体位の話(11)
昨日の 「体位の話(10)」 の続きです。
前回は、基本的な体位として 「正/常位」 や 「屈/曲位」 などの体位を説明しましたので、今回は 「座位」 の代表的な体位を説明致します。
座位における問題
「座位」 は二人が互いに対面するか否かによって、一般に 「対面座位」 と 「後背座位」 に分類されますが、日本の場合は、「正座(せいざ)」 もあれば 「胡坐(あくら)」 もあるし 「坐禅(ざぜん)」 もあるので、「座位」 のバリエーションも大変豊富です。
ある意味、「日本文化」 を体現しているのが、「座位」 と言っても過言ではありません。
しかし、身体の堅い自分にとっては、ある意味 「一番苦手な体位」 なのが 「座位」。(苦笑)
特に最近は、あまり胡坐を掻く機会が少なくなってきているためでしょうか。たまに胡坐を掻こうとすると、足が攣(つ)りそうになったりして、情けないと言ったらありゃしません。(苦笑)
そんな場合の 「座位」 の対処方法を簡単に説明しておきますと、「座位」 にはいくつかのタイプがあり、男女双方が後ろ手を付くようなタイプの体位は、床の上とか布団の上でする以外にありませんが、ソファーなど 「背もたれ」 があるとやりやすい体位もあれば、丸椅子またはスツールのような、背もたれのない方がやりやすい体位もありますし、男女のいずれかが後ろ手を付くようなタイプの体位であれば、「座椅子」 もひとつの選択肢になり得る体位もあります。
例えば、【乱れ牡丹(ぼたん)】 のように、二人が同方向を向く体位のものは、「背もたれ」 のある [ソファー] や [座椅子] を使った方が足が疲れないでしょうし、
【だるま返し】 のように、どちらかが後ろ手を付くような体位では、[座椅子] なんかが効果を発揮しそう。
また、【唐草居茶臼(からくさいちゃうす)】 のような対面座位の場合は、布団の上でも勿論楽しめますが、椅子を使うのであれば、「背もたれ」 のない [丸椅子] や [スツール] の方が、断然やりやすいと思います。
二人の体重を掛けられない華奢(きゃしゃ)な 「丸椅子」 なんかは論外ではあるものの、低めの 「スツール」 なんかは、二人で一緒にまたがったりして、「座位」 的な利用にはとても重宝します。
というわけで 「座位」 については、こういった 「応用」 も意識されながら読み進めると、良いかと思われます。(笑)
座位の基本
座位の基本形は、【地蔵抱き】 とも 【抱き地蔵】 とも呼ばれますが、【居茶臼】 と言う体位です。
「茶臼」 と言うのは、「騎/乗位」 のことを指しますが、「居茶臼」 というのは、「騎/乗位」 の状態から男性が身体を起こした状態の 「座位」 のことを言うそうで、【座り茶臼】 とも呼ばれるそうです。
多くのサイトでは、もう既に 「椅子を利用した体位」 のような感じでアレンジされてしまっていますが、正しくはコレ。
地蔵抱き(居茶臼)
この状態から、女性が男性の腰に脚を絡めると、【茶臼絡み】 とも言いますが、ひとつ前に紹介した 【唐草居茶臼】 と呼ばれる体位になります。
唐草居茶臼
そして、男性が、女性の絡めた脚の片方をすくいあげると、女性の股が透かして見えるからか、【股すかし】 と呼ばれる体位に、女性の両方の脚をすくいあげると、【下り藤(さがりふじ)】 という体位になります。
【股すかし】 も 【下がり藤】 も、男性が女性の脚を抱えとるのがポイントです。
下り藤
以上の 「座位」 は、後ろ手を付かないタイプのものですが、ここから後ろ手を使う体位になります。
後ろ手を使う座位
【唐草居茶臼】 の状態から、女性が後ろ手を付き、男性が女性の両脚を抱え取り肩に掛けると、最初に紹介した 【だるま返し】 という体位になります。
男性は、女性の脚を抱えるようにして、体勢を維持します。胡坐(あぐら)を掻いた男性の上体が不安定で、前後に揺れる様子がだるまに似ていうことから、付いた名前ではないでしょうか。
この状態から、女性の後ろ手を外すと、一般に良く言われている、屈/曲位の 【だるま返し】 の体位になります。
だるま返し
【忍び茶臼】 は、【唐草居茶臼】 の状態から、男性が後ろ手を付き、女性は立膝(たてひざ)で、つま先立ちになる体位です。
ちなみに、【居茶臼】 では、女性は膝(ひざ)を付き、【唐草居茶臼】 では、男性の腰に脚を回す形になります。
忍び居茶臼
【忍び居茶臼】 の状態から、女性も後手を付き、男性が胡坐(あぐら)を解くと、男女の形が丁度鏡に映ったように対象に見えることから 【鏡茶臼】 と呼ばれる体位になります。
鏡茶臼
また、【鏡茶臼】 の状態から、男性が脚を八の字形にして、脚を女性の脚に掛けると、【狂い獅子】 という体位になります。
狂い獅子
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次回は出来たら、【乱れ牡丹】 を解説します。
(つづく)
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