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2019/04/05

オーガズムとは(7)

過去記事 「オーガズムとは(6)」 の続きです。

 

以前にも、女性の 「オーガズム」 を客観的に確認できる、いくつかの 「反応」 について、説明したことがありますが、再度おさらいしてみたいと思います。

 

女性自身が、「オーガズム」 を 「快感」 の一種として、うまく 「脳」 がキャッチ出来ているかどうかは別にします。まず現象として現れるのが、① 「膣の収縮(あるいは痙攣)」 です。男性からすると、膣が締まった後、子宮が降りてきて、男性自身が外に押し出されそうな感覚があります。若い女性のように、膣周辺の筋肉が硬い女性よりも、出産経験があったりして、筋肉のほぐれている女性の方が顕著に表れます。

また、このときに、セ/ックスの運動量以上の、② 呼吸回数が増えたり③ 心拍数が増えたり④ 血圧が高くなったりする他、背中を中心に ⑤ 「発汗」 が見られる場合があります。

 

何故、男がこのようなことを知っている必要があるのか?

 

嘘イキの話

 

日本家族計画協会の機関紙(第709号の記事に掲載されている 「ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ2012 調査結果の概要」 のところにも書いてありますが、「イケない」 女性は、男に対して 「申し訳なく感じたり」 することが多いのです。いわゆる 「嘘イキ」 です。

この記事の部分を見ると、女性ぼ 「嘘イキ」 については、以下のように書かれています。

 

オーガズムが「いつも」ではないという女性に、「オーガズムを感じているふりをしたことがあるか」と尋ねると、65・1%が「ある」(未婚67・1%、既婚64・2%)と回答。その理由は、「相手に悪いから」が54・3%(未婚57・7%、既婚52・8%)、「早く終わらせたい」が28・6%(未婚26・8%、既婚29・3%)という結果であった。未婚女性では50歳代、既婚女性では60歳代が「早く終わらせたい」の割合が他の年齢層に比べて高くなっている。

 具体的に、「その他のコメント」をみると、「相手を喜ばせたい」(35歳)、「タイミングを一緒にしたい」(41歳)、「相手の気分を盛り上げるため」(42歳)、「相手が期待しているから」(46歳)などであった。

 

しかし、このときの女性の 「嘘イキ」 のほとんどは、「AV ビデオ」 などを参考にした 「喘(あえ)ぎ声」 と、その後の自己申告に過ぎません。

 

嘘イキの功罪

 

では何故、騙されてはいけないのか?

 

一度女性が 「嘘」 を付くと、男性に 「女性をイカせた」 ものと誤認させる原因になりますし、女性は下手をするとそれ以降、ずっと 「嘘」 をつかなければならない状況に陥る可能性があるためです。

また、女性が男性に気を使ってしまう結果、セ/ックスに集中出来ず、男性に身も心も委ねられない 「癖」 がついてしまうのです。

 

女性が、あるとき、自分の 「性」 にしっかり対峙してみたいと思っても、自分のパートナーである旦那は、既に自分がイケてると信じているために、今更ながら、旦那に協力を求められないのです。

 

ですので、旦那との関係修復を望むつもりもなく、旦那とのセ/ックスが嫌いで嫌いで仕方がなく、一秒でも早く終わらせたいという場合以外は、少なくとも、パートナーとのセ/ックスを大事に思う女性は、「嘘イキ」 されないことをお薦めします。

 

また、男性は事前に女性に対して、「嘘イキは絶対にしないでね」 と約束事を決めておくこともお薦めしています。

自分が 「イキづらい体質」 で、男に申し訳ないと思っても、「嘘はダメ」 と言うことです。

お互いが 「性」 に対して真摯に向き合い、二人が寄り添ってこそ、性生活の向上があるのです。

 

本イキを確認する方法

 

ちなみに、女性の 「オーガズム」 で一番顕著な反応は、「臀部から腹部に渡る骨盤底筋の痙攣」 ですが、オーガズムが小さい場合は、この痙攣が見られない場合もあります。

しかし、前に説明した、①~⑤ の 「反応」 は、客観的に観察できる特徴ですし、これらの特徴の多くは、自分で意識的に再現できない反応です。オーガズムのときの膣の収縮を意識的に出来る人や、心拍数や血圧を意識的に上げたり、意図的に発汗出来る人は、まず居ません。(^^;

呼吸は女性の息継ぎで、心拍数は女性の胸に触れれば分かりますし、血圧は、女性の手の甲に触れれば、手の甲の血管の浮き出る具合と硬さで、確認出来ますし、背中の発汗は、背中に手を回せば確認出来ますので、きちんと セ/ックスを極めたい男性は、これらの特徴をしっかりと押さえておく必要があります。

