【緊縛小説】 縄始め 5-2
§5の2 生理
また、ほとんど日にちも開けずに、彼女の家のベルを鳴らしてしまう。
出てくる彼女の顔が、幾分か、曇っているように見えた。
ご近所の目があるので、イソイソと玄関の中には、
入れて貰えるものの、明らかに不満そうな顔をしている。
「あのね、この前、生理って言ったじゃない?」
「えっ?!」
上手く、会話の意味が、理解出来ていない。
いろいろと話をしてみると、自分は 「今日は、生理だ・・・」 と、
聞いたので、翌日以降なら平気だと、勝手に思い込んでいたらしい。
女性の生理は、小☆学生の頃だったか、中☆学生の頃だったか、
一通りは、学校の性教育の授業で習ってはいた。
しかし、自分で体験できる、生理現象でもないので、
実感も湧かないし、詳しいことも知らない。
ましてや、そのときに、女性がどういう、
精神状態にあるのかなんて、全く以って、分からない。
しばらくして、
「仕方ないわね・・・」
と言って、彼女は、しぶしぶと、家の中に入れてくれた。
彼女は、紅茶を入れ終わると、行ったり来たりしながら、
幾つものタオルやら、遠足で使うビニールシートなどを、
用意し出した。
そして、自分の布団に、ビニールシートを被せると、
その上に、幾重にも、タオルを重ねると、
自分に、寝室に入るように言った。
「こっちへ、いらっしゃい・・・」
いつもと違う、不機嫌そうな彼女の言葉に、
どう対応していいか、分からず、素直に従った。
「血まみれになっても、知らないわよ?」
と言いながら、自分の股間をしっかりと掴むと、
彼女の目は、キラキラと潤っている、
いつもの彼女の目になっていた。
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