女性が中でイクために(11)
過去記事 「女性が中でイクために(10)」 の続きです。
「中イキ」 ってどんな感じなのだろう?
出来れば、同性(女性)の口から直接聞いてみたい気持ちは解ります。(笑)
そもそも 「中イキ」 経験出来るはずもない男で、しかも、こんな50過ぎの薄汚い 「エロオヤジ」 の言うことなんて 「怪し過ぎて信じられない!」 という方がいたとしても、全然不思議ではありません。(苦笑)
しかし何故、男ばかりが 「中イキ」 を語るのか。
それは、困ったことに、女性は 「中イキ」 をすると、その間の記憶が 「ぽっかり」 と抜け落ちるからなのです。
「記憶が飛ぶ」 とは、どういう状態か?
「中イキ」 をした女性は、別に 「失神」 して、気を失うわけではありません。
意識はあるので、声を掛ければ反応しますし、返事もすれば、話も出来ます。
しかし、まるでこの世を留守にでもしていたかように、「記憶」 だけが抜け落ちているのです。
「あのとき、こんなだったよ!?」 と教えてあげると、ぼんやりとした記憶を辿(たど)って、「ああっ!そうだ!そうだ!」 と思い出す人もいます。しかし、前後関係が良く解らなかったり、どうしても思い出せないこともあったり。
普段であれば、10年前に会った人の、名前や日付、下手をすると 「会話」 の内容までも細かく覚えていたりする、おそるべき 「記憶力」 の女性であっても、このときばかりは機能が働かなくなるのです。
「あそこで〇〇の話をしたところまでは覚えてるんだけど、其処から何時に店を出て、それからどうやって家まで帰ってきたのか全然覚えてない」
ちょうど、酒好きの人が飲み過ぎてしまい、ある時点からのことを全く覚えていないのと良く似てます。
勿論この場合も 「薄っすら」 とした記憶は残っていたりします。しかし、それを自力で思い出すことはなかなか至難の業です。
女性の 「中イキ」 もこれに近い状態と言えます。意識はありますし、話もするのですが、記憶が 「朧気(おぼろげ)」 になるのです。
自分一人で思い出すのはなかなか難しく、その場にいた人の証言などを頼りにして、ようやく思い出せるか、思い出せないかなわけですから、普通の女性は、なかなか自信を以って 「中イキ」 を語れないのです。
自分が 「あまりにも断定的に 『中イキ』 を語る女性の話は信じてはダメ!」 と言っているのは、そのためです。これらの記事の多くは、いろいろなサイトの情報を単に寄せ集めて、それらしく編纂(へんさん)したに過ぎません。
女性による 「中イキ」 談義
女性が自分の 「中イキ」 体験を語ることについては、全然問題ないのですが、「中イキ」 の場合、女性はそのときの 「記憶」 が飛んでしまうことの他に、女性が 「中イキ」 を語れないもうひとつ理由があります。 それはある意味当たり前なのですが、女性は、いろいろな 「竿」 を見る機会はあっても、他の女性の 「中イキ」 に立ち会う機会がないこと。(笑)
ですので、自らの体験以外は、どうしても他で見聞きした情報に頼るしかないわけです。(笑)
なので、見掛けたとしても、「いかがでしたか?」 みたいな 「まとめ記事」 の類か、「イケてる自分」 を演出している承認欲求丸出しの記事ぐらいのもの。そんな偽り多き、女性語りの 「中イキ」 論議ですが、マトモなものをひとつ見つけました。(笑)
女性ライターによる 「中イキ」 記事
株式会社サイゾーが運営する 「messy」 という情報サイトに、キュレーターをされている 「大根蘭」 さんという女性がいるのですが、この方は 「セ/ックスの求道者」 を自認されている方で、記事の内容もなかなか的確で参考になりますので、昨年の記事になりますが、彼女の 「中イキ」 記事をご紹介させていただきます。
「中イキは記憶が飛ぶって本当? オーガズムの感覚に“不正解”はない!」
彼女が受けた 「中イキ」 感覚の中身
彼女は、記事の中で、こんな風に書いています。
私の場合は、中イキ直前に力むため無呼吸状態に近く、イッた瞬間は心拍数も上昇して、額はクリイキのときよりも汗が流れますし、イッたあとにすぐ落ち着くクリイキとは違い、中イキ後は痙攣してる感覚を感じながら、しばらく放心状態です。
頭が真っ白になることもありますが“真っ白になった”という意識はありますし、“気持ちよすぎて、何を言っているかわからない言葉を発していた”ことも覚えています。ネット上では、私と同じように「意識が飛ぶと聞くけど、私は最初から最後まで覚えている」という人に対しても「自分では気付いていないだけで、記憶が飛んでいるはずですよ」という意見や「じゃ、きっとまだ本当の中イキを知らないのかも」という意見もありました。う~ん、なんだか断言されていることに、モヤモヤします。確認したいなら、セックス中の音声や映像を記録しておくしか術がないでしょうが、やりたくないですし……。
彼女の表現は、実に 「的確」 です。
「オーガズム」 は、”累積的な性的緊張からの突然の解放のことであり、骨盤まわりの筋肉のリズミカルな痙攣を伴い、強い快感を生んだ後に弛緩状態に至るもの” のと定義されますが、「無呼吸」 に近いのは、性的緊張ゆえに、力を込めて堪えて踏ん張っているためですが、実際はこのときも、一種の痙攣状態にあります。力が思いっきり籠っているときの痙攣が四分音符の周期であるなら、その後、解放された直後に起こる骨盤底筋や腹部の痙攣は八分音符の周期です。
最初から最後まで覚えているのであれば、それはどちらかと言うと、「中イキ(オーガズム)」 ではなくて、時間が止まり、甘い時間が永遠に続く 「エクスタシー」 の状態だと思います。
「中イキ」 も、その 「深さ」 が浅い深いといった 「程度問題」 はあると思いますが、頭の中が白くなったこととか、汗が噴き出すのを感じたとか、何を話したかは覚えていないけれども、話していたことは覚えているなど、ちょっとした断片的な記憶はあったりしますが、しかし記憶があったとしても、その程度で、前後関係や細かいことは分からなかったりします。(笑)
また、彼女が、「ク/リイキ」 によるオーガズムと、「中イキ」 によるオーガズムの違いを語っていますが、これも的確な表現だと思います。
この 「感覚の違い」 すら知らない女性のひとは、前にも書いた 「女医さん」 のように、加藤鷹が本に書こうとした 「意味」 も、フロイトが言っている 「意味」 も汲み取れないのです。
そして、彼女がいみじくも書いているように、唯一女性が自分の 「オーガズム」 を客観視するためには、自分の 「セックス中の音声や映像を記録しておくしか術がない」 のです。(笑)
彼女は、自分の 「観察」 の限界も認識しているし、対応策も考えているという点においても、実に嘘がありません。(笑)
素直に自分の言葉で語っているところに、大変好感が持てます。(笑)
「記憶が飛ぶ」 のは酸欠?