 

心拍数や呼吸数および血圧等の変化については、「JASE 現代性教育研究ジャーナル 2018年 No.92」 に掲載されている 「今こそ活かそう! 性科学の知識」 という記事の中にも、次のように書かれています。

 

心拍数

興奮期の次に起こる平坦期に 心拍数は平均毎分 100 ~ 160 回、オーガズム期にな ると毎分 100 ~ 180 回。消退期には急速に正常に回 復するとはいえ 150 ~ 80 回となる。成人の安静時の 心拍数はおよそ毎分 50 ~ 70 回で、毎分 100 回を超 える状態を頻脈というが、相当な負担が心臓にかかっ ていることになる。

呼吸数

呼吸数も通常成人では毎分 10 ~ 20 回程度だがオ ーガズム期には 40 回を数え、発汗については興奮期、 平坦期、オーガズム期には特に反応しないのに、消退期には広範囲に発汗帯が出現する。 

血圧

血圧の変化も著明だ。血圧は平坦期から上がり始 め、オーガズム期には収縮期(最高血圧)で 30 ~ 80mmHg、拡張期(最低血圧)で 20 ~ 40mmHg 上 昇する。消退期になると正常に復する。

 

心拍数も呼吸数も、ほぼ 平常時の 「倍」 になるということです。

 

セ/ックスとマスタベーションの違い

 

ところが、この報告によると面白いことに、マ/スターベーションの場合は、正常時の毎分 63 回程度の脈拍がオーガズム期で毎分 85 ~ 97 回程度にしか上昇しないのだそうです。

呼吸数や血圧の上昇については、どの程度なのかは分かりませんが、やはり、セ/ックスと比べると、体力(運動量)だけでなく、興奮の度合いも抑えられているように思います。

 

自分も、仕事がかなりきつかったときなどは、セ/ックスをすると 「身体が起きて」 しまい、その後、眠いのにもかかわらず何故かなかなか寝付けず辛かった記憶があります。

仕事や子育てが忙しく、睡眠不足で疲れが溜まっている場合などは、どうしても 「セ/ックス」 する気分になれない場合であっても、性欲を解消するためだったり、あるいは、気持ち良くなることでストレス発散や気分転換をしたりすることがありますが、この辺りの、セ/ックスとマスタベーションの 「運動量」 や興奮度の違いが関係しているのかも知れません。

 

ですので、仕事から帰ってきて、旦那がひとりでしていたとしても、「私というものがありながら」 などと気分を悪くせず、単なる 「性欲」 の解消だと思って、「外で浮気されるよりはいい」 と思って温かい目で見守ってあげて下さい。

あるいは、断ってばかりではなく、奥さんが、お口や手でお手伝いしてあげるのも、2人の性的関係を維持していく上では、良いかも知れません。

 

日本のセ/ックスは最低

 

日本は、他の国と比べると、セ/ックスの回数が異常に少ないと言われています。イギリスのコンドームメーカー 「デュレックス(Durex)」 が2007年に実施した調査 「デュレックス セクシャル ウェルビーイング グローバル サーベイ2007 (Durex Se/xual Wellbeing Global Survey 2007)」 によると、「セ/ックスの年間平均回数」 は、1位がギリシャの164回、2位がブラジルの145回、3位がロシア・ポーランドの143回であるのに対して、日本は最下位の 48回。48回は毎週1回に相当する値です。

「セ/ックスを大切と思っている国」 は、1位がギリシャの80%、2位がブラジル・ポーランドの79%、日本は最下位の39%。

そして、「セ/ックスの満足度」 においても、1位がナイジェリアが67%、2位はメキシコの63%、3位がインドの61%であるのに対して、日本は最低の15%。

 

日本は、セ/ックス以外に楽しむことも多く、また、仕事を含め、他の国に比べるとやらなければならないことも多いのかも知れませんが、セ/ックスを大切に思っている人が最も低く、また、セ/ックスにおける満足度も最も低くなった結果が、現在日本が直面している 「少子高齢化」 です。

 

海外からの圧力によって、浮世絵に見られるような、江戸時代に花開いた日本固有の 「性の文化」 も、明治・大正・昭和という時代の流れと共に衰退してきましたが、日本はあらためて、「性」 に対する意識を変えるべきときに、差し掛かっているように思います。

 

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そのためには、「セ/ックスで気持ち良くなることを肯定する」 こと。 そこから全てが始まるように思います。

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