を追いかけていたのかも知れません。(笑)

 

(つづく)

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