但し、彼女もまだ、きちんと 「オーガズム」 のメカニズムは理解していないようなので、若干誤解している部分もあるように思われます。
先ほども書きましたが、「中イキ」 の瞬間に記憶が飛んだり、意識が飛ぶのは正しいのですが、これは 「酸欠状態」 とか、そのまた逆の 「過呼吸」 によって気を失っている状態とは全く異なります。
確かに 「オーガズム」 を迎えると、女性の鼓動(脈拍)は早くなり、血圧は上昇し、呼吸も荒くなってきます。中には確かに 「過呼吸」 気味になる女性もいないわけではありません。
自分は、このような女性に対しては、手で口を塞いだり、首に手を当てたりして、出来るだけ血中の二酸化炭素濃度を落とさないように 「呼吸管理」 をしています。これは一見 「サディスティック」 に見えます が、これはあくまでも、「過呼吸」 による 「失神」 を防ぐため。
男は、「女が失神するほどイカせた!」 と誇りに思い、女性は女性で 「失神するほどわたしはイケるの」 と言いたいのかも知れませんが、自分に言わせれば、「失神」 したのは、男性パートナーの 「呼吸管理」 出来ていないだけです。(苦笑)
何回も言うように、医学的には 「オーガズム」 の迎えるにあたっては、まず最初に ① 女性の 「理性」 を司る 「前頭前野」 が最初にシャットダウンし、そして最後に ② 「不安」 や 「恐怖」 を司る 「扁桃体」 がシャットダウンを起こして、「オーガズム」 が起きるのです。
① の時点で、女性の記憶は朦朧(もうろう)とし始め、そして、② を乗り越えようとして、女性は 「イヤイヤ」 を始めます。
ちなみに、「中イキ」 に一歩手前の女性であっても、もう、ほとんどぼんやりとしか 「そのときの記憶」 はありません。(笑)
「中イキ」 において、「記憶が飛ぶ」 のは、前頭前野の働きが低下するためです。
ですので、本人は言葉を掛ければ普通に答えますし、当然 「はあはあ」 と息もしていますし、ブツブツとまるで独り言のような言葉を発していたりはしますが、そのときに自分の行動などの細かい描写といった記憶もそうですし、周囲の状況といった記憶が抜け落ちるのです。
「中イキ」 で 「記憶が飛ぶ」 のと 「失神」 は、全く次元が異なる話なのです。
SM とオーガズム
「SM」 の 「緊縛」 の世界では、「縄イキ」 という現象があります。
また、ちょっとした刺激や連想から 「オーガズム」 の達する 「脳イキ」 という言葉もあります。
「中イキ」 でさえ難しいのに、この辺になってくると、また 「都市伝説」 のように受け留められがちですが、実際に存在します。
自分の愛奴は、指の股にある水掻き部分を刺激して、イったこともありますし、乳首を摘まんでもイキますし、舌を吸ったりしてもイキます。
なんで、「SM」 と 「オーガズム」 が関係しているのか?- と不思議に思われるでしょうが、「フロイト」 も 「マルキ・ド・サド」 も 「ジョルジュ・バタイユ」 も、相互に影響を及ぼし合った同士で、同じ穴のムジナなのです。
SM で、縄に縛られてイってしまう 「縄イキ」 というのも一種の 「脳イキ」 であり、「中イキ」 もまた、一種の 「脳イキ」 のひとつに過ぎないのだと思っています。
そして、一度 「脳イキ」 出来るようになれば、何度でもイクようになりますし、「指1本」 でもイクようになります。
勿論、自分の指導に対して、きちんと向かい合ってくれていることが前提となりますが、これは、女性の 「オーガズム」 も結局最後は、女性の 「脳」 で感じているからと思われます。
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今回は、取り敢えず、本音ベースで、なかなか 「信憑性」 のある記事を書かれている 「大根蘭」 さんの 「中イキ」 記事をご紹介しました。
頭で理屈を理解したからと言って、「中イキ」 出来るようになるわけでもありませんし、「中イキ」 させることが出来るようになるわけでもありませんが、しかし、感覚的にイメージ出来るのと出来ないのとでは、同じように 「中イキ」 を目指すにしても、かなり違うと思います。
「中イキ」 を目指す方たちの、何かの参考にでもなれば幸いです。(笑)
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