「嫉妬心」 を制する (4)
前回まで、しばらく 「嫉妬の話」 を続けてきましたが、今回は最終回。
「嫉妬心」 については 「一家言(いっかげん)」 ある読者の方が、ブログに次のように書かれておりました。
この嫉妬の底にあるのは『不安』と言う感情。醜かろうが悪かろうがその不安を拭い去るためなら真正面から受け入れますよ(*´∇`*)嫉妬の根、不安の安子は愛で包めば良いのです!(持論、炸裂っ( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧)愛があれば嫉妬何てっ
なるほど・・・。大変 「深いぃ~」 です♪
しかし、これは愛情や嫉妬を受け容れる側の気持ち。書かれた方の、「おおらかな母性」 を感じます。
「盗られる女」 と、「裏切られる女」
ところが、いざ、旦那や彼氏の浮気や不倫といった 「色恋沙汰」 となると、女性は二つのタイプに分かれるようです。ひとつは、旦那もしくは彼氏に 『裏切られた』 と感じるタイプと、もうひとつは、相手の女性に 『盗られた』 と感じるタイプ。
「恨む相手は夫じゃない? 不倫された女性のプライドに SHELLY 『冷静に考えると』 」
実際は、当然、どちらか一方という単純な話ではなく、この二つの気持ちが織り合っているのだと思います。
しかし、この番組に登場している安富さん曰く、相手の女性に対する恨みの方が強いとのこと。
これは 「感情的」 と言うことも出来ますが、浮気や不倫をした旦那や彼氏は、自分が愛情を注ぐ対象であることから、その対象を 「盗られた」 という感覚が強いのだと思います。
そして、一方の 「裏切られた」 という感覚は、自分と相手の関係性において、相互の信頼で成り立っていた関係の片方が切れた・・・という喪失的な感覚で、「論理的」 でもあります。
前者は女性的、後者は男性的な感じがします。
実際、男性が社会において感じる同性間の 「嫉妬」 の場合は、信頼による繋がりが基本となっているので後者に近い感覚ですが、前者の感覚がないかと言えばそうでもなく、前者の感覚は、男性の場合は同性であれ異性であれ、「縄張りを荒らされた」 という感覚に近くなります。
そのように観ると、女性の場合、前者はグループを守る感覚が強く、母性愛的であるのに対して、後者は二者的でオンナ的であります。
詰まるところ、「盗られた」 と感じるのは、二者間の愛情と言うよりは、「自分のものである」 という既得権益を侵害された感覚の方が強く、また、「裏切られた」 と感じるのは、二者間の愛情を重視している人達の感覚であるような気がします。
奴隷もワンコも嫉妬する
しかし、これらの話は、一般の 「人」 のお話。 「奴隷」 の身ともなると、事情は大きく異なります。
そもそも、「奴隷」 は 「主」 の所有物であり、「主」 の財産でありますが、「主」 は 「奴隷」 ではありませんので、「奴隷」 が 「主」 を所有するのは勿論のこと、何人(なんぴと)も 「主」 を所有することは出来ません。
「主」 が 「奴隷」 に愛情を覚え、また、「奴隷」 も 「主」 に愛情を感じることは当然あります。
しかし、「主」 が 「奴隷」 を抱えるのは、ひとりでなければならない・・・という制約は、何処にもありません。
とは言え、「奴隷」 も人権はないにせよ 「ヒト」 である以上は、他の 「奴隷」 が自分よりも良く扱って貰っているのを見たら、「嫉妬」 を感じます。
イヌでさえも、「主」 の関心が他に移ると 「嫉妬」 を感じ、吠え続けたり、主の関心を取ろうとするそうですから、「奴隷」 であっても 「ヒト」 である以上は当然です。
「嫉妬」 は、最初にご紹介した読者の方も言っておりましたが、愛情がなくなることに対する 「不安」 の表れです。
躾けの出来ていないワンコは、不安になって、吠えたり噛み付きますし、自信を喪失したワンコは、塞(ふさぎ)ぎこみます。
「奴隷」 としての愛され方
こういう場合、奴隷は、どうしたら良いのか?
ワンコと同様、「主」 の関心を引き、興味を惹きつければ良いのです。
但し、吠えたり噛んだりするのは、勘弁して下さい。(苦笑)
要は、適切な時と場所で、最大限甘えれば良いのです。(笑)
「主」 が居なくなった途端に 「く~んく~ん」 と泣くイヌは、単なる 「甘ったれ」。「主」 にとっては 「困り者」 でしかありません。
きちんと、ワンコはワンコで堪(こら)えて、「主」 が帰ってきて
「よしっ!」
となったら、主の傍(そば)に走り寄って、思いっきりじゃれ付くのが 「良いイヌ」 です。そして、そのときに、「主」 に思いっきり甘えて、思いっきり全力を出して楽しめば良いわけです。
奴隷としての株を上げる
「言いつけ」 をしっかりと守るワンコが可愛いように、「奴隷」 はまず何をおいても、きちんと 「主」 の言葉に耳を傾けて、きちんと意味を理解して、その 「言いつけ」 を守るべく行動すること。それが一番の基本です。
そして、普段の日の生活は、踏ん張って耐えて、「主」 に会えたときは、「主」 の前で、思いっきり壊れればいいんです。
「奴隷」 としての 「株」 が高まれば、「奴隷」 は 「主」 の資産ですから、当然 「主」 も喜びます。そうなれば、「主」 も、より、その 「奴隷」 に 「愛」 を注ぐでしょう。
ニャンコとワンコを比べれば、ニャンコの方が 「甘え上手」 かも知れません。しかし、どう足掻いたところで、ニャンコはワンコにはなれませんし、ワンコはニャンコにはなれません。
ニャンコにはニャンコの、ワンコにはワンコの 「甘え方」 があるということです。
夫婦や恋人同士といった男女関係では、「プライド」 が邪魔をしたりする場合がありますが、「奴隷」 には、「プライド」 は不要です。「プライド」 も何もかも、かなぐり捨てて、「主」 との楽しい 「ハレ」 の時間を過ごすのが SM です。
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