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2019/04/13

体位の話(4)

過去記事の 「体位の話(3)」 の続きです。

 

前回の記事は、ちょっと纏まりが良くありませんでしたが、「体位」 は単に 「快楽」 を得るだけでなく、「心の満足感」 などを得る要素もあるということ。

そして、その 「心の満足感」 というのは、男の場合は、女性に対する 「支配欲」 を満たすことだったりしますが、女性の場合は、男性が女性を正面からきちんと受け留め、「気持ちのやり場」 に困らないようにすることで、「安心感」 を与えることなのです。

 

そして、セ/ックスの 「体位」 は、① まず女性をその気にさせ② 次第に女性の気持ちをどんどん高めて行き、そして、③ 最後に女性をイカせることが出来るように、「体位」 を組み合わせて、変化させていくものであることを説明しました。

 

「江戸四十八手」 とは

 

では、具体的にどのような 「バリエーション」 があるのでしょう?

 

「江戸四十八手」 は、浮世絵師である 「菱川師宣(ひしかわ・もろのぶ) 1618-1694」 が、相撲の決まり手 「四十八手」 になぞらえた一種のパロディーとして、セ/ックスの体位を描いたものと言われています。

「江戸四十八手」 には、実は 「表」 と 「裏」 が存在すると言われていますが、「表四十八手」 の方は、菱川師宣の描いた 「恋のむつごと四十八手」 であり、「裏四十八手」 の方は、「好色(こうしょく)いと柳(やなぎ)」 が元になっているそうです。

【首引き恋慕】 や 【理非知らず】 など、幾つか知った名前はあるものの、現在良く知られている 「四十八手」 とはかなり異なるようです。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

 

首引き恋慕

 

理非知らず

 

【釣上】 では、ブランコのようなものも登場したりします。気持ちよさそう。(笑)

 

釣上

 

また、男2人女1人の 「3P(MMF)」 にあたる 【二夫一女】 や、逆のパターンで、男1人女2人の 「3P(FFM)」 にあたる 【二女一男】 など、実に性に奔放で開放的。江戸時代おそるべしです。(笑)

 

二夫一女

 

二女一男

 

***

 

 

1994年に東京美術出版より刊行されている 「夢枕艶房秘考」 の中では、「性戯四十八手」 として、次のような体位が紹介されています。

 

 

【立ち松葉】 や 【立ち鼎(かなえ)】、【時雨茶臼】 に 【本駒駆け】 など、共通なものも多く見られ、浮世絵と一緒に紹介されています。

 

 

 

これらの絵の原本が、どのような由来のものなのかは不明ですが、こういった 「房中術」 や 「秘書」 といった類のものは、昭和の時代の 「ビニ本(ビニール本)」 や 「裏本」 あるいは 「裏ビデオ」 の類と一緒で、いろいろなものが出回っていますので、現在 「江戸四十八手」 と呼ばれているものも、誰がどのように、何に基づいて編纂(へんさん)したものかは不明。

 

ですので、「江戸四十八手」 の何番目が何の体位であるとか、どれが正しいなんて言うのは、野暮なこと。「江戸四十八手」 に 「由緒(ゆいしょ)」 や 「格式」 を求めてはいけません。

一時は、雨の日に往来する人同士が、互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違う 「傘かしげ」 とか、「公共広告機構」 か何かの テレビの CM にも使われた 「江戸しぐさ」 も、結局はその後、確認できる史料が存在せず、歴史的根拠が全くない 「作り話」 とされ、今は下火になっています。

そういう意味においては、この 「江戸四十八手」 というのも、ある意味それに近い 「都市伝説」 と言えるのではないでしょうか。

 

そもそもは、「相撲の決まり手」 であったり、「相撲番付」 などは、当時の庶民の関心事のひとつ。「相撲」 は、今の時代で言うとプロ野球やJリーグの勝敗みたいなもの。そして当時の、もうひとつの関心事は 「歌舞伎」 で、今の時代で言うと 「芸能」 です。

菱川師宣の時代は、井原西鶴が書いた 「好色一代男」 が一世を風靡(ふうび)した時代。瓦版(かわらばん)も、現代の日刊紙(タブロイド紙)とか週刊誌のような感じで、「オレオレ四十八手」 のノリでも良いわけですし、「東京四十八手2019」 のノリで出していた可能性もあるわけです。(笑)

 

ですので、今ある、いろいろなバリエーションの 「江戸四十八手」 も、自分のパートナーと一緒に 「こういう体位もあるんだねー」 みたいなノリで眺めて、楽しめれば良いんだと思います。(笑)

 

ちなみに、この辺りの系譜というものを詳しく追っている強者のお方もいらっしゃったりします。おそるべし。(汗;)

現代の四十八手は、どうも 「鴛鴦閨房秘考 (おしどりねやの志ぐさ) がベースになっているようですが、ネーミングは、「古伝百手」 にあるものが用いられていたりします。

「閑話究題 XX文学の館 地下本雑考 態位集系譜考序説」

 

 

そして、そういうある意味 「真面目」 な庶民ばかりを目にすると、こういう 「いたずら」 を仕掛ける連中も出てくるのです。(笑)

 

淫術九勢之図(渓斎英泉

 

やってみれば出来るのかも知れませんが、これなんて、半分はきっと 「ジョーク」 でしょう。(^^;

今で言う 「駅弁フ/ァック」 もあったりします。(笑)

まだ駅も駅弁もない時代なのに、帯を襷(たすき)掛けしてるところが、より 「駅弁」 風に見えるから不思議です。(笑)

 

以前に紹介した記事では某女医が、アクロバティックな体位は集中出来ないと 「ぷんぷん」 怒っていましたが、旦那がこんな浮世絵持ってきて、「どうだ今晩、コレやらないか?」 とか言われたら、「アンタ、昼間っから何アホなこと言ってるの!」 と怒られても、女性は女性で、この絵を見たら、男女の脚が絡まってるところや、女性が男に抱き着いているところとか、男性自身が奥深くはまっているところとか、如何にも 「Gスポット」 辺りに当たっているところを見て、思わず今晩に期待して 「ニタニタ」 してしまうわけです。(笑)

 

アクロバティックな体位は、あくまでも男の 「チャレンジ精神」 をそそるだけであって、理由が何であれ、要は男が 「やる気」 になれば良いだけの話。二人でいろいろな体位を見れば、「これやってみたい」 といった話にもなるわけで、大切なのは、二人の間のエロい 「コミュニケーション」 なのです。

「体位」 は、必ずしも全てが全て 「女性が気持ち良くなる」 体位ばかりでもありませんし、それで、新しい体位を試してみて、しっくりとこなかったら、別の体位に移れば良いだけの話。目くじらを立てて否定するような話ではないんです。(笑)

 

「体位」 には、「前戯やオーラルの体位」 もあれば、「挿入しやすい体位」、「密着感を楽しむ体位」、「動きやすい体位」、「膣口を刺激する体位」、「イクのに向いてる体位」、「膣奥に当たりやすい体位」、「膣の形を味わう体位」、「女性を積極的にする体位」、「差恥心をあおる体位」 などがあると言われています。

 

次回は、具体的な体位について書いてみたいと思います。

 

(つづく)

 

―――

 

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